「自分に勝てる子」標語に違和感
昨年末、近所の公園へ子供と出かけた時、のぼりが目に入った。「育てよう 自分に勝てる子 負けない子」とある。「子ども・若者育成支援県民運動」というもののスローガンだった。
違和感を覚えた。自分に勝つとは?負けた子はどうなる?私は、出来ないことがあると「どうせ僕なんて」が口癖の子だった。勝つとか負けるとか聞くと生きづらさを感じる。そんな私も、親の愛情や学校や友人の支えの中で、自分の弱い部分を素直に認められるようになった。すると、自分を大切に思えるようになった。
私なら「育てよう 自分らしさを全う出来る子」と書きたい。弱い部分もひっくるめてどんな自分でも愛せる人を育てたい。「自分らしさ」の探求は人生を豊かにしてくれるようにも思う。
今、3人の子育てに奮闘中である。子供たちが持つそれぞれの「らしさ」をいかにたくさん見つけて引き出してあげられるか。子供と関わる日々から学び、自分自身も磨き続けていきたい。
2020年3月3日 朝日新聞「声」欄
担当:夫
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