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発達障害と診断された息子

4歳の息子は、一つの事に集中すると他の事が全く見えなくなる。

息子はパズルが大好きなので、パズルに集中すると同じ場所に何時間でも大人しく座っている。

だから、家事をしているときなどは非常に助かる。

しかし、息子の集中力は遊びだけではない。

例えば、僕が「保育園の給食は何だったの?美味しかった?」という質問を息子にする。

この質問には、「保育園の給食は何だったの?」と「美味しかった?」という2つの問いがある。

息子は「保育園の給食」について考え始める。

「う~んとねえ、パンとねえ、唐揚げとねえ、え~とねえ・・・」と、全てを思い出すまで考え出す。

そして全部を思い出したところで、「美味しかった?」と僕が聞く。

すると、息子は「昨日の給食はねえ・・・」と、続く。

僕は、「今日食べた給食は美味しかったかどうか」を聞いたつもりだが、息子は保育園の給食全てについて考え始める。

2年間通っている保育園の給食全てについて考え始めると、美味しかったかどうかの感想は、永遠に聞けない。

このように、息子は一つの事を考え始めると他の事は考えられなくなるから、息子との会話はほとんど成立しない。

こういった息子の言動を心配した妻は、息子を病院に連れて行った。

診察した医師の診断は、「発達障害」だった。

そして息子は、人並みのコミュニケーションがとれるようにと、週一回のカウンセリングに通うことになった。

コミュニケーションは生きていくうえで必要なことだ。

しかし僕には、「人並みのコミュニケーション」を得ることと引き換えに「人並み外れた集中力」という、息子の大切な個性を失ってしまうのではないかという心配がある。

「子供達には人並みに育ってほしい」と願う妻にとって、子供たちの個性を大切にしたいという僕の考えは無責任だろう。

それでも僕は、息子の集中力を大切にし、彼の個性を尊重しながら育てていきたいと強く思う。

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