『ばらをつむなら春にこそ』品川陽子詩抄 (No.39)
ばらをつむなら春にこそ
越えがたい柵を越えて
やうやう手にしたときは
つひぞ匂ひのない
ばらだつた
よしや花の季節はすぎたとて
ばらよばら
莿のあるとは知らなんだ
「海風」6巻3号（昭和15年12月号）
吉井栄治編集 品川力発行
海風社
（『品川陽子詩抄』平成25（2013）年10月
柏崎ふるさと人物館発行 より）
※サムネイルの画像 出典：国立国会図書館「NDLイメージバンク」
杉浦非水創作図案集
(https://rnavi.ndl.go.jp/imagebank/data/post-172.html)
柏崎市立博物館所蔵
品川 陽子（明治38年（1905）12月6日―平成4年 (1992) 12月12日）
本名は品川 約百
新潟県柏崎町納屋町に生まれる
詩人
佐藤春夫に師事
兄に、本郷の古書店「ペリカン書房」の品川力、弟は、版画家の品川工