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自家採種を頑張りたいっ
日本人の考え方のなかには、安易に善悪を作らず、なるべく諍い事を起こさないようにする知恵や精神が、受け継がれてきているように思います。
バカって言ったら自分の方がバカなんだよ。
幼い頃、よくこんなことを言ったり、言われたりしたものです。
小さい子に対しても、こんなことを言って、安易に他人をバカにせず、他人とケンカにならないような精神を養う教育ができるって、すごいものだと思います。
しかし、これって結構、大変だった記憶があります。
ケンカになり、嫌な思いをして「ムキー」となったとしても、「バカ~~~!」って言ったら負けなのです。それを言ったら、自分がバカになってしまうわけですから、懸命にそれを堪えたりしたものです。心の中では、「チキショー」って悔しがりながら、耐えてました(笑)。
けど最近、だいぶ自然に、それができるようになってきた気がします。
去年くらいまでは、メディアの報道によって、ずいぶんと感情が揺り動かされました。「バカ野郎!そんなのおかしいだろう!」と思うような、理不尽をたくさん感じていました。
それはメディアだけでなく、世の中のあらゆるところにです。それはもう忙しかった・・・。
しかし、最近は「バカ野郎!」とも思わなくなりました。何と言うのでしょう・・・相手がその域までも達していない感じ?
まだその話やってるの?
あの無茶苦茶を前提にして、その論理展開をしちゃうわけ?
へぇ、未だにそれを話題にしてるんだー。
ほぉ、それを真面目に取り上げちゃうんだねー。
文字通り、「相手にならない」とでも言えばいいのでしょうか。まるで相手をする気にならんのです。
なんかもう、一線を越えている気がします。ボケだらけの漫才、普通なら成立しません。
「相方、辞めさせてもらうわ」みたいな心境です。
正直、見てられません。そんなの相手に、時間を割くのが、もったいなくてしょうがありません。
そんなことよりも、考えなければいけないことはたくさんあります。
例えば、種のことです。
最近、固定種の種を販売していた野口種苗さんが、オンラインショップを停止してしまいました。注文数が多すぎて、発送が間に合わないというのが、その理由だそうです。
今、私と同じような問題意識を持つようになって、固定種の種を求める人がたくさんいるということなのでしょう。
野口種苗の野口さん、以前、このようにおっしゃっておられました。
質問者:野口さんが最も言いたいことって、なんかあります?
タネ採りましょうって。だからうちにタネ買いに来た人には、二度と来るなって言ってます。自分でタネを採って、そのタネをあなたの畑に合った野菜にしてくれと。
私を含めて、今、野口種苗さんのような種屋さんに、固定種の種をお願いしている人たちは、次のシーズンに向けて、自分たちで種を採っていかないといけません。
今年はしょうがないです。いろんな意味で、元年なのだと思います。
しかし、来シーズンに向けて、今年、固定種を育てる人たちは、猛烈に自家採種のための努力をしていかないといけないと思うのです。
「じゃ、種採ればいいじゃん」って思います?けれども、事はそんなに単純でもありません。
植物(野菜)が種を作るにあたっては、大きく「自家受粉」のものと「他家受粉」のものの二つに分けられます。
花粉がめしべの柱頭につくパターンは、「同じ花」「同じ株」「異なる株」の3通りあります。このうち「同じ花」と「同じ株」は遺伝的に同じで「自家受粉」、「異なる株」の受粉を他家受粉と呼びます。
「自家受粉と他家受粉~長所と短所および受粉システムの違いとは?」より引用
自家受粉は、同じ花のなかで受粉したり、同じ株の中で受粉してくれるものなので、さして問題になりません。比較的、簡単に種ができると考えていいと思います。
問題は、他家受粉のものです。
自家採種で失敗する第一の原因は、交雑によって元の品種とは別の品種になってしまうことです。虫や風によって、目的とは違う品種や種類の花粉と交配してしまうために起こります。親の特性とは異なった品種となったとしても、それもまたよし、とするのも家庭菜園で自家採種する醍醐味ではあります。とはいえ、自分で新品種を作る前に、まずは交雑しないための基本を押さえましょう。
「【家庭菜園】自家採種に失敗しないためのポイント」より引用
他家受粉の野菜の場合、他の株から受粉しないといけないため、交雑する可能性が高くなるのです。交雑すると、野菜は元の品種から、別の品種に変わってしまうことになります。
多少交雑しようが、ちょっと違う品種になろうが、別にいいんじゃないかって?
こちらの動画、自家採種して交雑したハクサイが、別物になったそうです。
ハクサイになりきれなかった野菜たち・・・色も、かたちも、味もまったくハクサイではないそうです。
こんな交雑のリスクを避けるため、いろいろと考えなければいけません。
例えば、こちらの動画では、半径4km以内に似たような植物がないようにしないといけないと指摘されています。
そんなの無理っしょ!!!!
こうした問題を解決するためには、勝手に受粉しないように、花が咲きそうになったら、花粉が飛んでこないようにカバーをして、人工授粉をするとか?手をかけないといけないようなのです。思いっきり手間がかかります。
これはあくまでも私の推測ですが、こんな大変な事情があるから、種の自給率を上げるということが、非常に難しいものになってしまっているように思います。
しかも、種採りをするためには、収穫できる時期を過ぎて、しばらく種採りのための栽培をしなければいけません。その期間は、単純に野菜を収穫するための期間の4~5倍だそうです。手間ばかりではなく、時間も場所も必要とするのです。
そんなわけで、自家採種というのは、とにかく大変なのです。一筋縄ではいきません。
けどきっと、やらないといけないのです。
どんな野菜が自家受粉で、どんな野菜が他家受粉をするものなのか、そういうことも、きちんと知っておく必要があります。
こんな資料もあったので、リンクだけ貼っておきます。
GeoTech ジオテック [自然流栽培の解説] 添付資料
「主な野菜種子の特性一覧表」
大変なことだらけかもしれませんが、やっていきましょ。
ボケてばっかりの漫才の相手なんて、ほんっとにしている暇ありません。全然、それどころではないのです。
やることだらけ・・・がんばりましょ。