磯野真穂|人類学者
2020年より研究者の新しい生き方を探るべく在野の人類学者になりました。『ダイエット幻想』、『急に具合が悪くなる』(with 宮野真生子)、『医療者が語る答えなき世界』、『なぜふつうに食べられないのかー拒食と過食の文化人類学』
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vol.9 「こんなのを理学療法士の仕事と 思われては困る」 「この研究がいったい何の役に立つのか」 ーー「病い」と「疾患」から読み解く本連載に対する批判
前々回の連載では理学療法士の加藤を紹介した。加藤の病院は寝たきりの高齢者が多いため加藤には、身体機能の回復ではなく、少しでも身体を動かし生活のリズムをつくることが主要目的となるオーダーが出されることもしばしばである。つまり加藤は理学療法としての専門知識を十二分に生かしがたい状況にあるのだ。 加藤はこの点について、むなしさを感じることがしばしばあると話す一方、徒手的療法のような手技療法だけがリハビリではないと話す。たとえば寝たきりの患者の場合、たとえ1時間であっても病室の外で
¥100〜