八重山の島材でオーダーした皿 (石垣島 うえざと木工 KATARIGI)
「失効マイル消化の旅」でたまたま手にしたJTAの機内誌で、私は一目惚れをしました。その作品にすっかり魅せられてしまい、急遽帰路で石垣島に立ち寄る時間を長く取って、うえざと木工さんのKATARIGI工房に行きました。
羽田から石垣島までは、家人の失効直前のマイレージを使った特典航空券の直行便フライトです。最終目的地は小浜島だったので、今回、石垣島はほぼノーマークでした。
さてさて、機内誌で一目惚れしたのはこちらの「Kai(櫃)」です。はい、皿じゃないんですよ。このコンセプトプロダクト001が放つ強烈な何かを感じてしまったのです。これは見に行かなければいかない、自分の手で感触を確かめたいと強く感じたのです。
KATARIGIは「語り木」でもあるそうです。そしてこのkaiについては、WEBサイトにはこう書かれています。
そうなんですそうなんです、そうなんですよ。荒々しいんですよ。なんだけどそれは戦闘的なものでは全くなくて、自然の強さ、荒々しさ、そして優しさのように私には感じられたんです。実際に工房で現物を目にした時、自分の直感は正しかったと思いました。
この櫃(ひつ)には何を収めるべきなのだろうかと考えました。大きさは50センチの立方体に近いです。比率はわかりませんが、もちろん立方体ではありません。
私は「記憶」だろうと思いました。現実的にはそれは「写真」だろうと思います。一人一人の人生を10枚くらいピックアップした写真を、何世代も収めておく。そんなことができたならなんて素敵だろうなと思いました。それがあればお墓も仏壇も位牌もなんにもいらないです。
はい、では話を皿に戻しますね。
現地でオーダーした丸皿が先日届きました。30センチが良かったのですがこれは25センチです。わずか5センチの違いで値段がかなり変わるんですよ。赤い方がテリハボク(照葉木)、地元名はヤラブです。黄色い方はリュウキュウマツです。この大きさの島材の原木は現在ではたいへん希少になっているようです。
オーダーについては、丸皿と角皿、サイズ、そして利用する島材を選択できます。これまでうちにはどういうわけだかナイフフォークを使えるような、縁が高く上がっていない皿がなかったので、焼きそばとか生姜焼きみたいなもので毎日使えるようなものが欲しかったんです。なので丸皿一択です。
あとはうちは最近やちむんだらけになっているので、焼きものではない器が欲しかったのもあります。
使う島材は2枚のコンビネーションを前提として、工房にあるサンプルを比較しながら職人さんと相談して決めました。2枚セットだとなかなかいいバランスだと自画自賛しています。
KATARIGI工房はこんな外観です。
1枚の板材から削り出しで皿にしています。裏面はこんな感じです。
リュウキュウマツというのは、見た目はほぼ普通に松の木なのですね。なんでも近年は内地と同じように松枯れ病どによってかなり希少な島材になっているみたいです。
もう一つの赤い方はヤラブです。こちらは希少性はそんなでもないです。ただ25センチの皿を削り出すためには、それなりに大く成長している古木である必要があります。
KATARIGI工房では、他にもいろいろな島材を扱っています。
これはシーサーに見えますがそうではありません。「阿吽の麒麟」がデザインされたKATARIGIのマークのレーザー刻印?です。
皿の景色(木目)はもちろん唯一無二です。現地で加工する材木を見せてくれないかとお願いしたのですが、いつ入荷するか、どの材を使うかは今はわからないとのことでした。博打みたいなものです。しかし届いた2枚の皿の景色は、期待以上に素晴らしくて深遠なものに私には見えます。吸い込まれます。おそらく1時間以上も相談していためんどくさい客だったので、景色と組み合わせを吟味していただいたことを大変感謝をしています。2枚を組み合わせるとさらに魅力が増します。
「飾りじゃないのよお皿は」ということで、カレーライスでもそうめんでもサラダでも・・・・大切に大切に普段遣いします。さすがにナイフを使うと傷が付きそうですが、そうなったとしてもそれも味、ということでしょう。
うえざと木工さんのホームページ
ブランドサイト KATARIGI はこちらです