No,117.三島由紀夫の「不道徳教育講座」をわかりやすく解釈してみた。part1
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不道徳教育講座の中で、心に残った文章を咀嚼します。
原文
「大人はウソつきだ。大人をゆるすな。」とハイ・ティーンは絶叫します。かれらは他人の不潔さをゆるすことができないのだ。ところで、私の経験だと、十代の時代ほど誠実そのものの顔をしたがるくせに、自分に対してウソをついている時代はない。自信がないくせに強がるのも一種のウソであり、好きなくせにキライなふりをするのも一種のウソである。そこへゆくと大人は、自分に対してウソをつくことがだんだん少なくなって、その代り、人に対して、社会に対してウソをつくようになる。ウソそのものの絶対量は同じだと言ってよい(p20)。
咀嚼
「大人はウソつきだ。大人をゆるすな。」と十代の子供達は声を荒げ叫ぶ。かれらは他人の不潔な部分を許すことが出来ないのだ。ところで、私の経験だと、十代の時代ほど誠実な顔をするくせに、自分にはウソをついてる。自信がないのに強がるのも一種のウソであり、好きなくせにキライな態度をするのも一種のウソ。しかし大人は、強がってみせたりするといった自分に対してのウソは少なくなっていく。その代わり、他人にお世辞を言ったり社会の規範に同調したふりをするといった、人や社会にウソをつくようにる。結果的には子供も大人もウソをつく量は同じだろう。
感想
なるほどね、ということは大人になっても自分を強く見せよう属のひとは大人の格好をした子供で、本当は自分に自信のないってことだね。
心理学では、「自尊心が低いひとほど自己顕示欲(他人に強く見せる)が高い」といわれていることだしね。
最後まで読んでいただきありがとうございます( *´艸`)
参考文献
落合萌子(2009)「2種類の自己愛と自尊心、対人不安との関係」『パーソナリティ研究』第18巻、第1号、pp57–60
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