
働きながら学ぶ「共創型生涯学習社会」へ
これからの社会を生きるための「共創型生涯学習社会」
「働くこと」「学ぶこと」「まちを創ること」――これらは本来、一つの流れの中にあるはずです。しかし、現代の社会では、仕事と学びが分断され、学校は“学びの場”でありながら、社会との接点を持たないまま卒業し、いきなり「就職」という大きな選択を迫られるケースがほとんどです。しかし、これからの社会では、自己実現のために就職し、仕事をしながら学び続けることが当たり前になっていくでしょう。
会社は「自分の夢を叶えるための船」
かつて就職とは、「安定を得るための手段」でした。しかし、今では、「自分の夢を叶えるための場所」を選ぶ時代になりつつあります。企業は、働く人にとって「理念に共感し、成長できるコミュニティ」となり、そこで経験を積みながら、新たな価値を生み出すことが求められています。
ワンピースのルフィたちが自分の夢を叶えるために仲間を集め、旅をするように、私たちも自分の価値観に合った「船(会社)」を選びながら進んでいく。もしも、その理念にズレを感じたら、新たな船に乗り換えることもできる。つまり、「働くこと」は「自分が生きる目的を実現しやすい環境に身を置くこと」であり、就職とは「その時点で最適な環境を選ぶ」ことでしかないのです。
「体験」こそが学びの本質
学校での学びは、これからますます「総合的な学習」や「探究学習」を中心にすべきです。単なる知識の詰め込みではなく、実社会に触れ、学びを実践することこそが、これからの社会に必要なスキルを育むからです。
たとえば、高校生が地域企業のプロジェクトに参画し、マーケティングや商品開発を体験する。中学生が工場を見学するだけでなく、生産工程を考え、改善提案をするプログラムに参加する。そんな「リアルな学び」が増えれば、地域の子どもたちは「このまちで働きたい」「この企業で挑戦したい」と思えるようになるかもしれません。
そして、大人にとっても学びの実践がそのまま社会の変化を生むことがあります。新しいことを学んで、試して、うまくいけば「これは役に立つ!」と実感し、もし失敗しても「じゃあ次はこうしてみよう」とまた学び直す。そんな学びの連鎖が生まれたら、ワクワクしませんか?
形骸化したコミュニティスクールを打破する
「地域と学校がつながる」と言われるコミュニティスクール制度。しかし、実態としては形骸化しているケースも少なくありません。単なる名ばかりの「地域連携」ではなく、企業が学びのパートナーとなり、教育と社会をつなぐ役割を果たすことで、より実のある学びが生まれます。
たとえば、企業と学校がコラボして、地域をテーマにした実践プロジェクトを行うことで、学びがそのまま地域の課題解決につながる。そんな仕組みができれば、教育と地域の関係はもっと面白くなるはずです。
働きながら学ぶ「共創型生涯学習社会」へ
企業と生涯学習を結びつけることは、企業側にとっても大きなメリットがあります。地域に根ざした企業が人材育成を担い、行政がその取り組みを支援することで、まち全体の活性化につながる。さらに、そこで育った若者が地元に定着し、地域経済の発展にも貢献していく。まさに、「共創型生涯学習社会」の形が見えてきます。
大人も子どもも、みんなでまちづくりをしていく。自分の夢と合致する会社やコミュニティを選び、その理念に参画しながら自己実現を図る。そして、働きながら学び続け、また自分をアップデートしていく。もし会社の理念が自分とズレを感じたら、新しい理念のコミュニティへ移り、自分が輝ける場所を見つける。そんな「学びながら働き続ける社会」を作っていきたい。
だからこそ、学校はその実験場であればいい。企業の側からも、学校の側からも新しい学びの形を創り出す。企業と教育が手を取り合い、まちと共に学び、成長し続ける。そんな未来が実現できたら、最高じゃないですか?
生涯学習は、教室の中だけのものじゃない。企業や地域とつながることで、まちが育ち、学ぶ人も成長し、結果として社会がより豊かになっていく。そんな未来、一緒に創っていきませんか?