野菜から始まるコミュニケーション
収穫した野菜の使い道について、いろいろと思案してきました。
ちょっと前になりますが、とある方に「無農薬野菜の栽培を頑張っている畑を応援しませんか?」という触れ込みで、あくまでもその方の知人・友人ネットワークを通じて、「1,000円で何を採ってもよし」というのを企画していただきました。
私の畑に、そこそこにキャベツやキュウリができ始めた頃でした。
「まったく知らない人じゃないし、無農薬野菜の大変さも分かるだろうから、変なことにはならないんじゃない?」という予想だったそうです。
しかし、その予想は、一人目で覆されました。その時、私は畑にいませんでしたが、すごかったと聞きます。
「コレはスーパーのつかみ取りコーナーか?」という勢いで、根こそぎいろいろ持って行かれたようで、その企画は、即ボツとなりました。
「採り放題」になると、自ずと「採らないと損をする」という思考になるのかもしれません。人間の性というやつなのでしょうか。いずれにしても、そういう企画は、ちょっと難しいということが分かりました。
そして、いろいろ考えていたわけです。せっかく頑張って育ってくれた野菜たちですから、雑に扱いたくはありません。
思案の結果、農作業をお手伝いしてくれている方々へのお礼として、作物をお分けするということを始めました。
一応、今、農作業のお手伝いをしてくださっている方々には、その日に収穫できたものがあれば(収穫物がないこともあるかもしれませんが)、お分けするようにしています。
おかげさまで、よい循環ができ始めているように感じています。
それともうひとつ、別の意味で、普段から私を支えてくれている方々がいます。それは、農業ではない方・・・事務所での仕事で、いつもお世話になっている方々です。
先日、そんな事務所の方々に感謝の意を込めて、野菜をお送りしました。すると翌日、その野菜たちは、「竹内農園」からのものとして事務所で紹介されていました。
野菜が届いた日、私は出勤していなかったので、どんな感じで分けられたのかは知りませんが、翌日、出勤してみたら、キレイになくなっていました。そして、その日は一日中、「野菜ありがとう」、「料理に使ったけど美味しかった」というような言葉をたくさんかけられました。
いやー、喜んでいただけて大変嬉しかったです。お届けした甲斐がありました。なかには、「お金をお支払いしなくちゃ」というお話もいただきましたが、そのお気持ちだけでも感謝です。
ところで、そんな野菜の話から、何人かの方々とは、今後の食料危機や物価高騰に関するお話なんかもさせていただきました。注射の話は、なかなか取っつきにくいですが、今の情勢だと、食料危機や物価高騰の話は、すんなり聞いていただける感じでした。
「そっかぁ、優雅にのんびり趣味で農業って感じじゃないんだね?」
はい、のんびり趣味なんかで農業しているわけではありませんっ!戦場で生き延びるため、サバイバルのつもりで農業やってるんです!ということをお話しさせていただきました(笑)。
同時に、できたら皆さんも、これからの社会情勢に備えるという意味で、少しでも田んぼや畑をやられたらいかがです?という話もしてみました。何がどうなるということが決まったわけではありません。本当に食料危機が起こるかどうかなんて、断言できるようなものではないと思います。
しかし、仮にそんなことが起こったら大変です。そういう事態になっても、自分や家族が振り回されることがないように、備えておくのは大切じゃないです?という話です。
「私が田んぼやったら、手伝ってくれる?」
そう言われたので、私の答えは「もちろん!」です。近くでやってくれないと無理ですが、やる気があるのなら大歓迎です。やってみて分かりましたが、農業なんて助け合いです。素人同士、助け合いましょう。
実際、事務所の中から農業を始める方が出てくるかは分かりません。でも、作った野菜によって、普段できないようなコミュニケーションができました。そして、もしかしたら、農業を始めてくれる人が出てくれるかもしれない?と思うと、とても有意義に野菜を使うことができたのではないかと思います。
これから冬になるまでの間、もう少し収穫できる時期が続きそうです。せっかく育ってくれた野菜、いろんな話をしていくきっかけとして、使っていくのもよさそうです。
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