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【書評Unlimited】「生き残る技術(野村克也著)」に学ぶ弱者が強者に勝つ方法

このシリーズは、Amazon Kindleのサービス「Kindle Unlimited」でコスト0円で読める電子書籍のレビュー記事を集めたものです。1日でサラッと読み飛ばした本をネタにこれまたサクッと筆を滑らせておりますので食い足りないところもございましょうが、お気に召しましたら幸いです。

前々からずっと温めていた企画をやっと始めることになりました。ていうか温める余裕があるぐらいなら、さっさと書けよって感じ。すみません、とっかかりが遅くて。

今回ご紹介するのは、2020年2月にお亡くなりになった野球界の大監督にして「ひっそり咲く月見草」の野村克也さんの著書です。

ここんところずっとノムさんの著書にはまっておりまして、立て続けに2日で二冊一気に読んだところ。その前には落合監督にまつわるノンフィクションストーリー「嫌われた監督」なんかも読んでいますが。

このような人にささるかも

この記事は次のような方々に向けて発信しています。
・人に誇れる実績や学歴を持たず自分に自信が持てない
・仕事の失敗が続いて「自分は評価されないかも」と思っている
・人生をよくするための新たな一歩を踏み出すのに迷っている

あらすじ

少年時代から鍛錬に鍛錬を重ねた野球選手のトップが行き着くところ、それがプロ野球。そうした超エリートがしのぎを削る野球界で、王や長島の影に隠れながら自らを凡才と自覚して必死の努力と冷静な判断、データを元にしたバッターやピッチャーの攻略法で野球人生を全うした野村さんが語る「弱者が生き残る技術」とは。

本の大まかな内容

貧しく恵まれない環境から数々の賞を総なめにする大選手にしてプレイングマネージャー・監督・野球評論家として成功した野村元監督。

テスト生からプロ野球入りし、特別恵まれた野球の才能もないなかでどうやって40歳代まで第一線で活躍することができたのか。

その秘訣を「生き残るという意味」「生き残れた理由」「生き残るための自己管理」など、さまざまな方向から長く野球を続けられた秘密を紐解いていきます。

目次
はじめに
第一章 「生き残る」ことの意味
第二章 私が生き残れた理由
第三章 生き残るための進化
第四章 結果を出し続けるための条件
第五章 生き残るための自己管理術
おわりに

「生き残る意味とは?」を常に問い続ける

野村さんは華々しい記録を数多く受賞してはいるものの、決して恵まれた環境で野球を学んできたわけではありませんでした。

プロ野球選手といえば、小学生の頃からリトルリーグや「野球留学」で他都府県の強豪校に入学し、ひたすら野球の技術を磨いてきた「エリート中のエリート」が集まるところです。

一方で野村さんは京都の田舎に生まれ、極貧の中で育ちテスト生として「かろうじて野球界にもぐりこんだ」苦労人です。

そうした選手がプロ野球の一軍の選手としてレギュラーになれたのは、そうしたエリートの中で日々対戦相手の心理を読み対策を立て続けた努力の成果なのです。

プロ入り3年目に私は一軍に定着したものの、チームメイトと比べれば技量も体力も明らかに劣っていた。”技体”をカバーするには誰よりも考えてプレーするしかなく、私は対戦するピッチャーンの球種や配球を自分なりに読みながら、ある種ヤマを張るやり方でバッティングに臨んでいた。

野村克也「生き残る技術」より

私がキャッチャーで首位打者を獲ったり、ホームラン王になったり、三冠王に輝いたりしたのは、いずれも若い時代に磨いた配球を読む力と癖を見抜く力のおかげである。

野村克也「生き残る技術」より

コロナ時代を前に世を去った野村氏から学ぶこと

野村氏は選手およびプレイングマネージャーとして26年、ヤクルト・阪神・楽天の監督として16年、プロ野球の最前線に立っていました。

Wikipediaなどを覗いて見ると沙知代夫人が原因となった南海ホークス球団側との確執などがあり、いわゆる「野球界の偉人」といったイメージにはあてはまりません。

しかし、母子家庭の貧しい生まれから自らの努力によってはいあがり、最後にはその一挙手一投足や言動が常に注目される人物になったのは事実です。

そうしたいわゆる「弱者」が「強者」をどのようにして倒すのかを考え続けた野村監督が、弱肉強食の勝負の世界で生き残るために本書で示した「プロ野球で生き残るための15か条」を示している。

そのなかで、私たち一般の市民にも生かせる項目を5つ抜き出してみました。

第7条 状況の変化に対し、鋭い観察力、対応力を持っていること
第11条 鋭い勘を日頃から鍛えておく
第12条 常に最悪を想定して対策を練り、備えておく
第14条 時期(そのタイミング)にやるべきことを心得ている
第15条 敗戦や失敗から教訓を学ぶこと

野村克也「生き残る技術」より

新型コロナウィルスの流行が始まってから2年が経過し、ますますいままでの常識が通用しなくなりつつある時代。

コロナウィルスがはやる前の「平和な時代」をただ懐かしんだり、目先のことにとらわれることなく、これから先のまだ見ぬ未来を見通しつつこの厳しい社会で生き抜いていきましょう。



関西在住のWebライター/文筆家のタマゴです。私の書く文章があなたの人生を豊かにすることができていれば、ぜひサポートをお願いいたします。