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【投資】相場急落時の対応(その3)〜保有している日本株銘柄の確認

さて、2024年8月2日(金)と5日(月)の株式市場の大幅下落、そしてその後の急な戻しと、ボラティリティの高い状況が続いています。これを受けて、このnoteではこれまで(その1)と(その2)の2回に分けて、相場急落時の心構え、そしてマクロ経済の先行きの見通しの再点検を行いました。

(その3)となる今回は、保有している日本株について、この相場環境下、自身が想定している通りの株価の動きになっているか確認したいと思います。基本的には短期的な市場の動きで、個別株の売買を判断することはありません。ただ、こういう極端な状況でそれぞれの銘柄が意図通りの動きをしているか、何か自分の見落としていることがないのか、そして当初の想定通りに保有を継続していいかどうかレビューをすることは重要だと考えています。

なお現在の日本株の保有銘柄とその意図・背景については以前noteで紹介しました。現時点でも保有している銘柄は変わっていません。

今回は特に相場が軟調に推移し始めた7月初めから直近2024年8月9日(金)までの期間で、各銘柄のパフォーマンス、そしてそれらの銘柄が市場対比(対日経平均とか対TOPIXとか)で相対的にどうだったか見ていきます。

なお7月初(6月末)から8月9日までは日経平均は11.5%下落、TOPIXは11.6%下落。8月初(7月末)から8月9日までは日経平均は10.4%下落、TOPIXは11.1%下落。日経平均もTOPIXも同様のパフォーマンスでしたので、今回は単純化のため対日経平均で比較します。

優良安定銘柄枠

「優良安定銘柄枠」はとりあえずこれを買っておけば問題ないという安定枠。自身の株式ポートフォリオのコアを占める枠です。この枠が上手くいっているかどうかでポートフォリオ全体のパフォーマンスも大きく影響を受けます。

特にNTT(9432)やソフトバンク(9434)、JT(2914)はこのような環境下で下値抵抗力を発揮してくれるのでは?と期待しているところです。

優良安定銘柄枠

JT(2914)および信越化学工業(4063)は8月に入り市場(日経平均)よりもちょっと売られてしまいましたが、どの銘柄も7月以降、マイナス幅は限定的に抑えることができていました(とはいえ、NTTはこれ以前からパフォーマンスは軟調でしたからね…^^;)。

全体としては日経平均をアウトパフォーム。優良安定枠としてまあまあ想定通り安定感だったかなと思います。

極小時価総額枠

「極小時価総額枠」は、時価総額100億円未満、機関投資家の投資対象にもならず、割安に放置されている銘柄群。玉石混交ではありますが、その中から数銘柄に比較的大きめの額を投入。今流行りの「個人アクティビスト」ほどではないですが、株主総会等を通して、株主価値の向上を働きかけ、株価の上昇を狙う枠です。

個別企業の要素が強く、相場との相関はさほど高くないのですが、感覚的にはこういう市場下落時は結構一緒になって売られてしまうことが多いです。

極小時価総額枠

実際のパフォーマンスを見てみると、まあ可もなく不可もなく。ただ想定より悪くない感じではあります。特にニッソウ(1444)は7月末の権利落日以降で一時もっと売られていましたが、大きく戻ってきました。一方でヤマダコーポレーション(6392)は特段のニュースが出ていないのに、市場よりも売られている状況。流動性が決して多い市場ではないので、合理的な説明がつかないこともありますね。

いずれにせよ、まあこの枠もボロボロになることもなくしのげたかなって思います。

円高メリット枠

「円高メリット枠」は、ニュージーランド不動産の売却資金、また米国株の売却資金を原資とし、これまでの円安トレンドが終了し今後円高にトレンドが逆転した際に恩恵を受けそうな銘柄群として、今年の5月末頃に購入したものです。

日銀の利上げ、そしてそれを受けた"円キャリートレードの巻き戻し"を理由とし、150円・160円台だったドル円も、現在は140円台。まだまだ"円高"とまでは言える水準ではありませんが、更なる円安プレッシャーが無くなったということで、パフォーマンスにもそれが現れているかどうか、気になるところです。

円高メリット枠

パフォーマンスを見てみると、おかげさまで想定通り堅調。全ての銘柄が日経平均を大きくアウトパフォームしました。特にセリア(2782)は市場全体がマイナスな中、7月以降は14%のプラスリターン。ラクトジャパン(3139)やハビックス(3895)もプラスでした。

円高メリット枠のタイムホライズン的には、米国の(まだ始まってもいない)利下げサイクルが終了するまでという長いスパン。各銘柄とも想定どおりの動きをしているので、このまま安心して保有を継続したいと思います。

J-REIT(物流)枠

「円高メリット枠」と同様、ニュージーランドの不動産売却資金、米国株の売却資金を原資として購入したのが「J-REIT(物流)枠」です。これまでJ-REITは割安に放置されてきており、利回りも5%程度と十分。なかでも物流施設は今後も需要が堅調であろうと思い、今年の5月上旬頃に購入しました。

特に日米の株価下落、そして米国が利下げに入った場合には、日本もそれ以上の利上げはしづらく、利回り追求の流れからREITへの買いも復活すると思い、株価下落のクッションになってくれると期待しています。

J-REIT(物流)枠

結果を見ても、どの銘柄もマイナスのリターンではありましたがそれも1桁程度のマイナス。対日経平均は大きくアウトパフォームしました。

まさに想定通りの結果ということで、これも満足しています。引き続き株価軟調な局面もあろうかと思いますので、この枠は継続保有としていきます。

中長期成長枠

「中長期成長期待枠」は、今後3年から5年での株価上昇を狙う枠です。テーマ的には色々入っていて、別の言い方をすればごった煮、なんでもアリの銘柄群です。

この枠は他の枠ほどは下値抵抗力があるとは思っていません。個別企業ごとに反応はマチマチだろうなという想定です。

中長期成長枠

それでも結果を見てみると、思っていた以上に良好だなという感想です。積水樹脂(4212)や太陽HD(4626)、フューチャー(4722)、SANKYO(6417)など、市場を大きくアウトパフォームした銘柄もあれば、ナガオカ(6239)やKSK(9687)のように大きくアンダーパフォームした銘柄もあります。

ナガオカ(6239)については金曜日の市場引け後に、良好な通期決算を発表しているので、来週以降の展開はちょっと楽しみですね。

総括

これまで見てきた通り、各戦略の枠、ここ最近の市場の乱高下の状況でほぼ想定どおり、期待通りのパフォーマンスとなりました。(その2)でも議論したとおり、今後の相場の見通しが大きく変わったわけではありませんので、現在保有している銘柄はこのまま継続保有としていく予定です。

なお今回みた市場対比の相対パフォーマンス、機関投資家のアクティブ運用の巧拙を議論するのに使われます。個人投資家からすれば絶対リターンベースでプラスかマイナスかのほうが重要かもしれませんが、今回のように各銘柄が思った通りの役割を果たしているか(下値抵抗力があるかとか、円高時どうかとか)を見る際には有効かなと思っています。個別銘柄を保有している方も、お時間のある時に相対パフォーマンスも確認してみるといいかもしれませんね。

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