思春期

既存の時間割に流されるだけの普段と違い、文化祭準備というものは、おれの社会性のなさを浮き彫りにします。準備をサボるのは周りからひんしゅくを買うため、自分にできる仕事がないか己の社交性を使って職を探さねばなりません。ですが、すでに出来上がっている、文化祭準備・コミュニティにうまくおれは入れないので、なす術もなく失業することとなります。おれはよくわからない場所にただ突っ立つだけの、文化祭社会の脱落者となってしまいました。どうにか入ろうとしても、結局他の人で事足りるので、最終的におれがいてもいなくても良い状況になり、失業する羽目に。とにかく、おれはこの時間をやり過ごせる場所を探すために必死にもがいていました。もがきながら、エントリーシートで「デザインはコミュニケーションが重要です」的なことを書いたことを思い出し、実際の自分の情けなさに絶望しました。帰りのバスで、コミュニケーションに失敗した時の困惑したクラスメイトの顔を繰り返し思い出して、全てから逃げたくなりました。もうすぐ文化祭です。楽しい楽しい文化祭です。今日はクラスの出し物が上手くいくかより自分の立ち位置ばかりが気になっていました。明日こそもっと誰かのために、クラスのために、社会のために、生きれたらいいなと思います。そうなれたら、おれが安心してその日をやり過ごせるはずです。