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ゴミ収集車から学んだ勇気

息子(4歳)と双子の娘(2歳)は、働く車が大好きだ。

「見て、パパ!消防車だ!」と、息子の元気な声が響いた。

振り返ると、息子と双子の娘が目を輝かせて大きく手を振っていた。

子供たちは、救急車・消防車・パトカー・バスなどを見かける度に、大喜びして手を振っている。

そんな子供たちの姿を見ているうちに、僕まで働く車を意識して見るようになった。

子供が出来るまでは、街中を走っている働く車というものは、当たり前の景色だったので、何とも思ったことがなかった。

そんな数多とある働く車の中で、僕の意識が一番変わったのが、ゴミ収集車だ。

子供がいなかったとき、僕にとってゴミ収集車とは、少し迷惑な存在だった。

車を運転しているとき、ゴミ収集車が止まる度にイライラしていた。

しかし、ゴミ収集車を意識して見ていると、ゴミ収集車というか、作業員さんが凄い。

作業員さんはゴミ収集車が止まるたびに軽快に車から降り、ゴミ捨て場へと一直線に向かう。

そして、全く知らない赤の他人が出したゴミ袋を何の躊躇もなく手に取り、素早く車に積み込むと、次の現場へと車を走らせ、同じ作業を繰り返している。

そんな大変な仕事をしている作業員さんを見たとき、僕はとてつもない勇気をもらった。

僕は現在、家事と育児に追われる日々で、ヘトヘトな毎日だ。

だが、あの全力でゴミを収集している作業員さんの姿を見たら、弱音なんて吐いている場合ではない。

先日、子供たちを保育園に連れて行っていたら、ゴミ収集車を見かけた子供たちがいつものように手を振った。

暑い中、大量の重いゴミを車に積み込んで、さぞかし疲れているであろうはずの作業員さんは、嫌な顔一つせず、満面の笑みで手を振り返してくれた。

そして、後ろに止まっていた車に一礼して、次の現場へ向かった。

少し道をふさがれたくらいでイライラしたあの時の自分が情けない。


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