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『嫁ぎゆく娘を送りて 老いたる母の唄』品川陽子詩抄 (No.47)

 嫁ぎゆく娘を送りて
老いたる母の唄

秋深く
陽のかげる光の中に
樹の実一つ地に落ちぬ

いまし燭を得むと
やをら起ちにしひとの目に
うたれる実の
つひに梢をはなれ

すべてなし終へたる
やすらひに声もなく
みつむる庭のおもてを
いまはたゞあるとしもなき
風のひそめかるのみ

                            自筆原稿より

 自筆原稿とタイプ原稿とは
残るが、副題は自筆原稿にの
みつけられている。


(『品川陽子詩抄』平成25(2013)年10月 
            柏崎ふるさと人物館発行 より)

#品川陽子 #品川約百 #詩


品川 陽子(明治38年(1905)12月6日―平成4年 (1992) 12月12日)
本名は品川 約百よぶ
新潟県柏崎町納屋町に生まれる
詩人
佐藤春夫に師事
兄に、本郷の古書店「ペリカン書房」の品川力、弟は、版画家の品川工


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