なつきにけらし
ころもほすてふあまのかぐやま~~
というわけで「なつきにけらし」という企画に誘われたので、やります。
どんどこどんどこ
なんでも「なつきにけらし」からはじまる本をあげて、語ったり語らなかったりする企画らしい。
油断せずいこう。
「な」。
山際淳司はいちばん好きな作家なので、1冊は挙げたいな、と思ってたら、ありましたよ、「ナックルボールを風に」。スポーツノンフィクションの大家、山際淳司の短編集といえば、やっぱり一番有名かつ名作は「スローカーブを、もう一球」だと思うんですが(異論はないよね!?)、「スロ-~」で山際淳司にハマったプレイヤーが次に手を出す短編集こそ「ナックル~」ではないか。「スロ-~」ほどびんびんではないんですけど、深みとコクであれば「ナックル~」のほうが上(たぶん)。どっちもタイトルがいいよね。スローカーブが好きなひとは、きっとナックルボールも好きだろう。そしてきっとそういう生き方をしているはずだ。すきだよ。
「つ」。
辻村深月すきなんですけど、デビュー作にしていちばんいい作品じゃないかなーすくなくとも私は読んだなかでは一番すきです。構成が一番よくできてる気がしてね。メフィスト賞がびんびんだったときの受賞作だし。「ヒーローになりたい」のくだりがすごい好き。なける。
「き」。
あ、これもデビュー作にして受賞作だ。太宰治賞ですね。太宰治賞の作品で読んだなかでは圧倒的にいちばんだと思う。決勝でこんなのに当たったら事故ですよもう、事故。
「に」。
でたよこれ。サン=テグジュペリ。おれもう、サンテグジュペリのこと、サンテ・グジュペリだと思うことにするよ…。「星の~」はもとより、「夜間飛行」もすごい好きなんですけど、これも負けないぐらいよい。文体がすごい好き。
「け」。
メグムサギサワ。純文学を書く女性のなかではいちばん好きです。韓国をあつかう作家のなかでもいちばん好きかも。これはエッセイですけど。私も韓国が好きだし、韓国のことを書きたいと思ってるので、メグムサギサワを尊敬してる。
「ら」。
はい。説明不要ですね。「ら」でほかに挙げられる作品ある??
「し」。
これは思い出の作品というか、私の文学への入り口となった作品です。中学のときだと思うんだけど、国語の模試で「潮騒」が出てきて、「え、めっちゃええやん」ってなって、本屋に飛び込んで買ったのだった。誰にでもあるだろう、最初にがつんと殴られた文学が。
というかんじでした。
いやあ、来てしまったね、夏。
夏ゆえのノスタルジーというか、奇遇にも「いつか会いたい作家」ばかり挙げてしまった。
山際淳司・辻村深月・津村記久子・サン=テグジュペリ・鷺沢萠・J.D.サリンジャー・三島由紀夫。
いまとなっては会えるのは、そのうちふたりだけですけど。
それもまた、夏ゆえですかね。
さびしく、さびしく、読みましょう。
「なつきにけらし」でした。
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