私の遠野物語
ジンギスカン、好きです。
私のジンギスカンのルーツは、名古屋の古出来町(こできまち)にあった八方(やかた)ジンギスカンというお店です。ここはタレが印象的で、すりおろした玉ねぎとにんにくがたっぷり入った、濃厚で少し酸味を感じる味でした。
八方ジンギスカンには中学生になるまでに数回行ったと思います。たしか大学に入って帰省したときに行ったのが最後でしょうか、1984、5年だと思います。八方寿司という寿司屋も兼営してたはずです。
それからしばらくジンギスカンから離れていました。そして2000年頃に札幌のすすきのの超有名店「だるま」さんに行くことになります。当時は本店しか無く、氷点下の寒い夜に1時間以上外で震えながら待ったことを覚えています。いまでは東京にもお店がありますね。
他には新橋の「金の羊」さんとか、中目黒の「まえだや」さんあたりには時々行きます。都内だけでも5、6店舗はあるだろう「松尾ジンギスカン」さんはあまり好みではないです。
そんなジンギスカン歴の私が、かなり衝撃を受けたお店が、大船の「ラムバレー」さんです。旧松竹映画撮影所、現在のイトーヨーカ堂の前にあります。
ラム肉の味をしっかり味わうのであれば、ラムバレーさんが一番だと思います。
ここのジンギスカンは遠野スタイルなんだそうです。遠野とは遠野物語で有名な岩手県の遠野です。
ラムバレーさんを知ったきっかけは、近所の串焼き屋さんのカウンターでたまたま並んで座ったお二人が、ここのオーナーさんたちだったのです。その時に遠野がジンギスカンで有名だということをはじめて知りました。なんでも羊毛のために羊を飼っていたところから食用にもしていったらしく、歴史的には昭和2、30年代の話と比較的最近のことみたいです。
ラムバレーさんのジンギスカンは、「だるま」や「やまえだや」のような濃厚でちょっと酸味もあるタレではなく、めんつゆみたいな、それもかなり甘いタレでいただきます。
事前にネットの情報でタレが甘いとか薄いという評価が多く、ちょっと心配でしたが、それは全くの杞憂でした。というか、これまで私が知っていたジンギスカンとは、ラム肉本来の味をタレで打ち消していたのではないかとさえ感じたのです。
ここのラムは遠野の業者さんから生のままで仕入れているらしく、それがうまさのポイントのようです。原産はオーストラリアやニュージーランドみたいです。
生ラム肉にはもちろん臭みなど皆無です。柔らかいです。そして香ばしくて甘いということを気が付かせてくれました。イベリコ豚みたいと言うか、どんぐりとか(食べたことないけ)カシューナッツのような味も感じられるのです。それをしっかりと味わうには、めんつゆみたいなサラサラで甘いタレの方が全然合うのです。
遠野には昔から行ってみたかったのです。その理由の一つままずこれ。1978年の楽曲です。
すごく不思議な世界観の楽曲ですね。
そしてもう一つ。こんな素敵なツアーがあったのです。
これは昨年12月に、めちゃくちゃ若くして旅立った塚田有那さんが企画したものです。行こうと思っていたけど叶わず。有那さんとは2年ほどイベント企でご一緒させてもらいました。
ジンギスカンのシメは盛岡冷麺です。
冷麺といえば焼き肉のシメだったりしますよね。私はウラジオストクにある北朝鮮国営の料理店2軒をはしごして、本物の平壌冷麺食べたくらいには冷麺好きです。
で、ここの冷麺もジンギスカンと同じようにめんつゆみたいな味です。そして麺がやっぱり香ばしい。いまこの記事を書きながら知ったのですが、盛岡冷麺の麺は、小麦粉にじゃがいものでん粉を混ぜて作るのだそうです。じゃがいもが3から7割。 なので香ばしい味になるのですね。一方の平壌冷麺は、小麦粉ではなく蕎麦粉なんだそうです。だから色が黒い。納得です。
来年、遠野に行くことにします。