電車に忘れた鞄を1時間後に自分で確保できた話と紛失防止タグについて
先日、JR横須賀線を鎌倉駅で下車してから網棚に鞄を忘れたことに気がつきました。すぐに駅員さんに連絡して「捜索」をお願いしましたが、「逗子、横須賀、久里浜駅の全て、対応できる人員がいないので車内捜査(遺失物操操作)ができない」とのこと。さあ、詰みました。
駅員さん曰く、「この車両は久里浜行きで、前4両は逗子駅で切り離されて一旦車庫に入ります。乗車された6号車はそのまま終点の久里浜駅まで行き、20時09分発の君津行きとして折り返し運転されます。この電車は20時37分に鎌倉駅に到着しますので、そこで網棚を確認していただくと見つかる可能性が高いです。もしも無かった場合は、届けられている可能性がありますが、20時以降は忘れ物の確認をすることができないので、明日以降にこちらに電話をしてください。」ということで電話番号が書かれたメモをいただきました。
さらに駅員さんは、「この時間でこの状況ですと、経験的にそのまま残った状態で鎌倉に到着するのではないかと思います。」とのことでした。
乗車したドア位置は常に記憶するようにしてるので、このまま鎌倉で折返しを待ち受けるよりも、少しでも放置される時間を短くするべくどこかの駅まで行って、折り返してきた車両を待ち受けた方がいいと判断しました。幸いなことに、いまはJR東日本アプリで、列車の位置情報がほぼリアルタイムでわかります。20時09分久里浜発の列車は20時19分に横須賀駅に到着することがわかったので、現在いる鎌倉駅から横須賀駅までは、20時09分横須賀着の下り列車があることがわかりました。この方が37分に鎌倉で待つよりも18分放置される時間が短いからです。
列車位置情報を確認しつつ、ドキドキしながら横須賀駅で列車の到着を待ちます。そして入線してきた状況がこちらの動画です。
はい、無事に鞄の確保を完了できました。現金と財布、カード類が入っていたので本当に本当に良かったです。日本は安全だということもありますし、様々なIT技術のおかげです。
乗車した列車は新型車両であるE235だったのは覚えてたので、仮に見つからなかったとしても最後の砦として防犯カメラがあるなあとは思っていました。見つからなかった場合に、このケースでカメラの録画内容をチェックしてくれるかはわかりませんが、当該列車を待ちながらそこに望みは託せるかなあと考えていました。
そして今回の教訓です。
今回は鞄の中に入っている財布と名刺入れに装着していた紛失防止タグMAMORIOでは追跡ができませんでした。これはMAMORIOアプリをインストールしているスマホが近くにあった場合と、駅などに設置されたMAMORIOスポットと通信ができた場合にその位置が特定できます。今回は時間も遅く乗車人数も少なかったため、この仕組みでは追跡ができなかったものと思われます。同様の紛失防止タグにはAppleのAirTagがあり、こちらはBluetoothが有効なアップル製品を通信するので、特にiPhone率が高い日本においては有効かもしれません。
今回はスマホは手持ちしていて鞄には入っていなかったために、前述のことを確認できたので横須賀まで行くという行動を取ることができました。残念ながらMAMORIOでは補足できなかったわけですが、それはまあ致し方ないと言うべきでしょう。
そこで思ったのは、予備機として持っているもう1台のiPhone 6sを紛失防止タグの代わりに鞄に入れていれば、Appleの「探す」アプリで追跡できるのではないか考えました。
予備機はpovo(au)の契約なのですが、あくまでも予備機なので契約は有効ですが、普段はお金払ってないので通信も通話もできません。そこで試しに予備機のWiFiとBluetoothを切断し、povoの電波だけが受信できる状態にします。手持ちのMacもWiFiとBluetoothを切断して、有線でインターネットに接続した状態で、Macの「探す」アプリから予備機を探してみました。
するとこの状態であっても予備機のほぼ正確な位置を特定し、サウンドを鳴らすことができました。位置の特定は予備機のGPSで測位しているものと思われます。つまりキャリアの電波さえ掴めていれば、他のアップル製品の助けを借りること無く「常に単体で自己通信できるタグになる」ということです。知りませんでした、これはすごいです。
もう一つの視点です。あなたは網棚の上に見知らぬ鞄があった場合にはどうしますか?昨今の状況だと「不審な荷物を発見したら通報してください」みたいなことを車内でアナウンスしてます。もしそういう通報をしたら、結構な騒ぎになるかもしれません。中身は特定できて所有者である私に連絡が入り、結構叱られるかもしれませんし、ダイヤ乱れで膨大な数の人に迷惑をかけていたかもしれません。届けるにしても動かした瞬間に爆破するかもしれないと言われれは、それを全否定することは確かにできません。
僕なら、中身を確認して自分の都合の良い駅で駅員さんに託すと思います。もし今回誰かがそうしていたら、自分で発見することはできませんでした。手元に戻るのは翌日以降になります。忘れ物センターとかに行ってしまうとそこまでと受け取りに行く手間も発生します。ですけど誰かに持ち去られるよりは良い気もします。
結局1時間ほど鞄は一人旅をしたわけです。誰も気が付かなかったのか、面倒だったのか、危険だと思ったのかいろいろだったでしょう。これが空港とか、飛行機の中だったりすると大騒ぎになる可能性も否定できません。モバイルバテリー、お茶の入った開封されたペットボトル、ゴミ箱が見つけられずにカバンに入れたままのコカコーラの空き缶まで入っていましたから、見方によっては怪しい鞄です。
いずれにしても忘れ物や落とし物には気をつけないといけないと思った出来事です。
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