『芸術の道』という視点から見るユーフォニアム3期12話 (前編)
※ネタバレあります。
6月23日放送の3期12話。
ブラインドオーディション、ドキドキでしたね。
どちらが久美子か、皆さんの勘は当たりましたか?
私は、当たりました。
美術と違い、私は音楽に関しては素人です。
素人なりに感じたことは……
①シーズン1期のトランペットソロオーディションとの違い。
➡ブラインドもそうですが、何より大きく違ったのが、
Season 1 "トランペットのみ"
Season 3 "トランペットとユーフォの掛け合い"
②奏者1と2の違い。
➡技量の差は私にはわかりません。でも、
奏者 1 トランペット主に対し、ユーフォは従。
奏者 2 トランペットと共にフュージョンしている。
繰り返しますが私は音楽に関しては素人なので、間違いがあるかもしれませんが、あくまでも個人としての感想です。
①と②を総合し、さらにその後の麗奈の選択を見た上での私の想いは、こうでした。
・ユーフォニアムの音としては奏者1も2も上手さに差はなかった。
・掛け合いでのオーディション=ユーフォニアムの実力だけではなく、曲全体の中の、ソロパートの役割(どのような演奏がベストか)が求められた。
・久美子かどうかは関係なく、奏者 2 の方がトランペットも楽しかったんじゃないか。ジャズライブの掛け合いのようだった。
・でも吹奏楽はクラシックに近い。曲全体の中での役割は重要。
・麗奈は、個人としての心地良さよりも、音楽作品としての『一年の詩』の完成度を選択した。
―――麗奈は、奏者 2 とのフュージョンを楽しんだと思うんです。
でも、だからこそ『一年の詩』の完成度を上げ、優勝を狙えるのは、このソロパートでトランペットを際立たせてくれる、ほんのわずかに従になれるテクニック。
だから奏者 1 を選ばざるを得なかった。
まさに、断腸の思いだったと思います。
この“12話”への感想をざっと見回すと、原作者は小説は小説、アニメはアニメという理解で、号泣した……という主旨の投稿をされてますし、『神回』という声もたくさん。
その一方、麗奈×久美子の尊い友情こそ宝だ、という方は、このアニオリに立腹されていたり……
わかります。
『くみれい』の奇跡の友情(愛?)、その結実を望むのであれば、原作どおりになぞって欲しかったという思いも。
けれども、私はアニメーションという「音のあるコンテンツ」であるからこそ、その「音」の表現に真摯に向き合わうことで、文字だけの世界、文字と絵だけの世界とは違う感動が得られるようにも思うんですよね……
(後編)では、麗奈、久美子、真由の「芸術の道」という視点からの感想を掘り下げたいと思います。