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【活動報告②】海藻を増やすー海中造林について
消えかけている海の森を維持・回復させ、豊かな海を次世代に残すために立ち上がったISOP(=Ishinomaki Save the Ocean Project)。2020年4月から始まったこのプロジェクトでは、海藻が減っていく「磯焼け」を食い止めるべく、ウニ駆除や海中造林といった活動を続け、海藻を増やす取り組みをしてきました。この記事では2021年に行った海中造林の動きをご紹介します。
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海藻が減っていることが海にとって課題であるならば、植林のように直接海藻を増やすことはできないか?という観点から実施してきた"海中造林"の活動。2021年は、コンブやアラメといった海藻が巻き付いた筏を5台、海中に設置し、海藻の増加に取り組みました。
海藻の種がついたロープと浮き、重りで筏を組むことで、海中で海藻が自然に育ちます
海中造林によって、どれくらい海藻を増やすことができるのでしょうか。「設置した分だけ、海に海藻が増えている」というのはもちろんですが、効果はそれだけではありません。
人工的に設置した海藻から種(胞子)が出て、天然の岩盤に付着することで、天然の海藻が増えていくことも考えられます。さらに、人工的に設置された海藻が、天然の海藻をウニから守ることで、天然の海藻が減るのを防ぐ効果も期待されています。
2021年の段階では、まだ「海中造林によって天然の海藻が増えた」といえるほどの成果は出てません。というのも、2020年の年末からの約半年の間、海藻は順調に育っていましたが、2021年6月ごろに、海藻を覆い尽くすほどのムラサキイガイ(ムール貝)が付着し、海藻が枯れてしまったからです。
今後は、海藻を設置する時期や種類に注意が必要となります。時期をずらしたり、育てる海藻の種類を変えたりと、来年度以降工夫していかなければなりません。
海水温の上昇や気候変動を背景に、二酸化炭素を吸収する役割が注目されている海藻。将来、海中造林の必要性が高くなってくると予想されるなか、重要な知見を得ることができました。
ISOPでは、今後も磯焼け対策の取り組みを続け、情報を発信していきます。
海の多様性を守るために、わたしたちに何ができるのか?をこれからも伝えていきます。