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宮野真生子と磯野真穂の3巻本

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『急に具合が悪くなる』(晶文社、宮野真生子&磯野真穂)、『出逢いのあわい:九鬼周造における存在論理学と邂逅の倫理 』(堀之内出版、宮野真生子)、『ダイエット幻想ー痩せること、愛さ…
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宮野さんのはじめに、宮野さんの最後に

宮野さんのはじめに、宮野さんの最後に

文章を生業とする人間が、人生の最後に書く文章とはどんなものだろう。
本の「おわりに」ではなく、「はじめに」が最後に手がけた文章になる研究者はどれだけいるだろう。

多くの方が10便に出る宮野さんの言葉を、彼女が最後に残した言葉として取り上げている。

でも時系列で考えると、彼女が最後に書いたのは10便ではない。彼女が最後に書いたのは、書簡の「はじめに」である。

偶然と運命を通じて、他者と生きる始

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「生きることの不安」を問い直すー哲学者・古田徹也さんとのトークイベント(2020.1.30)

「生きることの不安」を問い直すー哲学者・古田徹也さんとのトークイベント(2020.1.30)

私たちの生活には大小さまざまな不安が存在します。そこには、職場で体型のことをからかわれるとか、隣の席のあの人となんとなく上手くいかないとかいった生活の中で生じる種々の違和感から、就職ができず生活が立ち行かなくなるかもしれないとか、病気がどんどん悪化してこのままだと死んでしまうかもしれないとかいった、人生の根幹を揺るがしうる恐怖まで様々なものが含まれます。 

私たちはそのような不安を、社会の中で賞

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12万字の裏側で

12万字の裏側で

私と宮野さんは、出会いから別れまでの期間が経った10ヶ月しかありませんでした。ですが私たちの間には、文字数にしておよそ40万字のやり取りがあり、そのうちの30万字は書簡のやり取りの間に交わされています。

約12万字で構成される『急に具合が悪くなる』は、その裏側にある膨大な言葉のやり取りから生み出されたものでした。

今回はそこでのやり取りから見える風景を2つだけ紹介したいと思います。

宮野ー磯

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天神ー名古屋ー神楽坂

天神ー名古屋ー神楽坂

宮野さんにできるだけ長く書く時間を手渡すこと、私が先に死なないこと。

のちに『急に具合が悪くなる』と名付けられる書簡のやり取りが中盤に入った頃、ここだけは果たそうと心に決めていたことだった。

元気な人間が「死なないこと」を意識するなんて変な話だけど、この書簡の最悪のシナリオは、私が先に死んで、宮野さんが残されることで、なぜかそれだけ絶対にあってはならないと思ってた。といっても、気をつけることと

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『急に具合が悪くなる』を読んで口をつぐまないで欲しい

『急に具合が悪くなる』を読んで口をつぐまないで欲しい

とうとう発売が開始された『急に具合が悪くなる』。

すでに何人かの方から感想が届いています。
ありがとうございます!

ただ、その中で(すでに)ちょっと気になっているのは、「言葉がない」、「私ごときに…」、「何をいっても失礼になる」といった、この本を前にして自分は何か言える立場にないと口をつぐむ人たちの姿。

確かにこの本は「死」を扱っており、しかも著者の一人がすでにいないという状況です。こういう

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“逆張りの問い”と信頼

“逆張りの問い”と信頼

問いかけること

これは、人類学者が担う大事な仕事の一つであると私は考えています。

でも、その「問い」は自分の好奇心を埋めるためにあるのではない。

その「問いかけ」は、相手の奥底に眠る、しかし、それこそが相手の生活の根幹を支える何かに通ずる、形式と中身を持つ必要があり、そんな問いが投じられた時、相手も、そして自分も互いを発見する。

「良い問い」とはそういうものであると私は考えています。

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編集者・江坂祐輔という勇気

編集者・江坂祐輔という勇気

9月下旬に哲学者・宮野真生子さんとの20通の往復書簡、『急に具合が悪くなる』が晶文社より出版されます。前々回のnoteで私は、この本が異質な理由の一つを「著者二人が物語を駆け抜ける書であるから」と書きました。

おそらく本を書いたことのある人であればあるほど、この言葉に疑いを持ったと思います。そんなことでできるはずはない、そんなのは売り文句に過ぎず、実際は作られたプロットがあったに違いないと。

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『急に具合が悪くなる』〜著者二人が物語を駆け抜けた書

『急に具合が悪くなる』〜著者二人が物語を駆け抜けた書

9月下旬に哲学者・宮野真生子さんとの20通の往復書簡、『急に具合が悪くなる』が晶文社より出版されます。

著者が言うのも何ですが、これはずいぶんと風変わりな本です。
とりあえず私は、このような本を今まで読んだことがありません。

なぜならこれは著者二人が物語を駆け抜ける書だからです。

ノンフィクションは、過去にあったことをもう一度再構成する形で描かれます。作品の中では、現在から未来に時間が流れる

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