みんユルクロニクル#5 『The Oomi Situation (オオミの一件)』
※前回までのお話はこちら。みんユルクロニクル#4 『世界の中心でぼくらを支えたけもの』
以前書いたとおり、最後に加わったoomiさんは独自にnoteを書いていらっしゃるので、oomiさん目線でのプロジェクト参加への経緯はそちらを参照していただきたい。軽く手伝うつもりが、あれよあれよと言う間に巻き込まれて行き、いつの間にか中心人物になっていく様がわかりやすく綴られています。
“I'm ready, let's go, right here, right now"
2020年5月15日 金曜日 17:00
oomiさんもやはり、同じスピード感の中で生きる人だった。巡り合わせと素早い判断。
oomiさんとは相互フォローの関係にはあったが、コミュニケーションを取ったこと自体はほとんどなかったように思う。ただ、センスの良い肖像画のアイコンと、実名であることが印象に残っていた。なにより「graphic designer」と職業を堂々と掲げていらっしゃったので、同じモノを作る人間としては、どうしても気になってしまう。今にして思えば「東京サポーターの中にデザイナーがいる」という確信があったのは、もしかしたらoomiさんの存在が刷り込まれていたからなのかもしれない。
「手伝いますよ」というリプライを確認した時、ぼくはPCの前でガッツポーズした。よっしゃ!そしていきなり長文のDMを打った。ちーかまさんの時と同じように。
isomix:
oomi様、初めまして、 isomixと申します。
手を挙げていただき、感謝です!
現在、みたけさんを中心に、#みんなでユルネバ プロジェクトを進行中です。
いまは参加者募集の算段をしている最中でなのですが、募集をかけるにあたり、グラフックデザインの素養がなく。。
なんとか頑張ってサマリーシートは作ったのですが、プロの方がご覧になればわかる通り、カーニング一つできていないバラバラな状況です。。
不躾なお願いですが、これを美しく作り変えることは可能でしょうか?
現在のデザインを踏襲する必要はなく、全く違うデザイン担っても問題ありません。
ぼくは映像のディレクターなので、アートディレクションやクリエイティブディレクションをは専門外になります。
ぼくを含め、基本的には参加するクリエイターの自主性に任されていますし、統一されたアートディレクションは必要ないかと思っています。
バラバラなのは東京サポーターの特徴でもあると思うので。
なので、東京サポーターが参加したくなるようなビジュアルを、oomiさんの知見でお作りいただければ、と思います。
なにぶん時間のない中、手弁当で進んでいるプロジェクトなので、色々失礼やご迷惑があれば大変申し訳ありません。
お忙しい中かと思いますが、どうか楽しんでお手伝いいただければ、ありがたいです。
2020年5月15日 午後6:06
これをいきなり送りつけられた人は、どんな気持ちがするものなのだろうか?例によって失礼千万傍若無人な内容ではあったが、ここにはこのプロジェクトにどういうスタンスで関わってほしいかを全部込めている。
これはぼく自身もそうなのだが、技術やセンスをお金に替えているクリエイターに、その売り物であるクリエイティビティや労力を差し出させようとしているのだ。秤に掛けられるのは東京愛のみ。やりがい搾取の極北である。よくSNSで回って来る、タダで仕事頼んで来た失礼なエピソードとか、クリエイターがタダで仕事をすべきではない10の理由みたいな記事に描かれている、諸悪の根源みたいな考え方だ。
ぼく個人としては、サポーターファースト!東京サポーターに尽くす!とはっきりと決めていたが、それをみんなに押し付けるのもおかしな話だった。
公開が終わったあと、oomiさんに冗談でこんなDMを送ったことがある。
「今回の作業、普段のギャラに換算してみました?笑えますよ」と。計算してみると、本当に笑うしかない。oomiさんも笑っていた(と信じたい)。
だからこそ、少なくとも作りたいものを作りたいように作ってほしい、という気持ちは大きかった。そして、それを可能な限り楽しんでもらえれば。
これを送った時点では、oomiさんのキャラクターが全然わからなかったから、どういうスタンスでこのプロジェクトに関わってくれるのかも謎だった。だが、返事を見てほっとした。
oomi:
isomix様
はじめまして、oomiです。
#みんなでユルネバ プロジェクト、なんとなくワードは見かけていたものの、ようやく概要を理解しました。
ご依頼の件も承知いたしました。せっかくですし東京サポ以外にも「何かやってるね?」と興味を引いてもらえる物にしたいですね。
コピーはこれをそのまま使用しても良いですか?お手元に文字データがあればお送りください。
それと、著作権的に問題の無い「マフラー掲げてるサポーター達の画像(引きがベター)」を使いたいです。
タグつけて呼びかけようと思いますが、良かったらisomixさんもお声がけお願いできますか。
2020年5月15日 午後6:54
挨拶もそこそこに、いきなり制作物の具体的な話をしている。
世の中には、二種類のクリエイターがいると思う。ひとつは、こういうの作りたいと言うと、ああですか?こうですか?とこちらのニュアンスを細かく聞いてくるタイプ。もうひとつは、わかりました、とだけ言って、なんならそれすら言わないで、自分の頭で考えて能動的に勝手にどんどん作り出すタイプ。これは、どちらが優れている、とか正しいという話ではないのだが、このプロジェクトに関してだけ言えば後者でないと話が進まない。
みたけさんがリーダーではあるが、みたけさんが制作物の具体的なディレクションをする訳ではない。ただし公式アカウントからのツイートはみたけさんが自らの判断で、自らの言葉で行なっているし、ちーかまさんはこの頃、誰に言われずとも自分の意思で楽器隊の募集を行なっている。
楽器方面の取りまとめや進行については、ちーかまさんが全てひとりで取り仕切っていて、ぼくらはその詳細を知らない。獣さんもYouTubeチャンネルの管理や、素材受付フローの構築を自らの判断しながら次々と進めていたし、ぼくはぼくで映像方面の計画を勝手に描いていた。全員、誰に命令されてやっている訳でもない。主体性を持ってそれぞれが動かないことには、なにも生まれない。oomiさんは、さらに続けた。
oomi:
また、これは思い付きのオプションとして。。
広く見てもらえる為にもバイリンガルになってると良いかもと思いました。
外国人東京サポはもちろん、東京サポじゃなくても、この歌の意味を知っている方は海外に多くいらっしゃいますし。
併記する場合でもデザイン的には日本語をメインにします。
白背景部分のコピーだけでも翻訳をどなたかに頼めたら嬉しいです。
(が、そんなことまで私が勝手に呼びかけて良いものでしょうか?)
2020年5月15日 午後6:58
ありがたいなあ、と思った。この人はどんどん先に行ってくれる人だ。なにしろ、さっそく写真募集のツイートを自主的に行なってくれているのだ。
この写真募集のプロセスはoomiさんじゃなかったら思いつかなかったことだ。サポーターのスマホの中に絶対に入っているはずのスタジアム写真を提供してもらうことで、プロジェクトへのタッチポイントを作れる。
例え提供まで至らなくても、いい写真ないかな?とスマホの写真ファイルを見返してくれれば、それだけでもFC東京のことを思い返す時間になり、期待感を醸成できる。
この時点での参加表明はかなりの数だったし、タイムラインは、なにか協力したいというありがたい熱で溢れていた。だが関わりたくても募集は始まっていないし動きようがない、という状況の中で、素晴らしい参加機会提供の施策になったように思う。
なんかインチキマーケの内部資料みたいなこと書いてるけど。このoomiさんのアイデアにより参加者の方々との距離をぐっと縮められたように思う。写真提供していただいた皆さま、ありがとうございました。
これは凄い方が参入してくれたなあ、と、ほっこりとした感謝の気持ちでいっぱいだった。しかし、それと同時に、この人にだったら、腹の中にずっと思っていたことを頼めちゃうんじゃないか?というドス黒い考えがふつふつと湧き上がっていた。
そう、ぼくはプロジェクトロゴが必要だとずっと思っていたのだ。あわよくば自分で作ってみようかとも思っていたが、とてもそこまで手が回らず、しかもさきほどのサマリーシート製作で完全にデザインに関する自信を喪失していた。
ロゴとは、プロジェクトの顔であり、旗であり、看板だ。これなしでプロジェクトを進めることなど到底考えられなかった。どこかでグラフィックデザイナーさんが加入して、ロゴ作ってくんないかなーとは、初日に自転車漕いでるころからうっすらと思っていた。
(※ここまで、Twitter公式アカウントを何度か引用した際、最新の状態で引用されるnoteの仕様により、アイコンが既にロゴになっていましたが、この時点ではロゴはまだ生まれていません。)
まだoomiさんのキャラクターははっきりとわからなかったが、これだけ前のめりな方なら怒らないんじゃないか?ぼくは思い切ってDMを送った。
isomix:
ちなみに、今後のスケジュール感ですが、先ほど17時にサマリーシートをリリースし、今夜中、もしくは明日の昼ぐらいまでに概要シートを展開、明日夜にガイドムービーを公開し、募集開始、一週間の募集期間を経て、映像を編集、公開、というものすごいスピード感で進んでおります笑
えーと、ちなみに思い切って図々しいついでに言っちゃいますが、映像の中のメインタイトルでも使えるような「#みんなでユルネバ」プロジェクトロゴがあるといいのでは?と勝手に思っているのですが、、どうでしょう?笑
2020年5月15日 午後7:31
「ああ、ロゴ開発は別料金になりますね〜。普段は一件150万からご相談に乗らせていただいてます」的な返事がドライに来たらどうしよう、とも思った。だが違った。
oomi:
◉イラレデータ
頂きました、問題なく使えます。
◉ギガファイル便データ
頂きました、映像素材ですね。
G裏やフラッグ、味スタ正面など、使えそうな素材ばかりでワクワクしました。
切り出して使わせて頂きます。
◉ロゴ
あると良いと思います!作らせて頂きます。
デザイン案は入れてくださったグループ内でご相談させてください。
バリエーションはあまり期待しないでください。。
◉英語版
皆様にも伝えてくださりありがとうございます。
呼びかけ方など、お任せいたします。
スケジュール感については、この後グループの方でお伝えしますね。
さらっと箇条書きの中でOKしてくれた!
このあたりは、さすがは本職のグラフィックデザイナーさんと言うべきだろうか。ロゴの重要性を一番理解している。
そして、ついにグループDMに、oomiさんが登場する。ついに、ここから最後まで突っ走るスタッフ五人が集まった瞬間である。
しかし、よろしく頼むぜ、新入りさん!ここの流儀を教えるぜ的な流れもなく、自己紹介フェイズもなにもなく、oomiさんはいきなり実務的なやりとりをはじめていた。さすがである。
”Me casa, su casa"
ここから五人が流動的に絡み合い、プロジェクトが進行していくことになる。断っておくが、このnoteを執筆している時点でも、この五人が実際に顔を合わせたことは一度もない。ずっと後のTV出演時、始めて顔と声を認識することになるのだが、この時点ではお互いをアイコンとタグネームでしか知らかった。名前を晒しているぼくとoomiさん以外は、本名や年齢、職業もはっきりとはわからない。電話はおろかメアドやLINEも交換せず、すべてのやりとりはTwitterのDM機能を介して行われていた。このころ仕事では頻繁に行われるようになっていたzoomでの打ち合わせすら一度もない。だからこそ、DMグループのタイムラインにはすべてのやりとりが残っていて、このnoteも書けるのであるが。いや、そもそも #みんユルクロニクル を書いてみようと思い立った理由は、それを遡って読み返してみたら意外と面白かったから、ということに尽きる。
ぼくは正直、会ったこともない人たちと、ここまで濃く付き合えるとは思ってなかったし、ここまで深い信頼関係が結べるとは、本当に想像もつかなかった。
2020年5月16日 土曜日 0:00
プロジェクトのローンチ、募集開始は明けて今日、5月16日の夜を目指すことを決め、この夜のやりとりは一旦終了した。…かに見えた。
ローンチ時にリリースすることになったのは、KIMIKAさんの仮歌入りガイドムービー、oomiさんが作るプロジェクトロゴと、サマリーシートの改訂版、それにぼくが絶対に必要だと思っていた、撮影や録音の方法について細かく説明したマニュアルシートだった。
やり方を特に指定せず、参加者同士で自由にノウハウが構築されていく流れも面白いかな、とは思ったのだが、そもそも求める提出物のハードルが高すぎる。それに最終的な上がりのために、演出プランベースでのお願いをしておくべきでもあった。いや、演出プランなどと言うほどのものではないのだが、「カメラは横向きで」とか「目線は画面じゃなくてレンズで」とか、本当に基本的なことを集約したシートが必要だと思っていた。それも、誰が見てもわかりやすく、具体的に。
だが、これはぼくが作るしかない。スケジュールを考えると、今夜のうちに作業しないと間に合わない。明日16日土曜日の日中は、KIMIKAさんから歌素材が来るはずで、それをちーかまさんがMIXしたものを受け取り、ガイドムービーとして組み上げる時間を確保しなくてはならない。それに、映像撮影面での具体的なアドバイスは、ぼくにしか書けない。
とりあえず取り掛かるしかない。例によって、慣れないイラレ作業に苦労しつつ、撮影、録音の手順をできるだけわかりやすく、マニュアルとして文章を書いていく…のだが、作業するうちに、問題に薄々気付き始めていた。どう考えても図解がないと理解しづらいのだ。あー!もう!
深夜に思い切って方針転換することにし、すぐにタブレットで画を描きはじめた。この時点でシートのクオリティについては諦めた。とにかく、下手くそな画を、下手なデザインで組もうとしているのだ。クオリティなど求められようはずがないではないか。
ぼくは職業上、日常的に画を描くのだが、コンテには画のクオリティを求められないため、画力は酷い有様だった。なぜこんなに毎日毎日画を描いているのに上達しないのか、誰か教えてもらいたい。
美大を受験した際にデッサンの勉強はしていたものの、一向に上手くなることはなく、受験当日だけ神がかったように点がとれてなぜか合格できたが、200人近くいる学科の中でおそらく1、2を争う下手さだった。友達から「お前は受かっちゃいけなかった」と目を見ながら言われたこともある。その目は笑ってなかった。
あの頃の自分に言ってあげたい。「キミは大学卒業してからも20年近く画を書き続けるけど、今のキミと大差ないぞ」と。絶対止めてただろうな、受験。まあ、そんなことはいい。
この夜、ぼくは目も当てられないポンチ画をひーひー言いながら描き、もっとデッサン頑張ればよかった、と悔んでいた。
ヘタウマを装おうと試みつつ、本当にただヘタなだけな画を書き上げて、それをシートとして組み上げたのは、深夜の3時ごろだった。内容面で、もっともっと詰めてブラッシュアップしなければいけなかったが、とりあえず必要な要素は見てもらえる状態にはなった。みんな寝てるだろうけど、朝確認できるようにストレージに上げ、DMグループに貼る。じゃあ寝ようか、と思うと、ちーかまさんから返事が来ていた。
ちーかま:
全く問題ありません!ありがとうございます!
2020年5月16日 午前3:51
うわ、普通に起きてる。ちーかまさん頑張るなー、と思いつつ、ぼくはそのまま何度目かの寝落ちをした。
若い頃、なにかの作業で徹夜している時、深夜3時ぐらいにベテランプロデューサーが言った言葉を思い出す。「いいか、いい仕事をしたかったら、寝ろ。40過ぎても徹夜してるようじゃダメだぞ、今の俺のように」と。確かに昔はしょっちゅう徹夜仕事をしていたが、最近は働き方改革もあるし、自分で自分の時間をコントロールできるようになったせいか、ほとんど徹夜することなどない。効率よくものを考えられるようになったおかげかも知れない。
しかし、このプロジェクトで久々に徹夜して、不思議と懐かしい気分になっていたのも事実ではある。なんとなく新人時代に戻ったような気分だった。そんなことを考えながら眠りについた。
"We're cool. In fact, we're super cool"
2020年5月16日 土曜日 10:00
朝になると、DMグループ上には信じ難い光景が並んでいた。
眠気が一気に吹き飛んだ。この朝に味わった感動は、本当に忘れられない。まずはちーかまさん。
ちーかま:
早朝にすみません。アレンジをラフ状態からだいぶ形にしてみました。ここにKIMIKAさんに仮歌を入れて頂き、サポの皆さんのガイド動画にする感じです。
楽器参加の方々の音と、人の声が加わるとまた違う感じになると思いますが、取り急ぎ、音の方はだいぶ完成をイメージできると思います!
2020年5月16日 午前4:09
音楽のアレンジが完成していた。昨日ぼくに返事をくれてから20分後だ。このちーかまさんのアレンジは、昨日までのピアノソロデモをフルオーケストラアレンジに起こしたものだった。さっそく聞いてみて、ぼくは震えた。めちゃくちゃ良くなってるじゃん!
良くなっている、というより、完成している、と言った方が早いかもしれない。これにKIMIKAさんの声が乗れば、ガイドの完成である。少しだけ気になった点もあったのだが、とりあえずそれは先送りにした。ぼくはこの朝、再び見せつけられたちーかまさんの素晴らしい才能に感動していた。
この朝の驚きはそれだけじゃなかった。
oomiさんがロゴのラフを上げていてくれていたのだ!時間を見ると、朝7時半に送信されている。昨日は寝るって言ってたじゃん!完徹してんじゃん!
oomi:
おはようございます。仕事じゃないと手が早いという悲しいサガで、ロゴを一気に作ってみました。『マフラーを掲げている手』をビンテージリボン風に仕上げました。
ただ、「手」の形が難しく…(この辺は一人で突貫で作る弱さです…)
並べたロゴのうち、どれが一番それらしく見えますでしょうか?ご意見お聞かせください。
2020年5月16日 午前7:32
再び、先輩プロデューサーのセリフを思い出した。「仕事で手を抜くやつはクソだ。だが、自主制作で手を抜くようなやつは仕事やめちまえ」よくわからない理屈だが理解できる。
例によって、oomiさんにこの時のラフを公開する許可をいただいたので、初公開します。このあと、バッジやTシャツになり、みんなの遊び道具へと進化する #みんなでユルネバ ロゴのプロトタイプがこちら。
※無断転載を禁止します
※無断転載を禁止します
ラフと言いつつ、こちらもほぼ完成している。
これには感動だった。新加入のoomiさんがいきなり凄い仕事をしてくれた、という部分もそうだが、本当にこのデザインがいい、と思ったからだ。なんというか、FC東京がらみではオフィシャルでもアンオフィシャルでも見かけないテイストだったからだ。スポーツっぽいカッコイイ路線でも、不良っぽいハードコア路線でもない。かわいすぎず、子供っぽすぎず、二の線すぎもしない。優しくて、誰でもウェルカムな雰囲気が、まさにプロジェクトにぴったりではないか!なんて絶妙なデザインなんだろう!
oomi:
昼まで休んで、続きを行ないます。皆様もマニュアルや音源の制作お疲れ様です!
2020年5月16日 午前7:36
まだまだ戦う気満々である。ちーかまさんとoomiさんの素晴らしい仕事を見て、こちらもやる気がみなぎって来るのを感じた。
音楽も、ロゴも、このクオリティで、しかもなんと言うか完全に芯を食ってるのだ。絶対に参加者のみなさんは喜んでくれる、そんな確信が持てた。せっかくだから、この音楽やロゴのリリースを最大限盛り上げるにはどうすればいいだろう?そんなことを考えていた。
しかし、一方で、ぼくはジレンマに陥っていた。お二人の制作物に触発されて上がりまくったテンションを、ぼくのフィールドである映像としてぶつけることができなかったからだ。
とにかく参加者の映像が集まらないことには、映像班としては動き様がない。慣れないイラレ作業でのフラストレーションもあった。早く言えば、映像が作りたくて仕方なかった。例えるなら、本来点を取るしか能のないFWが、失点を防ぐべく慣れないセンターバックを必死でこなしているような感覚だった。前線に上げてくれ。
この思いは、この日の夕方ぐらいに爆発することになる。しかし、とりあえずはそれを脇に置き、ちーかまさんに送るDMを書いた。今朝確認したデモは本当に素晴らしかったのだが、映像演出サイドからどうしてもフィードバックしたいことがあったのだ。遠慮してる場合じゃない。
isomix:
おはようございます。
みなさん、すげーっす!!
ほぼ徹夜じゃないですか。
ありがとうございます!!ちーかまさーーん!!めちゃくちゃいいじゃないですか!
これ聞いてるだけですでに感動しちゃってます!
味スタ行きてーー!ってなります。
何がいいかって聞いてるうちに気付くと思わず歌っちゃってるところが素晴らしい!
参加したくなりますね、これなら!
ここから拡張の要素もありますし、ただ、一点だけご相談があります。
ごめんなさい、怒らないで聞いてくださいね。。
エンディングに関してなんですが、急の部分を伸ばし、そのまま終わるバージョンってありえないですかね。。?
実は、昨日みたけさんに参加人数が予想より増えていると聞き、ちょっとビビっています。
一人ずつの映像出演がかなり短くなった時、最後の方は画面分割した上でかなりカッティーな編集になると思うのですが、その際また緩部分がきてしまうと人数を入れ込むのが難しく、、、
現状の終わり方、かなり感動的で素敵なので惜しいんですが。。
ただ、オーラスのリタルダンド感みたいなのはありたいと思うのですが、そんな終わり方できたりしないですかね?
このタイミングで最低なのですが、ご検討いただけたりしないでしょうか???
5月16日 午前9:48
この朝、ちーかまさんが上げてくれたデモは、最後にテンポアップした盛り上がりの後、もう一度テンポを落とし、ゆったりと切なく美しく終わるエンディングになっていた。このアレンジも非常に素晴らしかったのだが、上記のDMどおり、この時はとにかく参加人数が気になっていた。この編曲で参加者に歌ってもらうことになるため、この時点で人数感を先読みして最終的なアレンジに近い状態にしておかなければならなかったのだ。
続けて、oomiさんにも感想を返信する。
isomix:
そしてoomiさん!
ロゴめちゃくちゃいいと思いました!まじプロの仕事で感動しました!
個人的な感想としてはCのシワ有が好きです。
で、色味なのですが、単色よりもやはり青赤が入ってる方がキャッチーだと思いました。
で、これはおれだけかもなのですが、青マフ/赤文字、赤文字/青マフの配色は、なぜかマリノスっぽいと感じてしまいました。なんでだろう??
なので、文字が青赤互い違いバージョンをメインに、下地がごちゃごちゃした時用の白線バージョンと併用で使うのがいいかな、と思っています。
みなさんはいかがでしょう。
ひとつだけリクエストすると、映像で使用する時はマフラー部分だけ白ベタで背景が抜けない青赤文字バージョンがあると使い勝手いいな、と思っています。普段の仕事で苦労するポイントだったりするので、勝手言ってみました笑
5月16日 午前9:48
そして、oomiさんにこのDMを書きながら、このロゴを活用した、今日一日の筋道をなんとなく考えていた。今夜のローンチを軸にして、そこから逆算して制作物を小出しにしていけばみんなも盛り上がるんじゃないだろうか。今日は土曜日で、楽しみに見てくれる人もたくさんいるはずだと思っていた。
みんユル公開までは、あと19日。ぼくは手始めに、みたけさんと獣さんに向けて、こんなDMを送った。
isomix:
みたけさん、獣さん、これ、ロゴだけ先行公開してもインパクトあると思うんですがどう思われますか?
「プロジェクトロゴできましたー!」って出すとワクワクするなー、と。
5月16日 午前9:51
【#5 おわり】
この日は結果的に、うまくいったこと、計算通りにいかなかったこと、突然決まったことなどが錯綜する、まるでジェットコースターのような一日になります。色々とぼくの勇み足やミスでメンバーに迷惑をかけてしまうことにもなるのですが、それはまた次回、みんユルクロニクル#6 『You can’t always get what you want』でお話しすることに致します。