透析歴37年の母。右環指断端形成術。
明日はいよいよ、母の指を切断する日がやってきます。65年ともに生きてきた自分の体の一部とサヨナラをする日です。
母が透析を始めて今年で37年。息子の私が生きてきた年月と同じです。つまり、妊娠中毒症が原因となり透析人生を歩まざるを得なくなりました。
指を切断することになって率直にどんな思いなのか母に訊ねてみました。
私:「指を切断することになって今何を思う?」
母:「ん〜〜〜情けないね。トホホだね。しょうがない。(首を垂らして少しうなだれた後)でもねお母さん、指は無くなるけどまだまだ頑張るよ〜!!」とすでに前向き。ビックリ。
長年の透析の影響から、指先の血管にアミロイドがたまり曲げ伸ばしが不自由になったその手をみて、ボロボロになった腱もあらわになるぐらい化膿した傷口をみて、母の指は無くなるのかもしれないけれど、その手で頭を撫でられた昔の思い出やその手で作ってくれた数々のご飯、その手に支えられ育ててもらったあの頃が生き生きと蘇ってきました。
母:「私の指、可哀想だね。まさか、切られるとは思ってなかっただろうね」
私:「何言ってるのお母さん。その指は勲章だよ」
ボロボロになりながらもこれまで母の体の一部としてあり続けてくれた事に感謝しかありません。
透析歴37年。
2019年現在、全国で34万人いる透析患者のなかでも35年以上続けられている方は1%。
そんなレジェンドのような母は改めて凄い存在だなと誇りに思います。
最後に、ちょうど前日ロンブー淳さんのclubhouseで「日本から心残りを無くしたい」というのを聴いていたので母に訊ねてみました。
私:「お母さんの人生振り返って、心残りってある?」
母:「んーーーー。ある。この37年間の透析での経験とか、色んな失敗を講演したい!!現在透析をしている人やその方を支えるご家族を励ましたい!!」と。
祖母とか父との関わりについて話が出てくるのかと思っていたら予想外の返答。
いよいよレジェンドタマノの時代がやってくるか?!笑
講演の際には皆さん奮ってご参加下さい♫
なんてね。
では、明日、母の右環指断端形成術を見届けてきます。
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