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経営者をやめて主夫になりました【⑥兄妹げんか】 

兄弟げんかが始まったとき、子供たち両者が納得する止め方を出来ないで困っている。
ケンカになれば、叩いた方や年上を叱るのが一般的かもしれないが、叩いた方は、それなりの理由があるだろうし、「お兄ちゃんなんだから我慢しなさい」というのも違うような気がする。
先日こんなことがあった。
長男が遊んでいるおもちゃを妹がとろうとした。
カッとなったお兄ちゃんが、「やめて」と言って妹を押し倒した。
その様子を見ていた妻が、「どうして押し倒したりするの。ホノちゃん(妹)が痛がってるでしょ」と、長男に怒った。
押し倒された妹はもちろんの事、長男までも号泣してしまった。
この兄妹げんかによる妻のお裁きは間違ってはいないと思う。
遊んでいるおもちゃを取られそうになったとしても、押し倒してはダメだ。
これは大人でも同じだ。
しかし、怒られた長男は「相手がどんなに悪くても手をあげたらダメだな」と、反省するだろうか。
僕なら、「確かに押し倒したのは良くなかったけど、僕だけ怒られるのは理不尽だ。僕のおもちゃを取ろうとした妹も怒れよ」と思うだろう。
そして、怒られたことによって何とも言い難い孤独を感じるだろう。
僕にも妹がいて、子供の頃よく兄妹げんかをしていた。
ケンカの理由はどうあれ、親から怒られるのはいつも僕だった。
その度に、「お父さんとお母さんはいつも妹の味方ばかりしやがって」と思うばかりで、妹を殴ったことについて反省することはなかったし、家族に味方はいないと思う事さえあった。
だから、子供たちがケンカを始めたとき、僕はケンカを止めはせず、ケガをしないように監視している。
大人であれば両者の話を聞き、お互いの気持ちを理解させ、どちらも納得できるような解決策を提示することが出来るだろうが、子供は、そういうわけにはいかないので、せめてケガだけはしないように見守っている。
おそらく僕のやり方は間違っているのだろう。
だけど信じている。
いずれ我が子たちが、僕と妹のような仲良し兄妹になってくれることを。

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