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遊び心をもっていきましょ
普段、河口湖で農業をさせてもらっています。
富士山周辺には、河口湖に限らず、富士山信仰から広まった浅間神社が、あちこちにあります。そんなわけで、私もよく河口浅間神社にはお参りに行っています。
浅間神社は、あちこちにありますが、そのご祭神はコノハナサクヤヒメです。
コノハナサクヤヒメは、初代・神武天皇の先祖にあたるニニギノミコトの配偶者としても有名です。ニニギノミコトは、天照大神の系統で、天から地上に降りてきた「天孫降臨」の神様としても知られています。
言ってみれば、天皇の祖神にあたる神様です。
ところで、このニニギノミコトとコノハナサクヤヒメとの婚姻には、ひとつ問題がありました。
それは、イワナガヒメです。
神話では、日向に降臨した天照大御神の孫の邇邇芸命と、笠沙の岬で出逢い求婚される。父の大山津見神はそれを喜んで、姉の石長比売と共に差し出したが、邇邇芸命は醜い石長比売を送り返し、美しい木花之佐久夜毘売とだけ結婚した。大山津見神はこれを怒り「私が娘二人を一緒に差し上げたのは石長比売を妻にすれば天津神の御子(邇邇芸命)の命は岩のように永遠のものとなり、木花之佐久夜毘売を妻にすれば木の花が咲くように繁栄するだろうと誓約を立てたからである。木花之佐久夜毘売だけと結婚すれば、天津神の御子の命は木の花のようにはかなくなるだろう」と告げた。それでその子孫の天皇の寿命も神々ほどは長くないのである
「コノハナサクヤビメ」よr引用
ニニギノミコト、元々はイワナガヒメ(姉)とコノハナサクヤヒメ(妹)の二人と結婚することになっていたのです。
しかし、求婚されたニニギノミコトは、「イワナガヒメは醜い」という理由で送り返してしまい、コノハナサクヤヒメとだけ結婚しました。
イワナガヒメと結婚すれば、その子孫の命は「岩のように永遠のものとなる」とされていたのに、それを断ってしまったので、今の天皇の寿命は、神々ほど長くなくなってしまった、ということです。
神話には、いろいろと問題があります。
それらを考え始めると、今の人類が直面している問題は、歴史のかなり最初の時点で、「ボタンの掛け違い」のようなものから、生まれているような気すらしてきます。
まぁ、日本神話の場合、神様の話ではあります。ただし、こうした神様の子孫として、今の人類がいると解してよいでしょう。イザナギとイザナミの諍いは、多くの人を殺すのと同時に、多くの人を産むという、両神様の競争によって、この世界が成り立っていることを示唆しています。
結局、人類はスタート時点で、いろいろと間違いだらけだったということです。なんだかんだ、誤魔化しながらここまでやってきましたが、いよいよ限界を迎えようとしているということなのではないでしょうか。
因果応報というのを考えれば、こうした神話の時代の行き違いが、今の人類を苦しめている要因になっているのでは?と思ったりもするのです。
もちろん、実際のところ、どうだか分かりません。ただ、私なりに、そういうストーリーを大事にして生きていきたいと思っています。しかも、その方が楽しいです。
たかがゲームではありますが、この世の中にも同じように、ストーリー性というものがあるということです。自分の生きている意味と真剣に向き合い、自分が思い描く「気持ち良いストーリー」、「筋が通ったストーリー」を紡いでいくことで、自分自身が、そのなかのキャラクターとして、気持ち良く、筋を通して生きていくことができると思うのです。
で、そうなると、河口湖(富士山)で、コノハナサクヤヒメに感謝しながら、農業を進めようとするものの、どうしてもイワナガヒメのことが気になってきます。
・・・ということで、やってまいりました。
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イワナガヒメが祀られた雲見浅間神社です。
イワナガヒメを主祭神とした神社は、そんなに多くありません。この雲見浅間神社は、その数少ない神社のひとつだと思います。
正直、この拝殿にたどり着くまでの道のりは、かなり険しいです。えげつないほどの上り坂が続きます。
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30分ほど、延々と急な階段と山道を登っていきます。息切れも大変です。
しかし、その頂上にたどり着くと、眼下に絶景が広がっています。
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もちろん、天気がよければ、位置的には富士山の姿がみえるはず・・・です。
しかし、富士山は見えません。イワナガヒメが、「ここまで来て、富士山を見る必要はないんじゃない?」と言っているような気がしてなりませんでした(笑)。
そんなわけで、頂上からは、富士山とは反対側の景色をパシャリ。
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イワナガヒメ、いいんじゃないでしょうか。私は大好きです。
御朱印も、いただいてきました。
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御朱印帳は、つい先日、河口湖近くにある新屋山神社でいただいたものです。
新屋山神社の主祭神は、イワナガヒメとコノハナサクヤヒメのお父さんである大山祇命(オオヤマツミノミコト)です。
この御朱印帳には、まだ新屋山神社の御朱印しかなかったので、ほぼまっさらでした。そこに、この雲見浅間神社の娘・イワナガヒメの御朱印が加わるって・・・このあたりも、私なりに考えるストーリーとして、美しいように思っています。
さて、これからまた河口湖に戻って、農業を頑張ります。河口湖に行ったら、イワナガヒメの次のページに、河口浅間神社(コノハナサクヤヒメ)の御朱印をいただくのが良いですかね。
今日のお話、なんてことはないですが、ただまぁ、こんな感じで、何事も遊び心を持っていきましょうって話でした。