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印刷して提出するだけ!! 100%顧問を拒否できる要望書

はじめに


「顧問を拒否したいけど……緊張してうまく伝えられる自信がない……」「強引に押し切られたり、なし崩し的に顧問にされたらどうしよう……」

そんな方は、これをこのまま印刷して提出するだけでOKです(各勤務校の実情に応じて休憩時間の違いなどがあると思いますので、その際には加筆修正の上、ご活用ください)。
それだけで100%顧問を拒否できます。というより、これを出せば、逆に管理職は顧問にしたくないと思います。

なお、本記事は、日本で初めて部活動問題に専門に取り組む教職員組合(地公法第53条に基づく正式な登録職員団体)であるIRISからいただいたご助言をもとに、リリース当初から大幅な改訂を施しました。IRIS様にはこの場をお借りして改めて御礼申し上げます。
また、本記事は個人で戦う方に向けての資料ですが、戦い方は決して一つではありません。「一人では心細い」「顧問拒否後の立場が不安」といった方は、IRIS(https://twitter.com/iris_bukatsu?s=20)にご相談すれば、交渉代行・アフターフォローまで手厚くサポートしてくださいます。あなたは決して一人ではありません。部活顧問という破綻したシステムに苦しめられる全国の教職員の方々が、そのくびきから解き放たれることを願っております。

最終更新日:令和4年1月5日


来年度の部活動顧問の割り当てに関する要望書

令和4年  月   日
◯◯ ◯◯

私は、以下の論拠に基づき、来年度の部活動顧問を割り当てられないことを要望する。

公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法(給特法)第6条から委任された「公立の義務教育諸学校等の教育職員を正規の勤務時間を超えて勤務させる場合等の基準を定める政令 2項」により、教員には以下のいわゆる「超勤4項目」を除く残業命令を出すことは禁じられている。

1 教育職員(管理職手当を受ける者を除く。以下この条において同じ。)を正規の勤務時間(一般職の職員の勤務時間、休暇等に関する法律第5条から第8条まで、第11条及び代12条の規定に相当する条例の規定による勤務時間をいう。第3項において同じ。)を超えて勤務させる場合は、政令で定める基準に従い条例で定める場合に限るものとする。
2 前項の政令を定める場合においては、教育職員の健康と福祉を害することとならないよう勤務の実情について十分な配慮がされなければならない。

公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法6条

教育職員に対し、時間外勤務を命ずる場合は、次に掲げる業務に従事する場合であって臨時又は緊急のやむをえない必要があるときに限るものとすること。
イ 校外実習その他生徒の実習に関する業務
ロ 修学旅行その他学校の行事に関する業務
ハ 職員会議に関する業務
ニ 非常災害の場合、児童又は生徒の指導に関し緊急の措置を必要とする場合その他やむを得ない場合に必要な業務

公立の義務教育諸学校等の教育職員を正規の勤務時間を超えて勤務させる場合等の
基準を定める政令 2項

すなわち、部活動顧問による残業命令を出すことは法律上禁じられており、当該事実を知りながら、また職員の明確な意思を確認しながら、これら正当な理由を無視して上記法律を逸脱する種類の残業を強いることは、立法趣旨にもとるものである。
なお、給特法第6条が「正規の勤務時間を超えて勤務させる場合」の基準を政令に委任しているのは、立法趣旨に則った適正な運用がなされるであろうという公務員の倫理感への信頼のためである。
そうであれば、部活動顧問を割り当てることで所属職員に残業を強いるような行為は、公務員としての倫理観を損なう重大な意味をもつ行為であることを警告しなければならない。

また、2019年5月に成立した改正労働施策総合推進法では、パワーハラスメント防止のための雇用管理上の措置が義務付けられた。
同法第九章には「職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して事業主の講ずべき措置等」が定められている。

事業主は、職場において行われる優越的な関係を背景とした言動であって、業務上必要かつ相当な範囲を超えたものによりその雇用する労働者の就業環境が害されることのないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。

労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律
第30条の2

すでに示した論拠からも明白であるように、超勤4項目外にあたる部活動顧問による残業は「業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの」であり、それを学校長の立場から所属職員に強要することは、「職場において行われる優越的な関係を背景とした言動」に当たることは言うまでもない。
厚生労働省は、職場におけるパワーハラスメントを以下のように定義している。

職場のパワーハラスメントとは、同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性(※)を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与えるまたは職場環境を悪化させる行為をいう。※上司から部下に行われるものだけでなく、先輩・後輩間や同僚間、さらには部下から上司に対して様々な優位性を背景に行われるものも含まれる。

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/0000189292.pdf

「業務の適正な範囲を超えて」というのは、「処理しきれない量の業務を与える」「正当な理由がないのに残業をさせる」ことなどをいう。
部活動顧問を命じることで、授業準備等の本来の業務を勤務時間内に処理することができなくなり、それによって望まない残業を強いられる状況が常態化する場合、これは紛れもなく厚生労働省の定義するパワーハラスメントに該当する。すなわち、改正労働施策総合推進法第30条の2に違反する行為である。

なお、部活動顧問の割り当てに伴って発生した勤務超過について、職務命令ではないという反駁は、社会通念上通用しないことは論を俟たない。
たしかに、教育課程外の部活動の活動日数および活動時間については、管理職の命令を受けて設定するものではない。
しかし、本校が編成する教育課程上、部活動を勤務時間内に終えることは、事実上、不可能である。
実際に大半の部活動の活動終了時間は、最終下校時刻の18時30分に設定されている実態がある。
すなわち、部活動顧問を割り当てるということは、超過勤務を前提とする行為であり、いわゆる「黙示の残業命令」に該当する。
この点については、2015年、最高裁まで争われた鳥居裁判によって、校長による「包括的命令」が判例として確定している。
これらの論拠を明示してもなお、部活動の活動日数および活動時間が顧問の裁量によって自由に設定できるものであるゆえに「勤務時間内のみ職務命令する」と言うのであれば、私は割り当てられた部活動の活動終了時間を勤務時間終了10分前、すなわち16時40分に設定することを、保護者および生徒に文面で通知する。
勤務時間終了10分前に設定するのは、片づけ・ミーティング等に要する時間を加味してのことである。
その際、学校長の管理下において行われた職務命令につき、すべての問い合わせは学校長が責任をもって受けなければならない。

さらに、部活動が開始する時間についても重大な問題がある。
上記と同様、本校が編成する教育課程上、部活動を休憩時間中から開始せざるを得ないことは明らかである。
実際に大半の部活動の活動開始時間は、水曜日を除き、終学活終了後の16時頃に設定されている実態がある。
しかし、一方で、本校の休憩時間は15時50分から16時35分に設定されている。
ここには誰の目にも明らかな、大きな問題が孕んでいる。
すなわち、労働基準法第34条に定められている法定休憩時間を取ることができないという問題である。

1 使用者は、労働時間が6時間を超える場合においては少くとも45分、8時間を超える場合においては少くとも1時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。
2 前項の休憩時間は、一斉に与えなければならない。ただし、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定があるときは、この限りでない。
3 使用者は、第1項の休憩時間を自由に利用させなければならない。

労働基準法 第34条

本来、労務管理を掌る管理職は、所定の休憩時間を取らせる義務がある。これは努力義務ではない。労働基準上の義務である。
しかし、職員の無知と善意の上に胡座をかき、本来の管理職務を全うしていないのが現状である。
部活動顧問を割り当てるというのは、すなわち休憩時間を取らせない、あるいは取らせるための職務義務を放棄することに等しく、これは一般に労働契約法5条が定める安全配慮義務を果たさない行為である。

使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。

労働契約法5条

一般的に「労働契約法」は公務員に適用されないと理解されているが、法令の適用を直接受けないからといって、法令の全趣旨が没収されるわけではない。
安全配慮義務とは、「労働契約上の付随的義務」として使用者が「当然に」負うべきものであり、労働契約法が形式的に公務員に適用されないことが、公務員に対して安全配慮義務を果たさないでよいことにはならない。
これまでの判例法理の積み重ねによって、裁判における実務上は、教職員に対する「安全配慮義務」は確立している

実際、2019年に福井地裁によって校長の「安全配慮義務違反」が認められたことからも、このことはわかる。
6,500万円の支払いを命じた本判決文は、部活動指導を含む各種業務について、「勤務時間外に行わざるを得なかった。自主的に従事していたとは言えず、事実上、校長の指揮監督下で行っていた」と厳しく裁断した。
そして「命令はしていない」「自主的なものだと考えていた」と主張した当時の校長の主張を退け、業務の量を適切に調整し、勤務時間を軽減する措置等をとらなかった校長の安全配慮義務違反を認定している。
活動終了時間と同様に、これらの論拠を明示してもなお、部活動の活動日数および活動時間が顧問の裁量によって自由に設定できるものであるゆえに「勤務時間内のみ職務命令する」と言うのであれば、私は割り当てられた部活動の活動開始時間を、休憩時間終了後に合わせて16時35分に設定することを、保護者および生徒に文面で通知する。
その際、学校長の管理下において行われた職務命令につき、すべての問い合わせは学校長が責任をもって受けなければならない。

以上のとおり、私は来年度の顧問の割り当てを断るが、私の意思に反して部活動顧問を職務として命令するのであれば、割り当てられた部活動の活動時間は16時35分から16時40分の5分間のみとする。
また、複数の顧問を割り当て、そのうちの1名として私を割り当てる場合には、勤務時間内における学校長命令である以上、学校長からもう一方の顧問および所属する生徒・保護者に対して以下の内容を伝える責務がある。

(1) 私が顧問として従事する時間は16時35分から16時40分の5分間のみであること
(2) (1)に示した時間以外は、部活動に所属する生徒およびその生徒の保護者への対応、その他部活動に関係する内容に対して、いかなる対応も行わないこと
(3) 当然、大会引率等の休日対応は、いかなる事情があっても行わないこと

ここまで述べてきた私の要望が受け入れられないことによって、私が職務上何らかの不利益を被った場合には、公正な第三者機関に訴え、裁定を委ねる必要があるため、私はただちに、これまで述べてきた論拠をもとに人事委員会措置要求書を提出する。また、同時に訴訟準備も進め、断固たる決意でこれを実行に移す。

以上

最後に

これを提出すれば、そもそも管理職は顧問を命じることをしません。
リスク100でメリット0ですから。
あなたが逆の立場で管理職だったらと考えてみてください。
こんなものを提出してくる相手に、それでも顧問を割り当てますか?
あと数年で退職するのを待つだけの校長が、何の使命感があってそんなリスクを取るでしょう。
校長が部活顧問を割り当てるのは「使命感」ではありません。
タテマエでは「子どもたちのため」と言うかもしれませんが、ホンネは違います。
部活が縮小することで新入生が近隣他校へ流れることや、保護者・生徒からのクレームを受けることを嫌がるからです。
私たち教職員の生活を守ろうという校長は残念ながらほとんどいません。

こんなものを提出したら立場が悪くなると不安がる必要はありません。
全くの逆で、立場が良くなります。まるで取り扱い注意の高級品を扱うかのように「大切に」扱ってくれます。
部活以外の分掌業務の割り振りについても慎重に考えるようになるため、適正な割り振りになります。
さらに、人事評価についても、ここまでする人間に恣意的な評価を下したら、そのあとどういうリスクがあるかまで考えるので、部活以外をきちんとやっていれば普通に評価されます。
ただし、当たり前ですが、人事評価については開示請求をしてください。

私は本記事で触れた内容について口頭で伝えましたが、自信がない人は文面で渡せばそれで完了です。
やるかやられるか、それだけです。
やれば勝てます。
それも100%です。
退職まで搾取され続けて、退職してから「もしもあの時~」で始まる構文で取り返しのつかない過去を悔いるほうを選択しますか?
一歩踏み出せば人生変わります。
皆様の人生が自分の手に返ってくることを切に願い、私からの激励の言葉とさせていただきます。

最後になりますが、ここまでお付き合いいただいた方は、一人でも多くの仲間に届くように、ぜひ「スキ」ボタンをクリックしていただけると幸いです。ご協力の程よろしくお願い申し上げます。

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