デザイナーが知っておくべきSTEAM
グラフィックデザイナーであり研究者でもあるジョン・マエダ氏の「シンプリシティの法則」は出版されてすぐの頃にたまたま本屋で手にとって、それから何度か読み返したお気に入りの本です。その後、TEDでのトークで実際に話されている姿も拝見していますが、こちらもアートやデザインとサイエンスを繋いだ新しい視点からの発見を、上品なユーモアも交えて話されている内容が楽しく、このテーマに興味がある方にはお勧めしている一本です。
Science、Technology、Engineering、Mathのいわゆる科学系の4分野にARTS(ここでは単純に美術というより文化人類学的な教養も含むもの)を加えたSTEAM:スティームが現在のアメリカの教育基盤になりつつある、というのがこの本のお話。ロジカルシンキングの限界ということよりも、新たな視点をもつことでより高い発想の飛躍を求める姿に共感をおぼえます。
学生時代、数学がすごく苦手だったので、日本語で受けても難解な数学を英語で理解できるんだろうか?と大学の基礎課程での授業が不安でした。しかし実際に受けてみると、言語に頼らない数字というコミュニケーションだからこそ何とかついていけました。でもそれ以上に当時から計算機持ち込み可能で、何ならグラフ計算機までもってテストに臨んでいいということにアメリカの合理的な一面をみた気がしました。
世界を変えるSTEAM人材 シリコンバレー「デザイン思考」の核心(ヤング吉原麻里子・木島里江、2019年、朝日新聞出版)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?