ムール貝のロックフォールソースって知ってますか (プロヴァンス ニーム)
南仏プロヴァンスのニームは思い出深い街です。もう30年も前になる1993年に仕事で撮影に行ったときに、南仏というエリアの気候や自然、歴史や文化、そして食の深さに驚きました。その中でもニームは印象深い古代都市です。
ニームの街の道路標識に「バルセロナ 450Km」と書いてあるのを見たときには、ヨーロッパは陸続きなんだ、バルセロナはもうすぐ近くなんだと、今すぐ行ってみたいと思いました。
南仏の話はまた何回か書きたいと思います。今日はそんなはじめての南仏体験をしたニームに再訪した時の話です。最初の訪問が1993年で、最初の再訪は21年後の2014年、2度の再訪は2016年です。これは14年の訪問の時のことです。
ニームにあるローマ時代の1世紀に作られた円形闘牛場のすぐ脇にあるブラッスリーで食べたムール貝の白ワイン蒸しです。ムール貝のワイン蒸しは、日本でもアサリの酒蒸したいな調理法で出すお店がよくあります。このときもきっとそんな物が出てくるだろうと思い、ワインとガス水(イタリアのサンペレグリノだけど)を注文しました。付け合せにポテトが付いてくるようなので、一人ならこれで十分だろうと。
出てきた料理はとてもいい香りと、何か白いソースのようなものがかかっています。食べてみるとこれはブルーチーズです。ブルーチーズと白ワインがベースなのはわかりますが、他は何を使っているのか良くわかりませんでした。ワインの酸味を少し感じられて、ムール貝の甘みとよくマッチします。このときはロゼワイン(ハーフにしときました)を頼んだので、これがまた最高のペアリングになりました。
改めて自分が頼んだ料理を改めてメニューで確認すると、ロックフォールソースと書いてあります。これはブルーチースのことだったわけです。
ロックフォールソースはロックフォールチーズ、すなわちブルーチースのソースということを知りました。そしてロックフォールとは地名で、ここニームから1時間半はど西に行った山中の村のようです。
ニームの気温はかなり高いけど、カラッとした湿気がほとんどない風に吹かれながら、古代円形闘牛場脇のテラスで食べたムール貝は本当に最高でした。
しかし、このお店が本当の美味しいのかと冷静に考えると、たぶんそうではないだろうと思います。この料理をそれまで食べたことがなかった、食べ比べていない、ロケーションと天候という要素が大きく影響していると思います。食事との出会いはそんなものです。日本中、世界中のラーメンを食べ比べたわけでもないのに「あそのラーメンは最高だ」などと私達は言ってしまいます。それでいいと思います。世の中は偶然と誤解で成り立っているものので、絶対値、絶対的な評価だけで勝負も判断もしてはいないものです。人間関係、恋愛も同じですよね。
さて、今回食事をしたお店はここ「Brasserie des Arènes Nîmes」です。翻訳すると「居酒屋 ニーム闘牛場」という直球のネーミングですね。正直このロケーションは、鎌倉で言うと鶴岡八幡宮の前にある蕎麦屋や和食屋みたいな、立地が全てなポジションです。このケースで本当にうまいものがある確率は低いですよね。でも、それはその人の状況とタイミングにうまくマッチすれば、最高の食事になるものです。
そして気になった方には、ムール貝のロックフォールソースレシピをネットで発見しました。そんなに特殊なものではなく簡単でにできそうで、再現性も高いんじゃないでしょうか。以下は引用先のサイトをDeepLで翻訳したものです。
ムール貝のロックフォールソースのレシピ