【書評Unlimited】「生き残る技術(野村克也著)」に学ぶ弱者が強者に勝つ方法
前々からずっと温めていた企画をやっと始めることになりました。ていうか温める余裕があるぐらいなら、さっさと書けよって感じ。すみません、とっかかりが遅くて。
今回ご紹介するのは、2020年2月にお亡くなりになった野球界の大監督にして「ひっそり咲く月見草」の野村克也さんの著書です。
ここんところずっとノムさんの著書にはまっておりまして、立て続けに2日で二冊一気に読んだところ。その前には落合監督にまつわるノンフィクションストーリー「嫌われた監督」なんかも読んでいますが。
このような人にささるかも
あらすじ
少年時代から鍛錬に鍛錬を重ねた野球選手のトップが行き着くところ、それがプロ野球。そうした超エリートがしのぎを削る野球界で、王や長島の影に隠れながら自らを凡才と自覚して必死の努力と冷静な判断、データを元にしたバッターやピッチャーの攻略法で野球人生を全うした野村さんが語る「弱者が生き残る技術」とは。
本の大まかな内容
貧しく恵まれない環境から数々の賞を総なめにする大選手にしてプレイングマネージャー・監督・野球評論家として成功した野村元監督。
テスト生からプロ野球入りし、特別恵まれた野球の才能もないなかでどうやって40歳代まで第一線で活躍することができたのか。
その秘訣を「生き残るという意味」「生き残れた理由」「生き残るための自己管理」など、さまざまな方向から長く野球を続けられた秘密を紐解いていきます。
「生き残る意味とは?」を常に問い続ける
野村さんは華々しい記録を数多く受賞してはいるものの、決して恵まれた環境で野球を学んできたわけではありませんでした。
プロ野球選手といえば、小学生の頃からリトルリーグや「野球留学」で他都府県の強豪校に入学し、ひたすら野球の技術を磨いてきた「エリート中のエリート」が集まるところです。
一方で野村さんは京都の田舎に生まれ、極貧の中で育ちテスト生として「かろうじて野球界にもぐりこんだ」苦労人です。
そうした選手がプロ野球の一軍の選手としてレギュラーになれたのは、そうしたエリートの中で日々対戦相手の心理を読み対策を立て続けた努力の成果なのです。
コロナ時代を前に世を去った野村氏から学ぶこと
野村氏は選手およびプレイングマネージャーとして26年、ヤクルト・阪神・楽天の監督として16年、プロ野球の最前線に立っていました。
Wikipediaなどを覗いて見ると沙知代夫人が原因となった南海ホークス球団側との確執などがあり、いわゆる「野球界の偉人」といったイメージにはあてはまりません。
しかし、母子家庭の貧しい生まれから自らの努力によってはいあがり、最後にはその一挙手一投足や言動が常に注目される人物になったのは事実です。
そうしたいわゆる「弱者」が「強者」をどのようにして倒すのかを考え続けた野村監督が、弱肉強食の勝負の世界で生き残るために本書で示した「プロ野球で生き残るための15か条」を示している。
そのなかで、私たち一般の市民にも生かせる項目を5つ抜き出してみました。
新型コロナウィルスの流行が始まってから2年が経過し、ますますいままでの常識が通用しなくなりつつある時代。
コロナウィルスがはやる前の「平和な時代」をただ懐かしんだり、目先のことにとらわれることなく、これから先のまだ見ぬ未来を見通しつつこの厳しい社会で生き抜いていきましょう。
関西在住のWebライター/文筆家のタマゴです。私の書く文章があなたの人生を豊かにすることができていれば、ぜひサポートをお願いいたします。