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沸騰魚が忘れられなくて

先日北京で食べた沸騰魚が忘れられなくてですね。

沸騰魚(フェイタンユィ)とは四川料理で、草魚を茹でてから熱した油をかける料理です。このときに油がグツグツとなるので沸騰魚というらしいです。大量の唐辛子や花椒が盛られたインパクトのあるビジュアルが特徴です。でも見た目ほどは辛くはなく、痺れも普通レベルです。魚と油と山椒の香りがミックスされてなんとも言えないハーモニーです。

そんな沸騰魚を食べられるところは近くにないのか探してみました。すると池袋にかなりいい感じのお店「蜀魚記(ションウイーチー)」さんを発見。なのですがあいにく8月末から改装中とのことでまもなく再オープンの模様。見ると11月16日以降予約できる状態になっています。ここは近いうちに訪問したいと思います。

他にはないのか探して見つけたのがこちらの「川覇王(せんぱおう)」さんです。場所は新大久保駅の目の前という超便利な立地です。この前は何回も通っていますが気がついていませんでした。

お店は地下です
いきなり沸騰魚のポスターが現れます。向こうには酸菜魚も。ワタクシ的には完璧な状況です
部屋に貼りたい(笑)
店内の雰囲気も日本ではありません

15時の訪問なのでお客さんは中国人のお兄さんが一人だけ。お店のスタッフはもちろん全員中国人です。接客の人は日本語OKです。かなりのガチ中華ですが、「普通の中華」もあります。

注文はタブレットからです。紙のメニューがないのが難点で、料理の全体像や詳細がわかりにくい。こういうのはいつも感じるように、お店側もアップセルのチャンスを逃してると思うんですけどね。全テーブルでなくてもいいから、メニューブックは用意したほうがいいと思います。各料理のうんちくとか食材などにもちゃんと料理人が手書きするくらいがきっといいとんじゃないですかね。中国語の手書きでその下に日本語訳をフォントで。そう思いません?

注文したのは沸騰魚という名前ではなく「山椒の盛り盛り魚スープ煮込み」という名前になっています。はっきり言って一人で食べる量ではないのです。器の有効部分の直径だけでも40センチはあります。4、5人分くらいでしょうか。あとは白いご飯と流し込み用の生ビール。

わかっていたけどやっぱり4,5人分!
花椒が多めで青山椒も

青山椒はまだ若い実なので辛さも痺れもかなり強め。赤い花椒はそれらは押さえられてその分香りと深みが増します。唐辛子も入ってはいますが少なめです。繰り返しますがそれほど辛くないです。翌日もおしりは痛くなりません。

草魚はぷりぷり。

草魚版とスズキ版があり、草魚版を選択しました。たぶんですけど完全な淡水魚である草魚の方が向いている料理ではないかと予想したので。

うまい!

みんな麻婆豆腐やエビチリばっかり食べてないで、沸騰魚を食べましょう。酸菜魚を食べましょう。もうちっと時間があるなら沸騰・酸菜魚愛食連合を組織したい。

そして沸騰魚の真骨頂は実はもやしです。あといえのきも。これ重要です。北京の沸騰魚郷の沸騰魚のもやしは本当に美味しかった。日本のもやしはいかにも水耕栽培ぽくて味がしないのですが、中国のもやしは大きくて太くて、思いっきり豆の味がします。もう全然違います。豆もやしと呼ばれるいいもやしを使ってくれたらぜんぜん違うんじゃないかと思いました。

お見苦しいけど完食。器の大きさがこれのほうがわかりますね

こうした好みは5年くらい前に深センで偶然食べた酸菜魚がスタートで、それを今年再び現地で何軒かはしごして、バリエーションを体験し、こうやって旅行体験や食の体験を色々繋げていくと、一つのことが何倍にも広げられて楽しいです。

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