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資本主義を愛と欲望でとらえる一冊
アイデア資本主義、というタイトルに惹かれて読んだ一冊。面白いのは経済学者ではなく文化人類学者の方が書かれた本ということです。経済の仕組みとしての資本主義ではなく、すべての人がもつ「明日はより幸せにありたい、自分の大切な人もそうであって欲しい」という欲求が資本主義の源泉である、という理論がかなりユニークです。
資本主義とはフロンティアの開拓にある、という主観を軸に「空間・時間・生産」の領域で広がり、そこにこれ以上の広がりが見込めないことで閉塞感がうまれつつある、という視点と丁寧な説明にはページをめくる手が止まりませんでした。
ただ、最終的な「だからアイデアが次のフロンティアである」という部分は納得するのですが、前半ほどの理論の切れ味がない気もしました。言っていることはわかるし、納得するんだけど「アイデア=投機の対象」に全てをまとめるのはちょっと力業過ぎた感も。
きっと「アイデア」という言葉が、情報のことなのか、発想のことなのか、みたいな定義が曖昧だったせいかもしれません。ただその部分を差し引いても、これは今後ビジネスに関わる機会のある人なら読んでおくべき一冊かと思います。視点と視野がかなり広がります。
Youtubeに著者の大川内さんがレクチャーをされているウェビナーもあります。
アイデア資本主義 文化人類学者が読み解く資本主義のフロンティア(大川内直子、2021年、実業之日本社)
【本日の朝食】
本日の朝食。海老•葡萄•モッツァレラ、ハムサラダのスモーブローにて。