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モロッコ辺境の最高に素敵な宿 Dar Bilal 【食事編】

モロッコのタムダフト村にあるリアド(リヤド)、Dar Bilalの食事についてです。

Dar BilalはB&B形式で、朝食は宿泊費に含まれています。夕食は別でメニューは決まっているというかタジンのお任せです。20から30ユーロだったと思います。近所には夕食を食べられるお店は1軒あり、そこはランチで行ったので別記事で紹介します。あと別の2つのホテル内のレストランが2軒あります。行っていないので状況はわかりません。

Dar Bilalにチェックインしたらモロッカンティーのサービスがあります。オーナーのモハメッドさんが淹れてくれます。ミント系の緑茶で、ポットを高く上げてカップに弧を描いて注ぎ入れます。

モロッカンティーは食事と一緒に飲むのが基本です。イスラム圏ですからアルコールが基本ないからです。

ミント系です。高いところから注ぎ入れるので泡立っています

オーナーのモハメッドさんが豪華なティーセットをサーブしてくれました。

萌えます
アーモンド、くるみ、レンズ豆?

アーモンドがとても印象的でした。このあたりのオアシスにはアーモンドが自生しています。アーモンドの実は2重に殻に覆われていて、それをペンチで割って実を出すのです。アーモンドってそうなんですね、全然知りませんでした。

アーモンドの実はすごく堅い殻に覆われています。それをペンチで割ります
中からこんな物が出てきますが、実はさらにこの中なのです。最初の殻ほどは堅くありませんが、手では無理でもう一度ペンチで割ります
するとやっとわたしたちが食べているアーモンドの実が出てきます


お茶してから軽く寝ていたら、夕方になって気温も少し下がってきました。26度くらいです。空気はカラカラに乾燥しているので、暑さや不快さは全く無いです。

さそうです、あビールのお時間です。これで5時半くらいですね。屋上で心地よい乾いた風に吹かれながら、岩山に沈む夕日を眺めながらビールを飲みました。これ、人生で一番うまいビールになったと思います。

それにしても思えば遠くへ来たもんだ。

ここでビールを飲んでいることがとてもとても不思議でした。お向かいのポルトガルのサグレスです



夕食は19時にお願いしました。テーブルはもちろん屋上です。

夕日は山の向こうに沈みました。きれいな三日月です

テーブルがセットされました。サーブしてくれたのはモハメッドさんの息子さん。中学生です。彼は家族の中で一番英語が話せます。なおこのあたりでは実質的な公用語はフランス語です。あとはベルベル語というアトラス山脈にもともと暮らしていた人たちが話す言語です。あまり聞いたことがない音感の言語です。

大きなのはボトルに入ったよく冷えた水です
超いい感じのシチュエーションじゃないですか、非日常ここに極まる
三角形の揚げ春巻きみたいなものとオリーブです
オリーブといちじく。白いのは激ウマの山羊のチーズです

山羊のチーズはフィラデルフィアクリームチーズを濃厚にして酸味を抜いたとでも言えばいいでしょうか。確かにチーズなんだけど未体験の味でした。

焼き立てのパン
視界はこんな景色です
最初はスープから。何のスープかわからないですけどパンプキンじゃなくて豆系だと思います

スープというものは本当のその地域性が出ますよね。私は世界中どこに行っても必ず地物のスープを頼みます。スープのような日常的なものにこそ、はっきりと地域の食や食材、暮らしが透けて見えるからです。日本で言えば味噌汁は地域性がめっちゃ出るじゃないですか。

三角春巻き。中は野菜です
ビールをおかわりしたらフィリピンのサンミゲールが出てきました

メインはもちろんタジンです。タジンについてはちょっと誤解があるかもしれません。タジン鍋というのは蓋が円錐形に尖った土鍋のことで、料理を示すものではありません。

料理はというとタジンといいます。タジン鍋で作る料理がタジンまたはタジン料理というわけです。

タジンは野菜とチキンなどをごく少量の水で時間をかけて蒸し焼きにするものです。野菜だけでもいいです。水分が円錐形の蓋についてまた鍋に落ちるのを繰り返すことで、貴重な水を少しだけで調理するのです。

味付けはいろいろありますが、甘辛いものが多く、日本のすき焼きとか台湾の魯肉飯(ルーローハン)近いです。

付け合わせというか主食というかで、クスクスが提供されることが多いです。

初日のタジンは牛肉のタジンでした。

これは牛肉のタジンです
黄金色は玉ねぎです。ということは、そうです牛丼です(爆
野菜は玉ねぎだけな気がします。ゆで卵がなんか妙に合います

モロッコ料理は軽井沢(正確には御代田)にあったカフェ・ドゥ・モロッコではじめてたいただいたのが10年くらい前です。あまりにも美味しすぎてかなり衝撃を受けました。お店は女性のオーナーさんでしたが、モロッコが好きすぎてとうとう移住されたので、惜しまれながら閉店しちゃいました。

もう一軒は三軒茶屋のダール ロワゾーさん。ここもかなり本格的なモロッコ料理を出します。

最後のおすすめは西荻窪のtamtamです。ここはちょっと日本的なアレンジが入っています。

ということが今回のモロッコ現地の滞在でわかりました。

デザートはマスカットとリンゴです
モロッカンティーをいっぱいいただいました
食後の屋上


この頃には風も止んで、本当に何の音も聞こえません。時々コオロギみたいな虫の音が聴こえますが、合唱にはならず、一匹だけの独唱でした。

ここまで音がしない環境というのは、なかなか体験できません。無響室には何回か入ったことがありますは、ここも風がないと本当に何も聴こえないのです。

気が付くともう9時です。zzz…




朝です。

美しい

朝ごはんは部屋の前でいただきます。

シンプルだけどなんか豪華
自家製と思われるジャム類も美味しい
モロッコ柄?の皿がとてもいいです
山羊のチーズはやっぱり最高

食事というのは環境と器で印象がまるで変わるという典型例です。どれもなんということはないものなのですが、圧倒的に心豊かに美味しくいただきました。

このnoteでもよく例えに出しますが、エコノミークラスの食事を器を変えてワンプレートではなく都度サーブしただけでいきなりビジネスクラスです。



では2日目もあっという間にもうモロッコ最後晩餐、夕餉です。この日は陽が落ちても風が強かったので、室内でいただきました。

テーブルセット
今日のビールはFLAG SPACIALEというモロッコビール

ワインは置いてないんですよ。まあ仕方がない。そこで今日もビールをお願いするとこれが出てきました。モロッコビールです。IPA系でした。

更におかわりしようとしたら、これで宿にあるアルコールを全部飲みきったようで、申し訳ないですと謝れらちゃいました。いやいやすみませんはこっちのセリフです。でもまあ2日間でビール3本しか飲んでないけど、ここはどこかという話です。

この小さなじゃがいもの煮付け?みたいなのが不思議な味でした 上手く説明できませんが、ピクルスみたいな感じ、かな。中国東北料理にありそうです
誰もお客はいないので、ダイニングスペースを独り占めです
今日のスープは緑色。枝豆みたいな味ですが多分そうじゃない、と思いますがわかんない
今日のタジンはチキンです

チキンとレーズンとザクロという、全く未知の取り合わせです。毎日食べたいとは思いませんが、未知の味を体験するのは本当に楽しい。何でこうなるのかを考えちゃいました。どんな味かを説明するなら、物凄く甘い味付けの肉じゃがをチキンで作った感じ。

こういうの体験するのはほんと楽しい。

黒いのはレーズンです。レーズンを食事に入れるのは基本好きではないのですが、これは美味しかった。あとザクロですね
タジン鍋デザインのこれが気になっったので
調味料入れでした

シメは

モロッカンティー!
まあるくカットされたメロン

私スイカとメロンと柿は食べられないのですが、これは食べちゃいました。

オーナーのモハメッドさんによると、私が日本人で2人目の宿泊客じゃないかとのことでした。

食事のバリエーションはそんなにないと思うので、2泊がベストかなと思います。これを1日1万円くらいで体験できるなら安いもんです。

忘れられない滞在になりました。

今回の渡航はこちらにまとめページがあります。


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