たぶん北極点が撮れた
北極点に行きました。
もちろん高度11,590メートルの機上からです。2022年9月の欧州出張の帰路に、ヘルシンキから成田までのフライトが北極上空を飛んだのです。航空機の上からなんだから意味ないと言われるかもしれませんけど、それでも北極は北極なのです。きっとめっちゃ寒いしめっちゃ遠いところです。極地だから地上を行けるわけがありませんが、たとえ上空であっても、ロシアのウクライナ侵攻によってたまたま北極上空を飛行機で飛ぶことができたわけでいす。
フィンエアーのAY073便は17時45分にヘルシンキを離陸し、まっすぐに向かって飛行します。この日のフライトは厳密にはちょっと北極点から外れてはいましたが、エアバスA350に搭載されているカメラの映像にはきっと北極点が写っているに違いないです。
夜間飛行であればオーロラも期待できそうですが、残念ながら今回はまだ全然陽が落ちていなくてオーロラは見えません。地軸はここから23度くらいずれているので磁石的は何も面白い動きはしませんけど、ここの鉛直線上には北極星が輝いているはずなのです。
エアバスA350やA380の多くの機体にはカメラが付いていて、座席の機内エンターテインメントシステム、InFlight Entertainment (IFE)を通じて座席のディスプレイでこのようなリアルタイムの生カメ映像を見ることができます。飛行中の機体の尾翼部分には人間は絶対に行けないので、この位置からの映像が私はとても好きです。
私は国際線のフライト、特に日本から欧米線のような場合に、機内で映画を見ることは滅多にありません。理由はひたすらシンプルで、なんでこんな小さな画面と劣悪な音で映画を見る必要があるのかと考えるからです。それは地上のちゃんとしたシステムや環境で見ればいいと思うからです。しかしこうしたカメラの映像は外では見られないから好きです。
北極点には目印の旗でも立ててあるといいのですがそんなものはなく、この日に白く見えるのは氷なのか雲なのかもよくわかりません。
と思ったら、過去に北極点にアート作品が作られたとか、もっと凄いのは今年2023年7月に日本人ガイドも同行する北極点ツアーが実施されるようです。北極点ツアーは調べると結構出てきて、比較的頻繁に催行されているようです。13から18泊くらいで450万円以上かかりますけど。
北極点に行った人にはこれまで会ったことはありませんが、南極に行った人とは何度もお会いしたことがあります。その方は南極観測隊に同行する料理人として、南極で隊員の食事を作っておられたそうです。そこでの経験はなかなか他では聞けないものばかりでした。
こうした特別な場所には、ユーラシア大陸最西端であるポルトガルのロカ岬にはなぜか2回行きました。他にはカリフォルニア半島の先端であるカボ・サン・ルーカスも。こうした端っこシリーズはこれくらいですが、なんとなくとく特別感はあります。
しばらくは日本と欧州の間を移動する際には、この北極ルートを飛ぶことも多いと思います。決して平和な状態ではありませんが、飛行する機会があればぜひ北極点を体験してみてください。執筆時点ですとフィンエアのヘルシンキ行きが羽田と成田から、ANAのフランクフルト行きとエールフランスのパリ行きが羽だから、それぞれ北極点付近を飛行します。これらの欧州行きは夜間飛行なのでオーロラが見られるかもしれません。