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【投資】"バブル期"との比較が好きなメディア達 - トヨタ時価総額、バブル期のNTT超え(日本経済新聞)

メディアはとかくバブル期と比較したがります。特に金融、資本市場関連では。何かっていうと「バブル崩壊後の高値…」とか。今朝(2024年1月24日)の日本経済新聞の記事、"トヨタ時価総額、バブル期のNTT超え"もそうです。そもそも正しい比較とは?からメディアは勉強しないといけないのでは…と思う今日この頃です。


比較対象はApple to Appleか?

2つのものを比較する場合、その2つは比較可能なものでないといけません(Apple to Apple)。野球で言うなら、投手と野手、その2人の選手のどちらが優れているか?なんて比較できません。これはApple to Orangeな状態です。国内の通信インフラを担うNTTと、世界最大級の自動車メーカーであるトヨタ自動車。当然ですがその事業規模や、投資家が期待する成長性はまったく異なります。そんな2社の時価総額の比較、Apple to Orange、ほぼ無意味ですね。「だから何?」って感じがしてます。

そもそも基準点は妥当か?

この記事に限らず、"バブル期"との比較はよくされます。最近では、日経平均のバブル期最高値3万8000円台を意識する議論もよく目にします。

あるものを過去の基準点と比較する場合、その基準点が比較に妥当かどうかの確認が必要です。例えば会社の利益について、「今年は昨年に比べて横ばいでした」と言っても、昨年の利益が何か突発的な事象によって普段とは違う高い利益だった場合、それを除いて考えると今年の利益は十分合格点かもしれません。基準点が異常だった場合にはそれを修正したうえでの比較が必要になる、あるいはその修正ができないのであれば基準点としては妥当ではないということです。

そういった観点でいうと、バブル期の株価って比較に値する妥当な株価だったのでしょうか?多くの人はおそらくはYESとは言わないでしょうね。

ついでに…

要は「この記事、結局何が言いたいの?」ということなんですが、さらに最後、追い討ちをかけるようにお決まりの日本ディスりで記事をまとめてます。これがますます「結局何が言いたいの?」っていうのに拍車をかけています。なんか、チクリと言わないと気が済まないんでしょうね。

ただ、世界の有力企業の背中はなお遠い。QUICK・ファクトセットによると、22日時点の世界のドル建て時価総額ランキングでトヨタ(3290億ドル)は25位。首位の米アップル(2兆9979億ドル)や米マイクロソフト(2兆9469億ドル)の9分の1だ。

世界では新たな有力企業が次々と生まれている。日本企業が成長を加速できるかが課題となる。

日本経済新聞記事より

アップルやマイクロソフトといったいくつかの米国企業、確かにすごいです。そもそも米国という国はイノベーションの源泉、そしてその土壌ができています。国の大きさ、使用する言語、人口、全部違います。その中で、時価総額がトヨタが25位だからといってこれも「別にどうでもよくない?」って思ったりもするんですけどね。

きっとメディアの方々は、バブル期の頃が忘れられない素敵な思い出として、行動経済学でいうところのアンカリングされているんでしょうね。

#日経COMEMO #NIKKEI

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