No,150.死ぬまで勉強のお話「エンプロイアビリティといった趣味の重要性について」
最近特に思うんだけど、一部の専門職だけではなく多くの職種においても個の力が重要だなと。
専門的な言葉を使えばエンプロイアビリティを高めることが重要だなと思う今日この頃です。
少し堅苦しい文章になるがエンプロイアビリティについてつらつらと書いてみます。
背景
1954年からはじまった高度成長期から日本企業は、終身雇用、年功序列、企業内組合という三種神器により組織形態を支えてきた。
現在は、経済状況による労働市場の流動化により企業は三種の神器による組織形態から変化している状況である。それにより他の企業や組織に移動した場合でも通用する能力、エンプロイアビリティが求められている。
厚生労働省(2001年)によると、エンプロイアビリティとは、労働市場価値を含んだ就業能力、即ち、労働市場における能力評価、能力開発目標の基準となる実践的な就業能力と捉えることができる。エンプロイアビリティの具体的な内容のうち、労働者個人の基本的能力としては、
● 職務遂行に必要となる特定の知識・技能などの顕在的なもの
● 協調性、積極的等、職務遂行に当たり、各個人が保持している思考特性や行動特性に係るもの
● 動機、人柄、性格、信念、価値観等の潜在的な個人的属性に関するもの「企業内外を問わず雇用されうる能力」と定義される。
問題意識
テーマである自律型のエンプロイビアリティの向上について検討する。グローバル世界ではシステムエンジニア、知的財産、法務の専門家を中心に企業から企業へ流動的に移動している。しかし専門職以外の職種においてもエンプロイアビリティは求められている。
日本労働研究機構(2020)によると、人生100年時代は同時にAI(人工知能)などの導入が進む技術革新の時代であり、これまでの経験をもとに地道に働く姿勢から、自ら考え行動することのできる能力、柔軟な発想で新しい考えを生み出すことができる能力など、新たな能力を獲得する努力が求められるだろうとの予測が示されている。
このように、現在企業が求めるエプロイアビリティは企業側からのOJT(企業内研修など)で習得するだけではなく、キャリア・アップを自律性で行う必要性があるだろう。いかに外部要因からインセンティブな刺激があってとしても、個人の視点から見た自律的なキャリアデザイン・キャリア構築をもっていなければキャリア向上は難しいと思われる。自分の意志で決定し自律的に行動する人材について検討すべきであるだろう。
自律的に行動し知識や人脈、情報を得ようとする人材は得たエンプロイアビリティにより組織はエンパワーメントをより発揮できる場を提供しなければならないが、うまくいかない場合は組織から離れる場合もある。
組織は個人のキャリ・アップをどう捉え、そこで自律的に行動しエンプロイアビリティを高める人材はどのような特性があるのかについて検証が必要だろう。
先行研究
平野(2003)は、自律的型人材の特性尺度を作成し、民間企業B社に勤めるMR(医薬情報担当)、研究開発、生産、管理部門対象にその構造を明らかにした(学歴は大卒および大学院卒)。
自律型人材とは、これまでの節目・節目で経験した(一皮むけた体験)を「回願(思い返す)」して、その経験の意味を再認識し、目標や役割期待の明確化に「展望」する必要があると述べている(※この一連の心理的メカニズムを「統合」)。
おわりに
高度成長から支えてきた日本企業の労働形態は維持できなくなり、終身雇用、年功序列、企業内組合という三種神器が崩れてきていると叫ばれる中、エンプロイアビリティの必要性を痛感した結果となった。
ただ、こういった堅苦しい意味も重要だけど、趣味が転じて仕事になることもあるので、趣味こそがエンプロイアビリティだなと思っています。
最後まで読んでいただきありがとうございます( *´艸`)
参考文献
黒川 大司(2004)「エンプロイアビリティの向上そのための施策と企業の発展について」『マネジメント・レビュー 』10、pp.121-142
平野光俊(2003)「組織モードの変容と自律型キャリア発達」『神戸大学ディスカッション・ ペーパー』29
厚生労働省(2001)「エンプロイアビリティの判断基準等に関する調査研究報告書について」
http://www.mhlw.go.jp/houdou/0107/h0712-2.html>2021年11月6日観覧
日本労働研究機構(2020)「人生100年時代のキャリア形成と雇用管理の課題に関する調査」(12月)https://www.jil.go.jp/institute/research/2020/206.html>2021年11月6日観覧
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