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今日も、0歳の娘と朝5時から散歩に行く
11か月の娘の朝は早い。毎日4時には起きる。
妻は慢性的に寝不足だ。そこで少しでも睡眠時間を確保してもらうため、5時から娘と二人で散歩に行くことにした。
出かける前に、娘用の水を用意する。まだコップからうまく飲めないので、ストローが付いたものだ。
玄関を出て、車庫に行く。娘を片手で抱っこしながらベビーカーを出す。娘は乗る気満々で身を傾ける。ベルトをパチンと留め出発する。
家から出て、徒歩一分でこんな場所に出る。
朝日に照らされた稲が輝いている。鳥のさえずり。水路の水が流れる音。カエルの鳴き声。耳を澄ませるとコオロギも鳴いている。とてもたくさんの種類の音だ。そんな音と、光と、澄んだ空気に包まれる感覚をしばらく味わう。
娘は、ベビーカーに乗りながら足をぶらぶらさせている。ご機嫌な証拠だ。最近何かを見つけると、「うー!」と言って、指を指すようになった。花や、鳥、ゆらゆら揺れる植物によく反応している。その都度、名前を教えてあげる。カラスさんだね。アサガオだね。触らせてあげられるものは、できるだけ触らせてあげる。
5時台なのに散歩をしている人は多い。多くが中高年の方だ。一人で散歩をしている人、犬と一緒の人、散歩仲間と一緒の人。
先日、60代の女性2人に声をかけられた。
「あらー、かわいい。さわってもいい?」
娘の足を触る。
「きゃー、ぷにぷに!つるつる!」
娘が泣き出す。
「あらー、ごめんね!もう行くね!」
いいんですよ。人見知りなんです。
2人は足早に去って行った。娘は泣き止まないので、抱っこをする。片手でベビーカーを引く。10歩ほど歩くと、「うー!」と言って、娘が何かを指さしている。もう機嫌が直ったようだ。切り替えの早さに感心する。
田んぼの間の道を歩いていると、いろいろな生き物が死んでいる。カメ、ヘビ、ザリガニ、バッタ。車にひかれるのだろう。カメは、ひかれてからも少し生きていたらしく、血を流しながら歩いた跡が残っていた。ほかにもこんな生き物がいた。
ウシガエルである。この太ももの大きさを見ると、食用で持ち込まれたことも納得できる。これだけの大きさになるのにどれだけの生き物を食べてきたのだろう。母ガエルが生んだ大量の卵から生き残るまでの確率はどれくらいだろう。
不思議な光景を見た。サギが集まっている。この光景は、前にも見た。同じ田んぼに集まっているので、不思議に感じた。おそらく、エサとなる生き物が多くいるのであろう。この辺りは知り合いの農家さんの田んぼである。薬を一切使っていないことも関係しているのであろうか。
娘の様子や、天候により、散歩の時間は変わる。だいたい40分~1時間分くらいは歩く。
先日、家の前に着いたのだが、もう少し歩きたいと思い、通り過ぎようとしたら、「うー!」と娘が家の方を指す。身体も傾け、全力で帰りたいと表現している。散歩は好きだが、限度はあるのだ。
今日は、家を出て10分で帰ってきた。雨が降ってきたからだ。ベビーカーには、伸縮式の屋根がついているので、それを伸ばしてみた。でも娘は、頭の上がおおわれていることが気に食わないらしく、頭を外に付き出してしまった。ベビーカーに傘がつけられる仕組みが欲しい。
寝坊をして出発が遅れることもある。30分の違いは大きい。気温が高くなっているのを感じる。すれ違う人が違う。朝日の光や、空気の感じも違う。30分の間に世界はがらっと変わる。
たまに4歳の息子も一緒に行くこともある。息子はお気に入りのストライダーを自分で車庫から引っ張り出し、乗る。
最近はもっぱら生き物に夢中だ。水路をのぞき込み、探す。ヤゴを取ってみたい。この鳴き声はなに?このバッタはなに?サギは何を食べているの?
こんな時、自然ガイドをやっていてよかったなと思う。このような質問に答えることができるから。
田んぼは、米を生産する場所だけではない。景色は人に癒しを与え、多様な生き物を育み、子どもたちにさまざまな刺激を与えてくれる。
これからもこの環境がありづつけるにはどんなことができるのか。僕は地域の農家さんと生活者をつなぐ農業体験という形でこれからも貢献していきたい。