『事業再生はひとづくり・まちづくり(旅館編)』一新塾講師に深田智之さん(会津東山温泉くつろぎ宿社長・湯瀬温泉せせらぎ宿社長・一新塾OB&理事)
一昨日は、54期ゲスト講義の第一回目!
『事業再生はひとづくり・まちづくり(旅館編)~経営は「志」と「収益」』をテーマに、一新塾OBの深田智之さん(会津東山温泉くつろぎ宿社長・湯瀬温泉せせらぎ宿社長・一新塾理事)にご講義いただきました。
深田さんは、時代のテーマに正面から挑み、
道なき道を切り拓いています。
●第一の挑戦『グリーンピア』
かつて、都銀系のシンクタンクの研究員として大規模公共施設のコンサルティングに携わっていました。あるとき、毎年7000万円の運営赤字を出し続けていた高知県須崎市のグリーンピア土佐横浪(大規模年金保養基地)と出会います。そして、株式会社リゾート・コンベンション企画を起業し、日本初の純粋民間企業として公的施設の経営改善を受託。2年目で黒字(1,200万円)を達成し、利用者数の3割増、さらに従業員の業務意欲向上、地域振興を実現。
●第二の挑戦『会津東山温泉の三旅館同時再生』
会津東山温泉での地域再生ファンドを活用して破綻寸前の三旅館の同時再生でした。かつて竹久夢二や与謝野晶子も愛した東山温泉ですが、入込み客は1992年の約81万人から、2006年は約42万人に半減。深田さんは、徹底的なコスト削減を図り、3館の特色を色分けし、わずか1年半で黒字を達成、3年余りで再生を完了させました。
●第三の挑戦『東日本大震災』
そんな中、襲った東日本大震災。震災直後、行政支援が本格始動する前に旅館をいち早く無料開放。ピーク時には1400名ほど、2011年4月10日までに延べ12954名の被災者の方の支えとなりました。2011年4月3日からは大熊町の方々の二次避難場所としてピーク時は520名の方々にご利用いただきました。
●第四の挑戦『湯瀬温泉の事業再生』
さらに、2014年7月より、秋田県鹿角市の湯瀬ホテルの譲渡を受けて事業を再生し、地域の発展に貢献されています。
●第五の挑戦『コロナ禍での旅館経営』
新型コロナの影響で全国的に旅館の経営環境が厳しい中、露天風呂づくりや改装作業を旅館の職員が取り組むなど、職員の雇用とモチベーション維持しながら、コロナ禍でも営業利益の黒字を維持されました。
講義では、あるべき理念を貫くために、
停滞している現場の渦中に飛び込んでは、
志と収益の経営力を武器に、新しい風を起こして
一新し続けてこられた人生の歩みに心揺さぶられました!
ハードよりソフト。
一人ひとりの可能性にフォーカスして
仕事に人をつけるのでなく人に仕事をつける。
事業再生の目的は、職員が幸せになること、
職員一人ひとりの可能性をとことん引き出し
続けている姿勢に心より敬意を表します。
以下は、参加された塾生の皆さんのご感想と心に響いた言葉です。
●成功するまであきらめない
●求めれば出会いがある
●現場に答えがある
●単価設定は経営そのもの
●結果を出せば皆がマネする
●人に仕事・役割をつける
●マイナスをプラスに転換する発想
●オリジナルは価格競争に巻き込まれない
●ハコモノは民間が運営した方が効率的
●外からの目、地元が気づかない魅力の発見
●事業再生はビジネスチャンス
●継続させるためには収益
●人を大切にする理念経営
今年2024年は湯瀬ホテル10周年。
来年2025年はくつろぎ宿20周年。
年金問題、ハコモノ利活用、東日本大震災、コロナ禍。
道なき道を切り拓き、事業を再生させ、地域を再生させてきた、
深田さんの時代の試練の向き合い方から学ばせていただきました!
■道なき道を切り拓く一新塾