南仏の何もない村でぼーっとして過ごした日々 (プロヴァンス クリュイ)
この時もブッキングドットコムのマップ検索で、プロヴァンスの高評価の宿を探していくという方法で行き先を決めました。
特に旅に目的があるわけではなく、写真と地図を頼りに何となく自分の感覚に合いそうなB&Bを探すのです。宿が決まってから、周辺の街やレストランを探していくという旅の決め方です。私はこのスタイルで行き先を決めることが、国内外を問わずこのごろとても多いです。
このときも実はワーケーションで、アムステルダムで6日ほど仕事をこなして、マルセイユまで飛行機で飛んできました。空港でレンタカーを借りてプロヴァンスに向かいます。いまはカーナビもGoogle Mapもあるので、知らない場所でも迷うということはありません。本当に楽な時代になりました。空港からはのんびり走っても3時間はかかりません。
B&Bは小高い風通しのいい丘に建っています。石造りに赤い瓦屋根。プールが付いた離れもあります。テレビはもちろんありませんがWiFiはちゃんと高速です。
宿には部屋が5つあるようですが、このときは我々も含めて3組。あと2組は中国人カップルとフランス人の家族でした。
庭というか、手入れされているわけではない自然な庭に、たくさんの花が咲いています。宿のオーナーは50代くらいのとても親切でセンスのいい男性カップルです。といってもそういう方々が集まる場所ではまったくなく、ごく普通の素敵な宿です。
こういう石造りの建物がなぜでしょうかとても好きです。年間を通して湿気はほとんどありませんが、冬場は結構寒くなるので暖炉は欠かせないようです。
そう言えば、このときの食事に関する記憶は、朝食以外にほとんどないんです。田舎すぎて近くに美味しい飲食店がなかったからだと思います。
3泊の滞在期間はほとんどの時間をこんな景色を見ながら、ひたすらぼーっとして、うたた寝して、ワインを飲んでました。
別の記事で何度も書いていますが、緩やかに風が流れるこういう場所がとっても好きです。私はこうした場所では本を読むことも、音楽を聞くこともしません。作り物ではない、自然の音の方が遥かに魅力的だからです。これは住まいでも同じで、風が抜けない場所には絶対に住めないと思います。
翌日だったでしょうか、たまたま前を通りかかったときに、何かとても気になる建物が山の上の方に見えたので行ってみました。看板も何もありませんが、そこには古い礼拝堂がありました。
例によってGoogle Mapによるとサン・ドナ礼拝堂(Chapelle Saint-Donat)という11世紀のはじめの建物のようです。11世紀というとあまり古さを感じませんが、1000年前ですから藤原道長の時代、ということになりますからさすがヨーロッパです。
倒壊の危険があるということで、出入り口は全部鉄格子で閉ざされていて中に入ることはできませんでした。サン・ドナ礼拝堂の情報をプロヴァンスの観光局みたいなところから引用します。
ステンドグラスの写真のアップがありましたので貼っておきます。
うまく言葉にできませんが、とても不思議な場所でした。
さらになんとなく車を走らせます。といっても私は運転免許がないので、運転はいつものように同行の家人です。幸いなことに彼女は運転が嫌いではなくで、海外でもそんなに躊躇することなく運転をしてくれますし、基本は酒を飲まないので完璧です。
遠くに白いドームが見えたので調べてみたら、オート=プロヴァンス天文台
でした。特に見学できるようなことはなかったですが、天体観測ツアーがあるようで、なんと宿泊施設もあって泊まり込みでの天体観測ができるようです。
そして遠くにまた何か気になる建物を発見しました。
近寄ってみるとここも礼拝堂のようでした。先程のサン・ドナ礼拝堂に比べるとかなり新しいとは思いますが、それでも100年は経過しているのではないかと思います。
ここの正確な場所と名称が分からなかったので、この写真を画像検索してみました。すると
なんと同じ場所、同じアングルの写真がストックフォトで販売されていました。それも複数のサイトに異なる時期異なるアングルで何点もです。確かに絵になりますからすごくよくわかります。場所と名前は残念ながら特定できませんでしたが、ヴァロンソル高原となっているので間違いないです。
このあたりの景色はだいたいこんな感じで、ラベンダーやハーブ類の農地になっています。L'occitaneの本社には一度行きましたが、ここからほど近いマノスクという村にあります。
今回滞在した宿はこちらです。動画も貼っておきます。
LE JAS DU BOEUF
そしていつか行きたいと思っているプロヴァンスの宿はここです。ここもブッキングドットコムの地図上で見つけました。ここの方がもっとなんにもないんでしょう。