vol.8 「治す」ことの諸相【3】ーー摂食障害の自助グループを運営する
自助グループと病気
2014年3月7日、私を含めた文化人類学者6人で「自助グループのエスノグラフィー」というシンポジウムを主催した。ひきこもり、エイズ、アトピー性皮膚炎、摂食障害、発達障害、糖尿病のそれぞれにおける、自助グループの活動内容を紹介・比較しようとする試みである。
さてこのシンポジウムの中心テーマとなった自助グループであるが、社会科学者のKatz(1)によると、自助グループの爆発的な増加は、欧米では20世紀後半に起こった。なぜこの現象はこの時期に起こったのであろうか。医療が飛躍的な進歩を遂げるなか、治せる病気は確実に増えた。しかしその一方で、自助グループは次々と増え、なくなっていかない。この事実は何を意味しているのだろうか。
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