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利用者のスキルが試されるオンライン旅行予約サイト GOTOGATE

GOTOGATEという格安のオンライン旅行会社があります。日本ではとてもとても評判が悪いです。評判が悪いどころか国民生活センターや消費者庁から名指しでこそありませんが注意喚起が出ています。

おまけに2024年6月19日には個人情報の漏洩も報告されています。私の購入は8月5日ですので全く気にしていませんし、いまはむしろ安全。そもそもこうした情報漏洩を気にしているのであれば、オンラインでの決済やクレジットカードの保有自体をやめたほうがいいよ、と言う考え方です。

そんな悪評高いGOTOGATEの利用実績です。結果的には問題なく旅行できましたが、なかなかの出来事もあって、利用者側のスキルが試されるのは間違いないと思います。

悪評の原因については、正直に言って利用者側のスキルで回避できるのですけど、そういうことを求めるのは日本では全く一般的ではありませんし、日本の消費者はひたすら甘やかされているので、評価はクレームの嵐になるんでしょう。まあわかります。



GOTOGATEはスウェーデンの会社です。スカイスキャナーなどで運賃検索をすると、結構な確率で上位、すなわち最安値としてリストアップされます。

私は今回9月の欧州出張においてGOTOGATEを初めて利用しました。初めてだったことには特に理由はなく、料金と運賃とフライトの都合が今回においてはベストだと判断したからです。

今回起きた問題は、GOTOGATEで予約している帰路便の日付と、実際のエアラインの予約日が1日ずれていたのです。帰国便が9月17日で予約したものが実際には9月16日でエアラインに予約されていました。

ということは、このまま知らないでいると、帰国時に無邪気に空港のチェックインカウンターに行くとで「あー、これは昨日の便ですね。改めてチケットを買ってください」ということになったはずです。そうなると払い戻しなどで必ず揉めます

予想通りなかなか波乱の予感です。では事実関係とGOTOGATEとのやりとりを記録しておきます。

元々の復路のフライトは
9月17日 アムステルダム→北京大興
9月18日 北京大興→東京羽田
の中国南方航空の往復チケットです。なぜ日付違いに気がついたかと言うと、たいてい出発数日前に、エアラインのサイトやアプリで変更が出ていないかを確認するようにしているからです。今回も気がついたのは出発の3日前です。

まず最初に中国南方航空に電話して状況を確認したところ、やはり予約は17日ではなく16日発になっていました。私も同じデータ(WEB)を見ているだろうからまあ当然です。なお中国南方航空のコールセンターはなかなか電話繋がらないようですが、大阪支店(06-6448-6655)は一発でつながって日本語で話せます。そしてめちゃ丁寧な対応です。

GOTOGATE(エアラインではなく)から来ていた予約確認書はちゃんと17日になっていました。いまどきエアラインに予約データを渡すのは口頭や紙やFAXではないわけで、もちろんデジタルデータで送られますから、ここで日付間違いが起きるということは考えられないわけです。

予約はGOTOGATEから入っているので、エアライン側では変更はできないのでGOTOGATEに連絡してくださいと。はい、わかっていますがまずは予約日を確認するためです。この時点で中国南方航空にクレーム言う人がいそうですが、商流的にも契約的にこの対応は正しいです。

そこでGOTOGATE(東京03-4578-2150)に電話します。これも意外にも一発でかかり中国人の人ですが日本語で対応です。しかし、いま彼らのシステムがダウンしてるとのことで私の予約確認ができないとのこと。ちょいと怪しいけどまあ信じておきました。とっても丁寧な対応です。そして1時間ほどしてもう一度電話しました。

すると、17日のアムステルダム→北京のフライトがキャンセルになり、16日に変更になったとのことです。問題なのは私はそんな連絡は受けていないという認識です。

ところが先方はメールで連絡をしているというのですね。それで今一度メールを確認したらですね、確かに最初に予約した4日後にメールが来ていました。しかし、そのメールはタイトルにも本文にも、便の変更の件は一切書かれていません。それどころかメールタイトルにも本文にも、こうして元々の便の情報がそのまま記載されています。

全く同じタイトルと本文のメールが2回届いた

ところがところが、ところがですよ、メールの最後にある「予約の表示」というリンクをクリックすると、フライトが変更された情報が書かれたページが表示されるのですよ。

帰路の17日が16日に変更されてる!

いやあ、ここは普通クリックしないですよ。だって同じメールが2回来たようにしか見えないから。単に同じメールがシステムエラーで2回来たのかくらいにしか思わないです。これは普通気が付きませんね。さすがGOTOGATE、なかなか手強いじゃないですか。

17日が1日早い16日に変更になったとしても、アムステルダム発が20時40分発なので実はさほど被害はないです。というか最初の予定に1日余裕があったわけです。予約していた宿を1日短縮できるかどうかと、市内で美味しいアルゼンチンステーキをがっつり食べられないかも(結局食べるんですけどね)、くらいです。

なお、フライトキャンセル自体はエアラインのサイトで確認したところ本当でした。ここも「GOTOGATEが勝手に変更した」とか言われそうです。

今回のフライトはアムステルダムから北京(エアライン手配のトランジットホテル1泊)経由で羽田なのですね。そのためアムステルダムから北京までが1日早くなると、北京から羽田も同様に1日早くしないと、北京で2泊することになってしまいます。

この時点で北京から羽田は最初の日付のままで予約が入っていたので、1日早くしてもらうようにGOTOGATEのコールセンターの人に口頭でお願いしました。それは可能だと思うのという回答で、4、5時間で新しい旅程が航空会社側にも反映されるとのことでした。まあここも日本的にはGOTOGATEがちゃんと伝えるべきだとなるでしょうね。日本の消費者は本当に甘やかされているんです。

またその際に、「航空券番号が全部変わります」という一言がありました。ここも重要で、ということは、座席が変わるという説明こそありませんでしたが、いまある座席指定情報も全部消えるはずです。

そして3時間後くらいには航空会社のWEBでもちゃんと新しい旅程が確認できました。案の定、座席指定は全部消ていたので、全部取り直しました。

こういうところがGOTOGATEは誰でも使えるOTAではないところですね。これ、人によっては「勝手にフライト変更されていた炎上案件」ということになるわけですよ。2回目のメールに気が付かないのは十分ありえますからね。私がたまたまチェックをする習慣がついているだけです。

でも8.3万という他の3分の1くらいの料金には変えられないし、なんだかんだ言ってこういうトラブル自体がワクワクして楽しいのです。リアル脱出ゲームみたいで、リアルに問題を解決していくのが私は快感です。

なおこの座席指定も実は無料で中国南方航空のWEBでできるんですけど、GOTOGATEでは1.5万くらいの追加で座席指定しませんかとオンライン予約時にオファーがあります。有料で代行するよって意味だと思います。これも詐欺だと言われそうです。

自分でやればタダだけど、人に頼むとそうではない、ということは世の中いくらでもあります。、むしろ世の中の仕事ってほぼ全部そういうことです。

ということで、結果的にはフライトスケジュールは変更になったけど問題なく手配され、フライト自体も極めて快適で、めでたしめでたしというお話です。

社会や環境や常識というものは、国や地域によって異なるというだけのことです。GOTOGATEを使いこなせないのが悪いとまでは言いませんが、日本人的感覚でGOTOGATEに接すると、痛い目に遭うこともあるかもしれませんということです。その証拠に、GOTOGATEは欧州ではナンバーワンに近い評価を得ていますから。

これを見て「私には無理」と思う方と、「そういうことなら大丈夫第かも」と言う方の両方がいらっしゃると思います。大事なことは、違いがあることを知っておきましょう、ということかと思います。そして知っていた方がお安く旅ができることもありますよということです。それは旅に限らず、全てそうです、きっと。

最後にGOTOGATEで予約する際に、トラブルになりやすそうな項目というか危険な条件を並べておきます。

・予約が1つではなく2つ以上になっている予約
予約というのはフライトの数ではなく発券上の航空券番号の数のことです
・複数の航空会社にまたがる予約
・乗り継ぎ時間がギリギリで設定されている予約
・LCCを含む予約
・遅延やキャンセルが頻発するエアラインや便や空港を使う予約

これらが全部だめというわけではありませんが、これらに該当するとトラブルのリスクは確実に上がります。過去の遅延に関しては、FlightAwareで便名を入れて検索すると、その便のある程度の遅延傾向がわかります。

今回の渡航はこちらにまとめページがあります。



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