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【解説】品川 力 氏宛書簡について


 2021年5月上旬頃、品川力さんの御次男の品川純さんに
品川力さんが越後タイムスに寄稿した記事三つについて、
当ブログに掲載する許可を得るためにお手紙を送ってみま
した。

花輪を於くる言葉(ポー、大鴉)
横 濱 消 息
横 濱 消 息 附記

 5月8日、すぐにご返信をいただき、ご許可を得られました。
その後、電話でもいろいろお話することができ、品川力さんの
戦後、野瀬市郎さんが亡くなられた時の記事、二篇についても
掲載の許可を得られました。そして、「本の配達人 品川力と
その弟妹」の本と多くの品川力さんに関する資料を送っていた
だきました。




 その資料の中に品川力さんが日本近代文学館に昭和三十八年か
ら数多くの貴重な本、雑誌、書簡などの資料を毎週自転車で運び
、寄贈していて、1987年の時点で1210回を超えていたという。

 日本近代文学館へは2021年夏に行ってみようと思っていたので
すが、当時はCovid-19の影響で来館サービスを中止していたと記
憶しています。8月に「品川力文庫目録Ⅰ特別資料編」を通販で取
り寄せてみた。主に書簡などの目録でしたが、一銭亭に関する資
料はありませんでした。(無名人なので当然なのですが。)



 10月26日にようやく日本近代文学館へ行くことができた。二階で
は「芝居は魂だ! 築地小劇場の軌跡1924-1945」展をやっていた。
一銭亭の妻シノブは結婚前に土方与志家で与志さん妻の梅子さんの
元、住込みで働いていたということを知っていたので感慨深く見学
しました。



 品川力文庫の特別資料以外のリスト60枚ほどを見せてもらいまし
たが、一銭亭に関するものはありませんでした。諦めて帰ろうかな
と思いましたが、念のため一銭亭に関する書簡など、未整理のもの
の中にないかどうか調査を依頼して帰りました。

 帰宅し、メールをチェックしてみると、すでに日本近代文学館のN
さんより、メールが入っていて、「お問い合わせの菊池與志夫氏資料
でございますが、品川力宛はがきが47通、封緘はがきが1通、合計48
点の資料の所蔵がございました。」とありました。なんと、肉筆資料
が48点も!!とても驚いた次第です。処分せず、日本近代文学館に運
び、寄贈してくれた、品川力さんに感謝です。

Nさんに「いつ頃寄贈されたものかわかりますか?」と訪ねてみると
日本近代文学館の会報、第100号1987年(昭和62年)11月15日のコピ
ーをくださった。

  品川氏からさらに多数

 このほど、品川力氏から書簡五
千二百三通が追加寄贈された。そ
のほとんどは氏宛で荒畑寒村、家
永三郎、串田孫一、式場隆三郎、杉
浦明平、杉山平一、富士正晴、渡辺
一夫など。これで品川文庫は二万
四千三百六十点となった。また九
月八日には、品川氏を通し
て令妹の約百(ヨブ)さん
から木山捷平、前田鉄之助らの約
百さん宛書簡十六通も受贈した。

日本近代文学館の会報、第100号1987年(昭和62年)11月15日

と、この時に寄贈された中に入っていた可能性が高いとのことでした。


 48通の書簡(はがき)は肉筆資料なので複写はNG、予約の上、日本
近代文学館の事務室での閲覧、書き写しはOKということで11月2日と
9日の2回に渡って書き写してきました。3通ほどくずし字の候文で私
には判読できなかったのでNさんに判読していただきました。

48通のハガキの内訳、
大正13年、1通、
大正14年、29通、
大正14年の封緘はがき(ミニレタータイプ)、1通
大正15年、5通、
昭和3年、1通、
昭和13年、2通、
昭和14年、1通、
昭和15年、1通、
消印不明、7通、

でした。

次回より紹介していきます。
品川力さん、品川純さん、日本近代文学館のNさん、スタッフの皆さん、
ありがとうございます。


品川力『古書巡礼』(青英舎)、『本豪落第横丁』(青英舎)



日本近代文学館 BUNDANカフェでお昼にいただいたもの。









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                       (一錢亭文庫運営者記)


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