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2019年9月の記事一覧
『急に具合が悪くなる』を読んで口をつぐまないで欲しい
とうとう発売が開始された『急に具合が悪くなる』。
すでに何人かの方から感想が届いています。
ありがとうございます!
ただ、その中で(すでに)ちょっと気になっているのは、「言葉がない」、「私ごときに…」、「何をいっても失礼になる」といった、この本を前にして自分は何か言える立場にないと口をつぐむ人たちの姿。
確かにこの本は「死」を扱っており、しかも著者の一人がすでにいないという状況です。こういう
“逆張りの問い”と信頼
問いかけること
これは、人類学者が担う大事な仕事の一つであると私は考えています。
でも、その「問い」は自分の好奇心を埋めるためにあるのではない。
その「問いかけ」は、相手の奥底に眠る、しかし、それこそが相手の生活の根幹を支える何かに通ずる、形式と中身を持つ必要があり、そんな問いが投じられた時、相手も、そして自分も互いを発見する。
「良い問い」とはそういうものであると私は考えています。
私
編集者・江坂祐輔という勇気
9月下旬に哲学者・宮野真生子さんとの20通の往復書簡、『急に具合が悪くなる』が晶文社より出版されます。前々回のnoteで私は、この本が異質な理由の一つを「著者二人が物語を駆け抜ける書であるから」と書きました。
おそらく本を書いたことのある人であればあるほど、この言葉に疑いを持ったと思います。そんなことでできるはずはない、そんなのは売り文句に過ぎず、実際は作られたプロットがあったに違いないと。
哲学者・宮野真生子の大勝負
9月下旬に発売される哲学者・宮野真生子さんとの20通の往復書簡である『急に具合が悪くなる』(晶文社)。
通常、共著の場合、著者の順番はあいうえお順ですが、本書において宮野さんの名前がはじめに来ているのは訳があります。
それは本書が、文字通り命をかけた、宮野さんの大勝負だからです。
この本の中で宮野さんは自分がどんな病気にかかり、どんな闘病生活を送り、そして今自分の身体がどんな状態であるのかと