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下図集刊行記念「安原成美」

2022年4月18日〜27日、靖山画廊で開催。2021年12月の六本木での個展も拝見し記事にしたのですが、そのときは画像を載せられず、残念な思いをしました。今回の個展は写真撮影可、SNS利用可とのことでしたので、やっと作品を画像でご覧いただけます。

安原さんの画風として非常に特徴的で印象的な、広葉樹の青い葉。前にも書きましたが、広葉樹の葉の照り輝きのエッセンスが、このラピスラズリの群青なのでしょうね。

「朴花」

群青・黒・金のクールな取り合わせが魅力的なのですが、今回の個展には、むしろ赤と金の配色が印象的な作品もありました。

「錦秋」

紅葉の燦めくような美しさが、金箔で見事に表現されています。金は、青とも赤とも相性が良いのですね。

今回の個展でもう一つ目を引いたのが、細かい葉の表現です。

「合歓木」

合歓木の細かい葉が、一枚一枚少しずつ色調を変えて描かれています。群青も黒も金も大きな面積では使われていなくて、冒頭の「朴花」とは異なる印象を受けます。

記事タイトル画像の「湿原の朝」は、また一転して黒い鴉がクールに佇む作品。よく見ると、鴉の羽毛も微妙に違うトーンの黒で描かれています。

今回の個展は、下図集が刊行された記念に開催されました(日本画の道標 安原成美下図集)。下図集とは言え完成作品も掲載された作品集のようですし、インタビューも載っていたりして楽しめます。


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