秋の夜長にオススメの徹夜本
気の済むまで読書がしたい。
本屋でビジネス本コーナーに足を運んで、そのあと、小説コーナーを一通り見て回りたい。
好きな作家さんも、読んだことのない作家さんも、いろんな本を実際に手に取りたい。
そして、惹かれた書籍を数冊、家に持ち帰りたい。
高揚した気持ちを落ち着かせるように読書のお供にコーヒーを淹れて、それから、ゆっくり味わうように表紙を開きたい。
テレビも音楽も消して、静かな空間で、本の世界に没頭したい。
そんな欲を、最近ずっと抱えている。
子どもの頃から変わらない唯一の趣味は読書で、これまで数回、【寝る間を惜しむほど没頭して読んだ本】に出会ったことがある。
これまでたくさんの本を読んできたけど、滅多にそこまでのめり込める本には出会えない。
普段は、日常生活を犠牲にしない範囲内で読書を楽しんでいるから(だからこそ長く続く趣味だと思う)。
だから、『自分の睡眠や食事を犠牲にしてでも読み続けたい』と思ったり、心底、『この物語が終わってほしくない』と思ったりすることって、普通はあまりない。
でも、稀に、そんな本に出会えることがある。
寝不足になりたくないのに読む手を止められない中毒性のある本。
物語だと忘れてしまうほどに世界観に入り込む本。
そんな本に出会えたら、ものすごく幸運だと思う。
そして、一旦その感覚を体験すれば、もう一度そんな素敵な本と出会いたいと願ってしまう。
誰にも、何にも邪魔されずに、小説が読みたい。
細切れの時間ではなく、気の済むまで、読み耽りたい。
でも、しばらくは没頭できるだけのまとまった時間が取れそうにないから……
小説へのありったけのリスペクトをこめて、【寝る間を惜しむほど没頭して読んだ本】を紹介しようと思う(あらすじは省略)。
▽
【宮部みゆき】(敬称略。以下、同じ)
火車
模倣犯
ソロモンの偽証
レベル7
まず、これらの本のページ数が素晴らしい。
長編なので、長くそのストーリーを楽しめるし、伏線もたくさん張り巡らされて、その回収もすごく丁寧。
一緒に事件を紐解いていく感覚を味わえる本。
ストーリーへの引き込み、読後感の良さもさすが。
特に火車は、これまで読んだ本の中で、一番、読み終わりたくないと思った本。
【東野圭吾】
白夜行
手紙
これらも長編小説。
ストーリーとしての面白さや引き込みはもちろんのこと、特に手紙は、心を激しく揺さぶられて、読み終わったあとはしばらく放心状態だった。
心に働きかけてくれる本だと思う。
【綾辻行人】
十角館の殺人
ミステリーの王道として必ずというほど名前のあがる本。
怖さもあるけれど、終盤にかけての「わっ!」という展開が爽快。
【JKローリング】
ハリーポッターシリーズ
みんな大好きハリーポッター。
学生の頃に読んだけど、ワクワクしたり、ハラハラしたり、夢のような世界に思いを馳せたり、まさに徹夜本。
非現実的な世界の話が苦手な人でも(私もそのひとり)、ハリーポッターシリーズはその世界観も含めてとっても楽しめると思う。
童心にかえりたいときにも適した本。
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ここに挙げた作家さん以外にも、大好きな作家さんはたくさんいて、そういう作家さんに出会ったときには過去の作品も読むようにしている。
姑と会ったり荷物を送るときには、本の貸し借りをするのだけれど、そうやって借りた本が面白くて、作家のファンになり、過去の作品も読み漁ることもある。
こんなとき、自分だけでは出会えなかった作家さんや本との出会いをありがたく思う。
この世の中に面白い本はきっとたくさんあって、生きている間にあとどれくらいそんな素敵な本と出会えるのか、それがすごく楽しみ。