鳥、鶏、とり、トリ、チキンにかしわ ✕ かつorカツ (杉並 高円寺)
うまい「とりかつ」専門店があるという話を聞きつけて、さっそく足を運んでみました。高円寺の「とりかつ たるたる 金いろ」さんです。
意外に難しかったんじゃないかと思うのがネーミングと表記方法です。要するにとんかつの鶏肉版なのですが、鶏肉に対してはとり、鳥、鶏、トリ、チキンがあり、関西圏では「かしわ」ということも多いです。それぞれに対してかつとカツの組み合わせがあります。
・鳥かつ
・鳥カツ
・鶏かつ
・鶏カツ
・トリかつ
・トリカツ
・とりカツ
・とりかつ
・チキンかつ
・チキンカツ
「鳥」ではニワトリだと限定できないので却下。「チキン」と表記するとフライドチキンとか、チキンナゲットとかイメージがそっちに引っ張られてしまう気がします。あくまでもカツレツなのです。
と書いてみると、カツレツとは何なのかという新たな疑問が湧いてきます。カツレツとは明治時代に日本に伝来したフランス料理のコートレット(côtelette、英語ではカットレット cutlet)を原型とする料理で、このカットレットが日本語になる時にカツレツになったのでしょう。そしてポークカツレツが豚カツ→とんかつになったわけです、多分。
外来語が起源だとすればカツレツが正解なのでしょうが、とんかつとしてすでに完全に日本語化していますから、ニワトリを表す単語と組み合わせて「◯◯かつ」がうやはり自然な流れのように思います。
となると候補は
・鶏かつ
・トリカツ
・とりかつ
の3つに絞り込まれます。
トリカツは食べ物っぽくありませんし、トリセツ(取説)に空目しそうですから却下。
いよいよ「鶏かつ」か「とりかつ」に絞り込まれました。鶏という画数の多い漢字との組み合わせを考えると、「かつ」がスカスカですから最終的に「とりかつ」にしました。
かどうかは全く知りません。
「かつや」には「タルタルチキンカツ」定食というメニューがあるそうです。
とんかつと牛かつの次にとりかつ。流れはいいですよね。ちょうど唐揚げブームが終焉を迎えようとしている今、そこまでのブームにはならないでしょうが、とりかつという差別化は、カツレツマーケットにそれなりのポジションを取ることができる気がします。牛かつだってとんかつに比べたらマーケットはほとんど無いようなもんですから、それなりに。
いつも思うのですが、全く未知の、未開拓のマーケットに参入するのは大変ですが、既存のマーケットの中で差別化ができれば案外簡単。ラーメンからつけ麺とか、喫茶店からドトール、スタバ、サードウェーブへとか。
そんなことはさておき、実食レポートです。とても美味しいです。注文が入ってから揚げるので若干時間はかかりますが、衣が超サクサクです。かつの上には山盛りのキャベツとタルタルソースが盛られます。たるたるは卵や玉ねぎなど固形分が大きく、しっかりした味です。私はマヨネーズは嫌いですけど、幸いマヨネーズ感はあまりないです。
今回はむね、ささみ、ももの3種セットにして食べ比べをしてみました。私はこの順で好みでした。むねが一番安いので、次回はむね肉をたっぷり堪能したいと思います。
とんかつ屋ルールに則ってなのでしょうか、キャベツとごはんはおかわり自由です。若い人にとっては嬉しすぎる対応ではないでしょうか。ごはんの炊き方も硬めで好みです。あと梅干しがすごく美味しかったです。
お店は3年半くらい前に開店したようです。
私の個人的リクエストは
・せっかくのサクサク感を損なわないように、たるたるは別盛りにしたい。だけどキャベツの山盛りとタルタルはこっちもセットでもあるので、であればかつの方を別盛にするのがいいと思います。今度行ったら頼んでみようと思います。
・たるたるすごく美味しいです。でも味変したくなるので、おろしポン酢とか別注できるようにしてもらえたら嬉しいです。
・味噌汁も悪くないですが、ここはやっぱり鶏ガラスープがいいなあ。これも追加料金対応でいいです。厨房スペースの関係でちゃんとしたスープを作ることができないのかな。
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