【投資】ユーラシア旅行社(9376) - 何が起こっているのか???
当方、今年の5月末頃から円高で恩恵を受ける銘柄の1つとしてユーラシア旅行社(9376)を保有しています。
このユーラシア旅行社(9376)、ここ数日間連日のストップ高となり、現時点(2024年12月5日)で当方の持ち値500円から54%上昇の770円。本日もストップ高のまま取引が終了となっています。
自身の保有している銘柄がこうして爆上げするのは嬉しいものですが、同時に自分の心の中に警戒アラートが鳴り始めます。今日は自分自身も冷静になるために、現在の状況と今後の対応について整理したいと思います。
ユーラシア旅行社(9376)
ユーラシア旅行社(9376)はシニア層軸に添乗員同行の海外ツアー等を企画販売している旅行会社です。ツアーは比較的高単価、国内旅行も展開しています(会社四季報より)。
当方がこの5月末に円高メリット銘柄を検討した際、他の旅行会社も候補にあがる中でこのユーラシア旅行社(9376)への投資を決めた要因としては:
時価総額20億円未満(当時)と当方が好む極小の時価総額であったこと。"極小時価総額枠"でも候補になりうるかもと。
昨期の実績はマイナスであったものの今期業績がプラスに転じる期待があったこと(実際に2024年9月期はプラスに転じました)。
自己資本比率60%以上と財務面でも保守的であり、足元の円安局面が継続しても生き残る体力はありそうなこと。ちなみに総資産の60%は現預金。キャッシュリッチだったりします。
そしてお金を持っている(単価の高さを期待できる)シニア層にフォーカスしていること。
そういった点を総合的に判断して決めました。
爆騰している根拠
時価総額が20億円弱の当該銘柄、当然ですが日々の出来高も少なく、欲しい額まで買い集めるのに苦労しました。やはり時価総額の小さい企業は流動性の低さがネック。とはいえ自身のタイムホライズンは等銘柄については3年から5年を想定しているので、比較的長期戦を想定していました。
そうした中で今回、数日前から株価が急に動意づき、昨日は調整のため下落しましたが、それ以外は連日のストップ高となりました。巷で言われている根拠としては:
円高圧力。米国は12月のFOMCで利下げ期待が高く、逆に日銀は再利上げするかも?という状況。
11月30日から中国へ行く際の短期ビザが免除されることになったこと。
まあそれはそれでプラスには働くであろうな、という根拠ですが、同時に「そこまでのインパクトある?」とも思います。
他の旅行会社との比較
上記の理由が本当であるならば、他の旅行会社の株も同等に上がっているのか?ということで確認してみると:
エイチ・アイ・エス(9603)はこの5日間で3%程度の上昇
KNT-CT HD(9726)、近畿日本ツーリストは逆に1%ちょっとの下落
エアトリ(6191)も5%程度の下落
と、円高圧力や中国への短期ビザ免除、相応に皆に恩恵を与えているのかと思いきやそうでもありませんね。
もちろん業績改善期待は明らかですが、それでも決算を確認せずこうして根拠が薄いまま株価が上昇するのは正直ちょっと気持ちが悪いな…って感じています。
期待される株価水準
当方バリュエーションの専門家ではありませんが、では今後見込まれる業績改善を想定した場合に、現在(2024年12月5日時点)の770円という株価は正当化されるのか、簡単に確認してみたいと思います。
EPS(1株あたり利益)はどれくらいまで改善が可能か?
ユーラシア旅行社(9376)の2024年9月期のEPSは32.67円とその前の期のマイナスから黒字転換しました。過去の当該銘柄のEPSを遡ってみると、2004年から2008年にかけては60円から70円近辺でした。そこまでの改善が見込まれるかどうかは不明ですが、今後円高局面になった際には、シニア層がより海外に旅行に行く、そしてその際には割と客単価も高いのかなという期待もあり、60円から70円、もうちょっと幅を見て50円から70円くらいになる可能性もゼロではないかな、と考えます(楽観的なシナリオとしては)。
PERは過去どんなもんだったか?
足元PERは25倍程度。ちょっと割高感は否めません。とはいえ同銘柄、過去のPERを見るとだいたい20倍程度なんですよね。なのでちょっと保守的に見て、想定されるPERの水準は15倍から25倍程度とします。
期待される株価のレンジは?
EPSの期待水準が50円から70円、PERは15倍から25倍とすると、株価の想定レンジはEPSとPERを掛け合わせ、下は750円、上は1,750円ということになります。足元の770円は想定としてはまあまあ。今後1,000以上の展開があってもおかしくはないのかなという感じです。
まあだいぶざっくりとした計算ですが…
今後の対応
自分の中では根拠の薄い直近の上昇ですが、一方で足元の株価水準はそれほど異常な高値でもなさそうです。こうした状況下ですので、当面は以下の方針でいこうと思っています。
今期2025年9月期は始まったばかり。まずは足元の業績を数字で確認したいところです。
為替も円高局面に入ったばかり。今後も円高圧力は続くと考えます。そういった観点では、円高恩恵枠内の同銘柄を積極的に売る理由はありません。
ただ、あらためて今回見てみると、同じ円高恩恵候補でもKNT-CT(近畿日本ツーリスト)は出遅れ感もあり、PER/PBRで見てもまだまだ割安。ユーラシア旅行社から一部資金をKNT-CTに分散させるのは検討の余地ありかなと。
まあ変な投機筋に遊ばれているだけであっても、どうせ持ち値の500円程度に戻るだけでしょうし、ここで短期的に"反応/リアクション"するのではなく、冷静に見ていこうかなと思います。