常連さんを獲得する方法は、常連さんが知っている。
かなり完成してから3件目で来店する男性、ちょっと一杯だけといって必ず3杯以上飲んでいく某社長、土曜日にパチンコ打ってうちひしがれて来る学校の先生、2時間かけて手土産までもってきてくれる同級生、接客疲れした近隣のバーテンさん、他にも数えきれないほどのお客様達、大事なことはすべてあなた達から教わりました。
今回は飲食店で常連さんが付く時について考えました。
お客さんに対しての有効なアプローチ
営業していると忙しくてあっという間に時間が過ぎて、気づいたら最後のお客さんをお見送りをして、溜まった洗い物を始末して、あ~今日も頑張ったと一杯やって終わる、なんてこともあるかと思います(私も毎日がデジャブに感じたことがありました(笑))。
営業中に客さんから得られる情報ってかなりあります。
一見さんでも料理やお酒を口にした瞬間とか、さりげなく観察しているだけでも、いいリアクションだったなあとか、無反応だったなあとか。
いい反応があれば、お店に対して少なくともいい印象は抱いているでしょうから、こちらからお話を切り出すと積極的にトークしてくれます。ここで徐々にお客さんの情報を聞き出せたら、一応メモっておきます。
そして、そのお客さんをお見送りするときに、店内で話したエピソードとかちょい出しして、少しだけお店のことを印象に残してもらって帰っていただく。私のお店の場合、お店を出てからしばらく何段か螺旋階段になっているので、今日のお店の感想を言い合いながら、くるくると下っていきます。
ほとんどのお客さんは階段を下りきるまで、こちらに見送られているとは思わないので(笑)結構本音で感想を言ってくれているので、辛辣なレビューにヘコムこともあれば、絶賛に一人ガッツポーズをとることもあります。余談ですがほろ酔いで、踊り場でいちゃつき始めるアベックもいらっしゃるので、そういう時は静かにエントランスを閉めます、汗。
まあ、そんなことを続けていくうちに、なんとなくまた来ていただけそうなお客さんを、見分ける精度みたいなものが上がっていきます。
また来てくれそうな見込み客に必ず聞くこと。
■行きつけのお店
■好きなお酒の銘柄
■趣味嗜好
【行きつけのお店】は、よっぽど行きづらい事情がなければ、必ず訪れます。そして、行ったら頼むメニューとかも聞いといて、必ずオーダーするようにしています。そのお客さんが次回訪れた時にそのエピソードを話せば、喜ばない人はいないでしょう。めちゃくちゃその話だけで盛り上がります。
【好きなお酒の銘柄】は、お客さんが自店で取り扱ってないお酒をご所望だった時に、「次回までに入れときます!」と言っちゃって、すぐに発注しちゃう。同じものが手に入らなかった場合、似た銘柄でいいので取ってしまう。ここまでくるとお客さん的には、銘柄云々より「自分のためだけのサービスだ」と思って、大層喜んでくれます。
【趣味嗜好】は、言わずもがなですが、そのお客さんの価値感を知ることができます。趣味が自分と合えばそれだけで関係性をグッと引き寄せられますし、まったく趣味のジャンルが違ったとしても、その趣味についていろいろとお話を聞かせてもらうことができます。
こんな積み重ねが、いちリピーターさんから常連さんにクラスアップ出来る日々の取り組みなんじゃないかなと思います。
モノ→コト→ヒト→大事なことは?
モノからコト、コトからヒトの時代なんて言いますが、それはお客さんそれぞれが求めるものはまちまちなので、どれも怠らないことが大切だと思います。
自分事ですが、私にハマってくれるお客さんのタイプって大体似ています。要するにその方々は【私】という【ヒト】に魅力を感じて来店していただけている。でも残念ながらすべての人に好かれるような、カリスマ的な魅力を有しているわけではないので、私のような凡人は特定のタイプのお客さんしか常連さんにならない。
だからこそ、【モノ】とか【コト】でリカバリーしてバランスをとるというのが大切だと思います。場合によっては自分とは真逆のスタイルのスタッフを入れることで、新しい【ヒト】の力を活かすこともあるでしょう。
そんな風にお店の魅力の幅というか、懐の広さみたいなものが広がって面白いお店になっていくのだと思います。
町にたくさんある飲食店の中から私のお店を選択してくださる。一日に20人来店されるとしたら、1対20、ではなくそれぞれのお客さんに対して敬意を払い、1対1としてサービスを心掛けることが重要なんだと思います。
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