得意を活かした相互依存
突然ですが・・・私、ずっと親の生年月日を覚えられずにいました。
誕生日は知っているんです。●●月●●日というのは、毎年祝ったりもするので分かっていました。けど、何年生まれなのかが、全然頭に入ってこないのです。何度聞いても、必ず忘れてました。
「何年?あー、わかった。」
その瞬間は、一応、覚えるぞ!という気でいるのです。でも大体、翌日には忘れてます。いや、数時間後には忘れている感じです。
頭が動かないのです。人間には得手・不得手というのがあります。そして、スイッチが入る・入らないというのもあるのだと思います。
私の場合、あきらかに「親の生年月日を覚える」というところのスイッチが入っておらず、何度聞いても忘れるようにできていたのだと実感しています。
最近になって、ようやく覚えました。親も高齢ですし、スイッチが入ったのでしょう。
実際、人間の脳などというのは、そんなものだと思うのです。スイッチが入らなかったり、どうしても不得手なことというのは、何度やっても、どんなにやろうとしてもうまくいきません。
先日、お世話になっている農園の「軍曹」殿は、バラバラになっているエンジンを、ネジ一本余さず組み立てるというお話を聞きました。自分には、到底できません。どう頑張っても無理です。
あ、いや。努力を否定するのもよくないですかね。
そういう意味では、もしかしたら私だって、頑張って頑張って、努力すればエンジンの組み立てもできるようになるのかもしれません。しかし、もしその時間、別の「得意な事」に費やしたら、私はもっと人々のお役に立てるのではないかと思うのです。
同じ時間を使うのなら、みんながそれぞれ「得意な事」に費やした方が、自分のためにも、みんなのためにもいいはずです。
人間の才能や能力というのは、本当に多岐にわたると思います。学校の成績表は、科目別に分かれていましたが、本来の人間の才能などというものは、とてもではないですが、それでは表しえないものです。
以下、図にしました。しかし、実際にはこんなものではないでしょう。
もっとこれが針みたいな細さで、もっと密にギッシリと並んでいて、その凹凸で表すくらいにしないと、人間の才能や能力などというものは測れないのだと思います。そう考えたら、二つと同じ才能や能力の「模様」を持っている人はおらず、それぞれに必ず個性があると言えるはずです。
横道逸れますが、この評価軸の中身について、もう少し掘り下げます。
ここでは、「才能の評価軸」という書き方をしましたが、この才能のなかには「優しさ」や「思いやり」のような指標も含まれていて、然るべきです。
これまでの世の中は、とかく「金儲け」がうまい人たちの才能や能力に焦点が当てられがちだったように思います。ものすごく単純化していえば、例えば会社のなかでの評価です。会社の利益にどれだけ貢献したか、というのが、今の世の中で主たる評価軸のひとつであることは間違いありません。
もちろん、そうした指標も必要です。そして、分かりやすいです。しかし、それだけでは人間の才能や能力を測る軸としては不十分です。
ここで、「アミ小さな宇宙人」という本に関する動画を、ご紹介させていただきます。
この動画は、また全然違うテーマで取り上げてみたい内容でもあるのですが、ここではひとつだけ、頭の良さとは何か?ということです。
混同したらいけない。(兵器の開発をバリバリできる)おじさんは、情報をたくさん持っているだけ。賢者とは程遠いよ。インテリでもない。あなたち地球上では、こういう人たちをインテリって言うのかもしれないけども、賢い人ではない。
自分の落ちるような落とし穴掘っている人が、賢者って言える?全然賢くないよ。
科学の知識が詰まって、バリバリと兵器の開発ができる人は、必ずしも頭が良い人ではない、賢者ではないというのです。
※上の動画リンクは、その部分に再生開始時点を合わせています。
一方で、見返りを一切求めずに、他人のことを思いやって行動できるような部分、そういう「精神の進歩度」がないといけないといいます。
そんなことまで含めて、人間の才能や能力の評価軸を作ったら、言うまでもなく無数になります。そして、それだけ多くの評価軸があるなかで、全く同じかたちをした人はいないであろうことは、想像に難しくありません。
話を戻すと、要はみんな違うのです。それぞれ得手・不得手があって、それらを持ち寄って助け合うことで、人間は生きていくことができるのです。
ごめんなさい。結局、当たり前のことしか言ってません。
これからの時代を考えると、まずは自給自足ができるような仕組みが必要だと思っています。それは我が家が・・・とかのレベルではなく、ある程度、志を同じくした人たちが集まって、相互扶助をしながら、進めていく一大プロジェクトのイメージです。
そういう意味で、今、私が進めようとしている「一人農業プロジェクト」は、次の社会におけるひとつのコミュニティー基盤として立ち上がるように整えていきたいと思っています。
※「コミュニティー基盤を作りたい」より引用
その時、それぞれがもっている「得手」、得意な部分を発揮して、お互いを助け合えるような仕組みができたらと思っています。作りたいのは、そういうコミュニティーです。もちろん、そこには「思いやり」や「優しさ」のような指標が、ある一定程度に達していないといけないでしょう。
まだ具体的には、私一人で、チマチマと農業の準備を進めるくらいしかできていませんが、近いうちに、そういうものを目指していきたいと思います。私一人では無理なので・・・。
最後に、上掲動画で興味深かった点を加えておきます。
主人公の男の子が「宇宙人=侵略者」というイメージがあるのに対して、宇宙人・アミが爆笑するのだそうです。「邪悪で知的な宇宙人」などというのは、「善良な極悪人」と言っているほど滑稽なことだというのです。
頭のおかしい人が、物凄いテクノロジーを生んだとすれば、そのテクノロジーを生かして、他の星攻めようとか、そういうのに行く前に自分たちの首を締め出すのよ。自分たちで勝手に争いだすから。ある程度のレベルに達した科学とか文明っていうのは、善意とか優しさに欠けてると必ず自滅の方向に進んでるんだよ。
今の人類、科学は相当進みました。果たして、それが今後、自滅に向かうのか、さらなる発展への道を歩むのか。正直、今、そういう岐路が近づいてきていると思います。そう遠いことではないでしょう。
そういうことも見越したうえで、今、私たちひとりひとりは、行動していく必要があるのではないかと思います。
ちなみに私は、自滅の道を進むつもりはありません。
自滅していく人々はいるとは思いますが・・・。