No,64.マキャベリアニズム(ダークトライアドその2)
サイコパスに続き、ダークトライアドの1つの性格特性であるマキャベリアニズムについてつらつらと書いてみる。
サイコパス(サイコパシー)は、結構有名な言葉だけど、心理学ではサイコパス・マキャベリズム・自己愛(ナルシシズム)の3つが合わさってダークトライアドという、社会的に好ましくない人格と言われてる。
※形容詞では邪悪な、悪意に満ちた、不快な(ダーク)3和音(トライアド)と訳したらイメージしやすい
マキャベリア二ズムとは
人格特性
特徴は、非道徳性・他者操作性・冷笑的世界観(世界をさげすんで見ている)を特徴とする特性である(Christie& Geis, 1970)。また、対人関係でも他人を操る(対人操作性)傾向にあるらしい(Exline et al,1970)。
研究者の間でも、マキャベリアニズムは対人関係に影響をおよぼす個人特性であるという、共通の認識が形成されている。
特徴的なのは、「他人を操る傾向」が高いといえる。
また、マキャベリズム傾向の人は、協調性(負の相関)がなく(中村ら、2012)、あくまでも自分の利益のみを追求し他人を利用すると言える。
ここまで見ていたら、マキャベリズム傾向の人は極悪非道で付き合いたくない!!関わりたくない!!と思うだろう。
マキャベリズム傾向の人が必要とされる場面
考察
ちなみに、男性より女性の方が選ぶ傾向にあったらしい。
う~んなるほどね。
つまり、自分がかなり困った状況になった場合や、何らかの理由から自己制御(抑える気持ちの低下)が効かなくなった場合には、マキャベリズムを含むダークトライアド傾向の人が頼りになると思ってしまう。
そう考えると、平和な社会情勢の国より、不安定な社会情勢の国のリーダーはマキャベリズム傾向が高い気がしてしまうのは気のせい?
最後まで読んで頂きありがとうございました。
引用文献
Christie, R.C.,& Gies, F.L.(1970). Studies in Machiavellianism. New York: Academic press.
Exline R.. Thibaut J.. Hickev C. and Gumnert P. (1970) Visual interaction in reiation to Machiavellianism and an unethical act. Studies in Machiavellianism. New York:Academic Press,
木川智美(2016)「他者を操作することの心理学的研究の動向と展望」『心理学評論』第59、第4巻、pp387–396
増井啓太・ 浦光博(2018)「「ダークな」人たちの適応戦略」『心理学評論』第61巻、第3号、pp330-343
中村敏健・平石界・ 小田亮・ 齋藤慈子・坂口菊恵・五百部裕・清成透子・ 武田美亜・ 長谷川寿(2012)「マキャベリアニズム尺度日本語版の作成とその信頼性・妥当性の検討」『パーソナリティー研究』第20巻、第3号、 pp 233–235