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夫の死後、妻のために(5)「未支給年金」少し違った視点からの給付について②

昨日の最後の部分です・・

「繰下げ中の年金」を
 
 (1)「未支給年金」として受給する事ができます
 
 (2)但し、未支給年金の時効は5年です

(1)未支給年金とは・・

公的年金の支給期間は「受給権を取得した翌月から受給権を喪失した当月まで」

老齢年金を例にすると

 「65歳の誕生日翌月分から支給開始となり・・」

公的年金は『終身年金』ですから給付が終わる(受給権を喪失)は『死亡』です

お気づきと思いますが、死亡月の老齢年金は支給される訳です

少しズレますが、公的年金はいつ支給されるのでしょうか?
通常、偶数月の15日に「前月分までの2ヶ月分」が支給されます
12月15日に支給されるのは「10月分と11月分」という事になります

これは・・「後払い」という事ですね。

と言うことは・・死亡した月分の年金は本人に支給されていない訳です

そうです・・これが「未支給年金」です

「未支給年金」は遺族厚生年金ではありません
受給権者は以下の通りです

日本年金機構HPより

1.未支給年金を受け取れる遺族
年金を受けていた方が亡くなった当時、その方と生計を同じくしていた、
(1)配偶者 (2)子 (3)父母 (4)孫 (5)祖父母 (6)兄弟姉妹 (7)その他(3親等内の親族:以下略)

未支給年金を受け取れる順位もこのとおりです。

これで・・夫死亡→未支給年金が発生→配偶者(妻)が受給となります

さて・・もう一つの

(2)但し、未支給年金の時効は5年です

年金を請求せずにいた場合「遡って請求する事が可能な期間は5年」です

これを夫が自身の老齢年金を繰下げていた場合を考えますと・・

①夫自身が繰下げていた老齢年金:増額された年金として終身受け取る事も可能
②「未支給年金」として繰下げ期間分をまとめて受け取る事も可能です
<※>年金時効は5年です。夫が存命中で、自身の繰下げ期間に応じて増額された年金を受給するのでなく、「未支給分」として一括して受給する事も可能です。
但し時効は5年です。70歳時点で65歳以降の未支給を請求しない限り、5年分を受け取る事ができなくなります。ご注意ください・・
【例】65歳時点で100万円の老齢年金を69歳まで4年間繰下げた場合
①64歳時から老齢年金として受給開始
  (年金額)100万円+100万円×0.7%×48ヶ月=133万6千円
②64歳時に「未支給年金」として請求
  (一時金)100万円×4=400万円
<※>但し、繰下げ期間中に「在職老齢年金」に該当していた場合は、
   (計算により減額され)本来受給できるはずであった年金額が対象です

生計を同じくしていた妻は

(1)「夫の死亡による未支給の老齢厚生年金」を受給

(2)死亡した夫が老齢年金の繰下げ中であった場合は、
   死亡時までの繰下げ期間の「未支給年金」を一括して受給する事ができるのです

公的年金「保険」

「未支給年金」と「繰下げ制度」の関係性は、結果的に

 ・・そうなるという事だと思っています

繰下げとは未請求の老齢年金であり、未支給の老齢年金となる

一方で年金の請求時効は5年である

この5年というのは、繰下げの上限期間と同じである

繰下げ制度を「合法的な資産運用」などという馬鹿げた話にする輩もいる

公的年金「保険」の意味を知って欲しい







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