アートフェア東京2024のVIPに選ばれたので行ってみた
3月某日、一通のメールが届いた。
推薦してくれたギャラリーだが、一度しか購入したことがない。しかも価格も推薦されるくらいの価格ではないと思う。なんでェ?
日本最大のアートフェアである、アートフェア東京のVIPパスはコレクターなら皆欲しいものだと思う。特典としては美術館無料やラウンジ使い放題、アートフェア入場料(5000円)無料、なんといってもプライベートビューに参加できるため、いち早く作品の購入権が与えられる。
実際、VIPパスはオークションで6万で取引されていたこともあるようだ。正直…6万かパスかと選べるなら前者を取ってしまうだろう。今まで2回行ったが、最初(大学生)はほとんどのギャラリーに相手にしてもらえず、2回目(26歳)は一部無視されたし。しかし、せっかく推薦していただいたので体験したい。
まず、どのような作品があるか、可能な限りアートフェア東京のHPのARTWORKSで調べた。しかしまだあんまり掲載されていない…。ある程度目星をつけて、また当日確認することにした。
いざアートフェア東京へ出陣!
ということで、プライベートビューに参加した。
電車でARTWORKSを確認し、準備万全の状態で30分前から並んだ。しかし、前にはすでに23人の猛者がいた。ふーん、やるじゃん!
その後扉毎に待機列が変わった。後ろのご年配の二人が私のパーソナルスペースを侵食するくらい迫ってくる。嫌なので前に出ても詰めてくる。挙句の果てには横に同列に出てきた。その間も投資でいくら儲かったなど、具体的に金額を交えて金自慢を二人でしていた。
体感だがVIPの9割が5,60代以上の男性だった。パブリックビューの時はカップルなどもいたり制服できてる人もいたが、見渡す限り男性である。圧迫感がある。見た感じ20代女性は私だけだろう。紳士はいないのか紳士は。あぁ…嫌な世界だな…。正直イラッと来るぜ!だったがこういう人たちがアートのリセールの価値を決めていると思うので、我慢しよう。若手を買ってくれる人かはわからんが…。
購入した作品について
愚痴ってばかりで申し訳ない。気を取り直して一番最初に目をつけていたギャルリーためながに向かった。
元々は同作家のアジサイの絵を狙っていたが、当日更新された画像で圧倒的なものを感じた。
実際見て更に素晴らしい。ただ、落合陽一の作品を買ったばかりであり、冬期ボーナスは使い切ってしまった。でも欲しいじゃないですか。次あった時は買えない値段になってしまうと思うし、作家の中でも圧倒的にヤマユリが好きだったので、もう出会えないだろうと思い、商談中にしてアートフェアを周りながら検討していた。そして2時間後購入した。夏季ボーナスは死んだが、とても良い作品が買えて満足である。
また、この作品の良いところの一つで、アートに興味がない方もいいね!と言ってくれるところである。前回も書いたがアート好きでない人の大多数が良いと言ってくれると価値が出やすくなる。まあ欲しい人がいても破産するまで譲らないが。
気になったアーティスト
素晴らしいアーティストが多かったので画像を共有させてもらう。
他に気になったアーティストは
・横澤美由紀
・田中秀介
・大西芽布
・佐藤健太郎
・小原若菜
・米澤柊
である。すでに売れ始めている作家もいる。今後が楽しみですね。
様々なギャラリーについて
金額が大きいものを売るため、ギャラリーの対応も様々である。プライベートビューということもあり、ほぼ大学生にしか見えないだろう私(27)でも割と対応してくれた。しかし、やはり一億くらいの作品を売るプライマリーやセカンダリーは目を合わせようともしなかった。もうこれはさすがに仕方がない。
逆に若いから喜んで名刺を渡してくれるギャラリーもいた。「MORI YU GALLERY」である。別の界隈でおなじみの東京ドームシティとかで立体がある黒田アキや藤浩志の話をしたら良く知ってたからと社長が凄い喜んでくれた。私が購入できそうな値段ではないはずだが…こういう経験は初めてだったため興味深かった。アートで仕事をしてる人は根本みんなアートが好きなはずである。このようなギャラリーが増えてほしい。
また、恵比寿のNADiffにある「MEM」にも挨拶をさせてもらった。ここのギャラリーは理論的に絵を紹介してくれる、本当に素晴らしいギャラリーの一つである。私もそうなりたい。若者のアート購入に関しても、 期待の星だと激励を頂いた。布教したり破産しない程度購入したりと頑張りたい。
もちろん購入したギャルリーためながの方もとても誠意を持って接してくださった。木下さんの作品はすぐに売れるだろうが、私が購入するとのことでとても喜んでもいただいた。
また、ラウンジも無料開放なので行ってみたが、まぁギラギラしている社長っぽい感じの人が多い。居心地が悪すぎる。確かに気持ちを損ねるとアートフェアに来なくなる可能性もある人が多いからな…。ここに金を使うならもう少し若者に買ってもらえるような工夫をしてくれないかなとは思うけども…。
おわりに
後ろに並んでいた二人組が「毎年文化祭レベルだ」と話していた。全ては否定はしないが、必死になって頑張っているアーティストやそれを支えるギャラリーがいることを忘れないでいただきたい。
金を持っていることを誇示し気持ち良くなりたいだけの人や100%転売目的の人ではなく、一人でもアートに関わる方々に敬意を持ったコレクターが増えることを願う。
3/11追記
上記noteを含めて、数人に「アートを買ってみたい!」と話していただいた。コレクター冥利につきる。金持ちでもアーティストでもないが、このような形で若手アーティストたちの応援ができたら、これ以上に嬉しいことはない。
↓東京現代についても記述したのでよかったらどうぞ↓