【雑文】どんな車を買おう
どんな車を買おう。
見た目がスマートな車。色が好みな車。燃費が良い車。値段が安い車。
条件がたくさんありすぎて、一向に決まる気配がない。
村上春樹著の『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』の主人公は、マクドナルドのバーガーをテイクアウトするみたいに車を買っていた。
その時に、中古車ディーラーのセールスマンに伝えた注文はたった一文。
「何でもいいからそれほど大きくないのをひとつ欲しい」
なんだそれ。かっこよすぎるだろ。
そして購入後、セールスマンはこう言う。
「車というのは本来こういうものなんです」
「はっきり言って、みんな頭がどうかしてるんです」
??
私は車の本来の姿や役割を知るほど物知りでもないし、現代の車好きの狂信ぶりもよくわからない。
どんな車を買おう。
そう思うこと自体、悪ということなのだろうか。私は狂っているのだろうか。
いやそんなことはない。車はマクドナルドのバーガーのように買うものではないはず。
けれど気付けば、自分の中でぴんと張り詰めていた思考の糸が少しだけ緩んだような気がした。
車なんて物を乗せて移動できればなんでもいいじゃないか。
...
けど、
やっぱり乗るならかっこいい車がいいな。